CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】みかづき

2017-03-22 20:07:13 | 読書感想文とか読み物レビウー
みかづき  作:森 絵都

日本の戦後教育という大きなテーマを扱った小説でした
ハートフルなファミリーの物語でもあったと思うし、
それも大きな意味で教育であるなと
そういう気分になるような内容なので、やはり、
教育に関する小説というのが、おおよそ言い当てているんだけども
その字面とは印象の違う、とても感動的な話だったと
思うのでありました

血縁についても考えさせられるところもあり、
引き継ぐもの、志、想いや夢といった
大変重要なことが、しっかり丁寧に描かれているので
どっしりと読んで、物語にひたりこんでみると
最終盤では、ほろっと泣かされる展開もあったりして
なんというか、いい話だったなと
感動したメモを書いてしまうのでありました

戦後教育の右往左往、政治や中央からの教育という
歪きわまりないそれではいけないと、
私塾を立ち上げて、それを運営していくなかで、
次第に当初の志を見失ったり、
それでも一貫した生き様によって、それなりの成功や何かを手に入れていたり
長い人生の、行きつ戻りつも描きながら
世代をこえて、このテーマが引き継がれていくというのが
家族のありようとあわせて、
物凄く感動的なのでありました
こういう親子や、祖父母と孫の交流といったらいいか
血脈ともいうべき営みは、
いいえぬ感動を覚えてしまうのである
自分が、そういうのに飢えているのかもだな

ともあれ、そういった、様々な障害や挫折、隔たりなんかも描かれて、
家族のあり方、それぞれの人生のあり方が変遷しながらも
大きくひとつであるという大団円に
深く感動というか、物凄く安心して感動したのでありまして
とてもいい小説を読んだ
心が洗われるとはこのことかというほどに、
さっぱりというか、純粋な気分に浸れたのでありました

純粋な教育に関する想いというのに
物凄く共感してしまうのだけども、
これもまた、非常に難しいテーマだし、
何をもって正解かは、まったくわからないけども
ここに描かれた感動は、何か、大切にしたいものがあるなんて
えらく殊勝な感想を抱きつつ
よい本を読んだとメモっておくのでありました


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