読書ノート  

主に都市、地域、交通、経済、地理、防災などに関する本を読んでいます。

私たちの国づくりへ 西水美恵子 2016

2017年03月20日 | 未分類
 東日本大震災の被災地を歩き、災害時にも平静・威厳・品格・優しさ・良心等を失わない日本人、復興に立ち上がる被災者を讃える一方、復興支援対象をグループ事業や漁協に限定し、被災者個人を支援しようとしない「国」を厳しく批判。

 この人もブータンに惚れ込んだ一人のようだ。遺伝子的に日本人と近く、かつての日本人が持っていた文明を今も保持していること。総選挙の立候補者が民に仕えるリーダーの情熱と信念に満ちていること。国家固有のアイデンティティーを守ることによって独立国家の主権を擁護する、という王の言葉。

 著者の職場である世界銀行は、15年前までは官僚的で中央集権的な組織文化に染まっていた。本部採用と現地採用との人事不公平、現地事務所は権限のない伝達係に過ぎない、など。南アジア局長になったときに自ら改革を進め、世銀全体に広めた。上から目線の組織文化を変えるには、半強制的な途上国貧村でのホームステイ体験が大きな効果があった。

 移民開国を「パンドラの箱」と言う。南アジア諸国の指導者らの言葉「移民政策は国家への帰属意識を左右し、間違えば国体維持さえも脅かす」。これでは移民開国に消極的か積極的かよくわからないが、「残る希望は大和民族がたどった同一化の道」「異国の文化を吸収しつつ豊かに変わりゆく日本文化を共有する国を、意図して作る覚悟が要る」ということは、やってくる人達には「同一化」を、日本人には自らも変わることを求めているのだろう。
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