読書ノート  

主に都市、地域、交通、経済、地理、防災などに関する本を読んでいます。

震度7何が生死を分けたのか~埋もれたデータ21年目の真実~ NHKスペシャル取材班2016 KKベストセラーズ

2016年12月31日 | 防災、復興
 阪神・淡路大震災の犠牲者5036人の死体検案書のデータと、家屋損傷、火災発生時間、通電再開時刻などのデータのクロス分析やCGマッピングによる可視化によって、何が生死を分けたかを明らかにしている。
地震発生から1時間以内に亡くなった人の死因の9割は圧迫死だが、その内訳をみると、実は窒息死がほとんどで、身体全体が押しつぶされた圧死はわずかだった。窒息死といっても口や喉が塞がれたのではなく胸や腹の上に重いものが乗り横隔膜や肺の動きが止められた「外傷性窒息」だった。
 建物に被害がないのに人が亡くなったケースが100件あった。はっきり家具が原因と特定できるケースは少ないが、重傷者の直接原因は家屋と家具がほぼ半々だった。
 地震当日に起きた火災205件のうち1時間後以降に発生したものが92件あった。通電が再開したエリアで次々と火災が発生していた。長田区大正筋商店街の火災も4時間後に出火したことは消防の記録からも住民の証言からも裏付けられる。
 この本は貴重な事実を知らせてくれるが、やはり、地震で死なないためには、地震で倒壊しない家に住み、家具を固定しておくことが何より大切であることには変わりない。家が倒壊しなければ、その下敷きになって窒息することも火災から逃げ遅れることもなかったのだから。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 12月7日日本総研主催シン... | トップ | なぜ貧しい国はなくならない... »

コメントを投稿

防災、復興」カテゴリの最新記事