「ボーン・アイデンティティー」「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」の3部作
は生見の人間によるハイスピード・アクションは大好評でした。今作はこのシリーズを手
がけたポール・グリーングラス監督とマット・デイモンが、9年ぶりにシリーズ復帰を果た
した第5作です。
ジェイソン・ボーンがCIAの監視網から姿を消して、静かに生活していた彼のもとに、CIA
の元同僚のニッキーが現れ、ボーンにまつわる、ある驚きの真実を告げる。これをきっか
けにボーンは再び動き始めることになる・・・という内容。
ボーンの追跡を指揮するCIA長官デューイ役でトミー・リー・ジョーンズ、その部下となるリ
ー役で「リリーのすべて」のアリシア・ビカンダーがシリーズ初参加で色を添えています。
シリーズ前作を見なくても理解がしやすい筋立てでなければならないのに、少々判りづら
いのが気になりました。お話も実に単純なのに、それを無理に複雑に描いている感じもし
ます。テンポはいいのですが、瞬間カット場面が多用され省略も多いことが余計に物語を
判りづらくしていて爽快感が希薄になります。アリシア・ビカンダーの新鮮さだけが拾いも
ので、続編が出るようですが、残念ながらあまり期待出来ません。