読書ノート  

主に都市、地域、交通、経済、地理、防災などに関する本を読んでいます。

海外インフラ整備プロジェクトの形成 藤野陽三、赤塚雄三ほか 2011

2017年04月04日 | 外務、国際
第2章大河川の架橋計画調査」はバングラディシュ・パドマ架橋の事例。
 バングラディシュの国土は世界最大のデルタにあり、大河によって国土は大きく4つの地域分断される。パドマ川(ガンジス川下流)架橋は、首都ダッカと開発の遅れている南西部を結ぶ長大橋プロジェクト。大河で分断された国土を一体化することは独立以来の同国の悲願であった。
 ここで紹介されるのは、JICA調査団によるフィージビリティ調査。
 開発効果の測定では、現在の渡河交通量を基にした転換交通量予測、架橋による交通需要変化予測、建設場所による経済便益の相違、国際交通網の形成とそのインパクトなどを調査。
 河川調査は歴史的な河道の変遷を調べ、候補地が架橋にふさわしいサイトであることを確認し、さらに河岸防護工を提案。
 橋梁計画としては、経済成長を見込み4車線の道路に鉄道併設。橋梁形式は、バングラディシュに定着しているPC技術を生かすものとし、3つの代替案の中から最適な案(エクストラドーズド橋)を提案。
 環境社会配慮では、土地収用や住宅移転問題を調査。

 執筆時点では、JICA,ADB,世銀及びバングラ政府が資金提供の可能性を検討していた。

 では、それから6年経った今、この架橋プロジェクトがどのように進展したかネットで調べたら、ショッキングな現実を知らされた。
・バングラ政府の汚職疑惑が解明されないので、世界銀行は約束していた1200億円の支援を破棄した。2012年のこと。
・バングラ政府は、経済発展と外貨準備高の増加を背景に、独力で事業を進めることにした。
・2014年、中国企業がパドマ架橋の工事を受注した。2014年・・・これまでバングラデシュで幾つもの主要な橋梁にかかわってきた日本は、同国最大のインフラ事業といわれるパドマ橋の建設からはずれた。
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