天満放浪記

matsuken tenma blog

チルベス『火葬場』(1)

2017年04月21日 | 西:書評①スペイン

今年の院生と読み始めた本。彼らは文学が専門ではないので迷惑かなという気もしたが、スペイン文学というカテゴリーで何か読むに値する現代小説はある?と思った時に、無知な私には他に思い当たる作家がいなかった。スペイン現代小説ロードマップみたいな日本語マニュアル(安藤哲行先生による松籟社のLA文学本のような)があると便利なのだが、いつかそのうち刊行されることを期待しつつ、今はなんとなく勘で読んでいくしかないいのだろう。

 この小説には改行というものがない。

 むむむ、でも、章に類する区切りはあって、そこを改行+章分けと考えたい。

 そして冒頭の部分がどうやら登場人物による一人称の語り。といっても、彼が眼前に見ている光景の描写と、彼の記憶と、彼の意識の流れが混在し、それがとってもモダニズムっぽくて懐かしい…と感じる私のような人間もいれば、どうしてこんなあえて分かりにくい書き方をするんですか?と問う若者もいよう。そういう若者のほうが健全であると思う。

 語りの主体は裏表紙などから察するにルベン・ベルトメウという。

 そのルベンが冒頭で二人称で語りかけている相手はマティアス、彼の弟である。

 そしてこのマティアスはすでに死んでいる。

 しかし小説を読む限りは分からないので、なんだかよく分からない語りが進行しているよ、面倒だなあ…という感じで冒頭の章は続いていくのである。それに次の章は全知の語り手が採用されているようで、そこを何とかまとめつつ前に進んでいくって?

 どうしよう!

 …とオジサンは不安ですが、優秀な学生二人が解決してくれるはず。

 おそらく3人で7月ごろに読み終わり、あーだこーだと言うのを楽しみにしてます。

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