CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】危険な世界史

2017-09-14 19:50:03 | 読書感想文とか読み物レビウー
危険な世界史  著:中野 京子

読む順番が逆になってしまいましたが、
ちょっと前に読んだ運命の女篇の第一弾のほうであります
前回と違って、映画紹介ではなく、本当に世界史の様々な出来事を
ちょっとずつ紹介しているというコラム集で
豆知識を読み進めていくような読書となって
電車で読むにはうってつけでありました
非常に面白かったんだが、いかんせん、数が多いのでほとんど覚えてられないという
自分の頭の悪さを呪いたくなるものである

さて、内容はちょっとゴシップめいたというか
面白おかしい話が多いのも確かなため、歴史本というほど堅苦しくなくて
肩の力を抜いて読むことが出来る内容でありました
有名なというか、これはもうこの作者の持ちネタなんじゃないかという
モーツァルトとアントワネットの少年少女時代の話だとか、
ハプスブルク家に訪れる不幸の話だとか
たぶん、当時のゴシップで楽しんで描かれたであろう挿話が
これでもかとさりげなく盛り込まれていて
非常に面白いのでありました
もっと、世界史の知識があると楽しめるんだろうなとも思えるのであります

好きな世界史というか、英雄が若干偏っているのかもと思わされるところで、
マリア・テレジアと、フリードリヒ大王が頻出しているのが楽しくて、
この二人の傑物っぷりが、挿話もあわせて凄いことだったんだなと
改めて世界史というか、こういう世界の面白さを
堪能させてくれるのであります
いずれも頭のよい人であって、そういう人がやはり
皇帝だとか、なんだとかになるんだなと思わされるのである
中世といわれればそうだけども、名君の下、その統治は見事であったのか
気になるのでありますね、現代人として

王家王族ばかりではなく、芸術家なんかもあれこれと書き連ねてあるのも興味深く、
モーツァルトの子供が「父と違って才能はない、という絶望感を漂わせている」なんていう評論が
なんというか、えげつないというか、当時の人の諧謔は恐ろしいなと
つくづく思い知らされたりしたのでありました

あとは、錬金術から陶磁器が生まれた話だとか
なかなか面白い小話も掲載されていて、本当に、こういう
世界の瑣末なトピックスというのは面白いなと
これを集めてきた著者にも脱帽しつつ
それを軽妙に短い文章で癖なくまとめているという力量に
慄くばかりなのでありました
面白い本だと感じたのであります


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