CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

NHKドキュメンタリー 阿修羅 1300年の新事実

2017-04-19 21:30:43 | ドラマ映画テレビ感想
内容的にはEテレと半々といったところで、
仏像として、美術品として、歴史遺物として
様々な考証を経て、新たにわかったことを解説した
非常に充実した番組でありました
大変面白かった

光明皇后による指揮のもと作られたというお話にも
ぐっとくるものというか、当時の世相や想いが
ひしひし感じられて凄いなと感動したのでありますけども、
これも含めて、やっぱり古代というものを勉強する場合
どうしたって、市井ではなく、皇族貴族のそれとなるんだなと
改めて思い知った次第であります

内容としては、庶民にも開かれていたとして、
蒸し風呂が紹介されていましたが、あそこでいう庶民というのも
はたしてどういう人間を指しているのか、
それは貴族ということじゃないかしらと思ったりもしたんだが
まぁ、それは、時代というか、そういうものだろうと
割り切るべき内容なのでありましょう

その光明皇后が、幼くして亡くなった子供を想い、
それを仏師に彫らせたのが、かの八部衆ではないかというのは
やや、感情的にすぎるんじゃないかと思ってしまったのであります
そういう新説も、なるほどと思えるし、
いい話だとも感じるんだが
それはまた、皇族、当時でいう支配者としてそれでいいのかと
思ってしまったりもするのであります
民草を思うというよりは、己のというあたり
人間的であるといえばそうなんだけども、
どうなのかなと考えてしまったのでありました

とはいえ、その慈悲というのか、
悲しみがあればこそ、
あの八部衆の特異な姿は生まれてこなかったので
どうといいがたいものがあります
あの仏の姿は、ただただ好きで仕方ないので
それが母性に、子を亡くした母というものの顕現だといわれたら
感動をよぎなくされると思うところ

科学的検証も大変面白い内容でありました
CTスキャンをとることで、阿修羅の中身が輪切りで見られるというのは
斬新に過ぎるというか、凄いことだなとこれもまた
感激して見入ってしまったわけでありますけども
中身が空洞であることや、骨組みがわかったり、
その肩が外れていることなんかもわかったりとか
なかなか衝撃的でありました、結構最近まで、腕が何本か折れてたんだと驚いたのである

塑像からの再現で、その途中に何があったかというのは
大変面白い思索だと感じたのでありますが、
ほかの塑像がどうなのかというのと比べてもらわないと、
阿修羅特有の事情だったのか、塑像とは
だいたいあんな感じで作るものなのかが判別できないなと
ちょっと辛く見てしまうのであります
でも、とても面白い内容でありましたので、これはこれでありますな

と、そんなわけで、現在展示されている姿が
これまた躍動感というか、今でいうジオラマ的なことになっているようなので
ぜひとも見たいと感じつつ、メモを終えるのでありました