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●漫画・・ 「地球ナンバーV7-ブイセブン-」

  

 人類の未来世界、地球人の宇宙開発は進み、人間は火星を開拓して移住を進めた。移住した人間たちはどんどん火星開拓を進め、火星には豊富な資源があり余っていた。一方、地球の方は資源という資源を取り尽し、地球自体は老衰した星となってしまい、火星の資源に頼る有り様だった。そして、火星に移住した人間の中には、じかに降り注ぐ宇宙線のせいか何のせいなのか、火星人間の中に超能力者が誕生していた。地球の通常の人間には到底考えられない、不思議な能力を持った人間が、火星住民の中に増えていた。

 発展した火星社会では、人の能力も資源でも、地球よりはるかに優っている火星が、地球の支配下にあるのはおかしいじゃないか、という考え方が生まれ、火星が人類の主導権を握るべきだ、という思想となり、火星社会の中に拡がって行った。その結果、不満を持つ火星から多くの超能力者が地球に送り込まれ、地球の工場や施設の爆破などのテロを起こして、地球人に火星人間の力を見せ付けて行った。

 地球人の中枢である地球評議会は、地球の機能を麻痺させようと、次々と破壊行動を取る、火星から送り込まれて来た超能力者たちに手を焼き、対抗手段を講じた。 地球vs火星の全面戦争を避けたい地球代表政府は、火星の超能力者に対して、僅かながら地球にも存在する超能力者をぶつけることにした。

 地球ナンバーV7と呼ばれる少年(青年?)、ディック・牧は、地球評議会に呼ばれ、地球代表政府の秘密警察の長官から、作戦の詳細を聞く。地球評議会の任命を拒否する、地球ナンバーV7ことディック・牧。しかし、ディック少年の意志とは関係なく、地球に潜在する火星の超能力者たちは、地球秘密警察の建物から出て来た時点で、その人間を自分たちの敵とみなし、火星超能力者は相手にうむを言わさず、始末しに掛かる。

  

 地球政府の秘密警察がどうして、ディック・牧を火星テロリスト退治の執行役に選んだのか?というと、この時点から11年前の航空機の墜落事故で、乗組員・乗客全員が死亡したのに、幼いディックとその姉の姉弟の二人だけが助かっていた。そこで、奇跡的に助かった二人の子供を、地球政府は超能力者に違いないと目を着け、姉弟の存在を管理していた。政府は今回、少年~青年へと成長したディック・牧に、火星テロリスト退治の白羽の矢を立てたのだ。

 ディック少年(青年?)の意志とは関係なく、ディックを襲撃して来る火星から来た超能力者たち。V7=ディックを狙う火星の超能力者たちは、みんな個々に特殊能力を持っている。例えば発火能力を持って火炎を起こせる者や、睨んだ相手を思い通りにできる催眠術のような能力、強力な電気を起こせる能力、などなどと、とても凄い超能力を持ってるのだが、あくまで一人の超能力者が一つの特殊能力を有している。しかし、スーパー超能力者であるV7は、幾つもの超能力を使うことができる。V7を襲撃する火星の刺客は、次々とV7に返り討ちに合う。

 V7=ディック・牧は超能力テロリストの本拠地、火星へ行くことにする。地球でテロリストの面々を次々片付けていてもラチが明かないから、火星の本拠地へ赴いて、対地球テロ活動のリーダーに、地球での破壊活動をやめるように説得に行くのだ。V7は火星行きのロケットに搭乗して火星上空まで向かい、火星の地表から高度1万フィートの上空から、勝手にロケットの乗降口ドアを開けて、ロケットから飛び降りる。

 火星勢力の陰謀団リーダーたちは、火星の超能力犯罪者たちを監禁して服役させる、火星で一番厳重な牢獄、カナーリ刑務所に捕らえられている、極め付けの超能力犯罪者五人を超法規的に刑務所から出して、V7抹殺の任務に当たらせる。この超能力凶悪犯五人は飛び切り危険な超能力者たちだ。火星到着のV7はこのことを知らない。危うし、V7=ディック・牧。

 火星にはディックの無二の親友、ブレラントが居た。V7はブレラントの元にやっかいになるつもりだった。だが、ブレラントの家に、カナーリ刑務所から解放された最凶超能力者の一人が襲撃を仕掛けて来て、ブレラントの家は破壊される。実はブレラントもV7に負けじ劣らじとういうような、凄腕の超能力者だった。火星テロ組織側が送り込んで来た超能力者刺客と、ディックとブレラントはコンビネーション戦法を使って、超能力対戦を繰り広げる。死闘の末、最初の超能力者はブレラントが倒したが、V7を狙って次々と、カナーリ刑務所から開放された凶悪エスパーが襲撃して来る。

 各人一つだけの、個性的で超強力な超能力を使う、カナーリ刑務所収容凶悪エスパーたちと、壮絶な超能力戦を戦い続ける、V7ことディック・牧と盟友ブレラント。この物語上で語られる超能力者は、通常、みんな、一人のエスパーにつき一つの特殊能力なのに、ディックとブレラントの二人だけは、一人で幾つもの超能力が使えるスーパー超能力者だ。

 敵の超能力者のことは何も知らないディックとブレラントは、カナーリの牢獄を調べに行くことにする。脱獄も襲撃も困難極まりない鉄壁要塞、カナーリ刑務所には、対侵入・脱獄用の様々な攻撃システムが装備されていて、施設に侵入することは相当難しく、ディックとブレラントは命懸けで刑務所施設の中へと向かう。

 火星の地表の上で、特殊刑務所囚役の最凶超能力者たちと、ブレラントと共に凄まじい超能力バトルを続けて行く、V7ことディック。死闘を続けた末に最強超能力者たちを倒し、対地球テロを仕掛け続ける火星組織の首魁の元へと、V7たちは火星の都市部へ向かい、権力者の屋敷へ乗り込む。

 結局、最後は、地球側も火星側も普通の人間たちは、超能力者が化け物に見えて、全ての超能力者に対して恐れと脅威を抱き、超能力者との共存は怖くてたまらないから、全超能力者の拘束厳重監禁や、あるいは全超能力者の殲滅を考える。このまま地球や火星にとどまっていても、普通の人間に最悪殺されると踏んだ、V7やその姉、ブレラントや、全ての超能力者たちは、地球や火星から離れることにする。全超能力者たちは、数機のロケットに分乗して乗り込み、ロケットで地球を飛び立って、自分たちが安心して生活できる惑星を求めて、大宇宙の旅に出る…。 ・・・

 これが横山光輝先生の未来超能力バトルSF漫画、「地球ナンバーV7」の大まかなお話の流れの、ストーリーです。

 週刊少年サンデーは僕は、小学二年の新学期頃から断続的に読み始め、小六から中三の一学期か二学期くらいまでは毎号続けて読んで、高二の頃、再び続けて読んでから、その後はサンデーは読まなくなって、80年代、サンデーで「うる星やつら」が大人気連載時に、当時行き付けの行田駅近くの蕎麦屋で毎号読んでたかな。あとはサンデーは雑誌では読んでないな。「らんま1/2」や「ジーザス」とか「拳児」は全巻、新書判・少年サンデーコミックスで読んでたし。少年サンデーをちゃんと読んでたのは高二までだな。

 そんな、僕の少年サンデー読書ライフ(人生)の中で、サンデーが僕が最も面白かったのは、「地球ナンバーV7」が連載されてた頃の、週刊少年サンデーですね。あの時代のサンデーの漫画ラインナップはみんな面白くて、毎号楽しみだった。 

 「くたばれ涙くん」「歌えムスタング」「紅三四郎」「サスケ」「もーれつア太郎」「ドカチン」「河童の三平」「あかつき戦闘隊」「てなもんや一本槍」「マイティジャック」「21エモン」「ウメ星デンカ」「地球ナンバーV7」…。「地球ナンバーV7」連載期間前後のサンデーも凄く面白かったけどね。1966年~70年の週刊少年サンデーの漫画ラインナップは良かったなあ。実に良かった。この時代のマガジン・サンデーは最高でしたね。

 「地球ナンバーV7-ブイセブン-」は小学館発行の週刊少年サンデー、1968年38号から69年13号まで連載された、横山光輝先生の傑作SF超能力バトル漫画です。コミックス版は朝日ソノラマから1974年に、大都社からは84年にどちらも全2巻で発刊されました。講談社漫画文庫版の発刊は一冊本で、2002年ですね。

 横山光輝先生は、週刊少年サンデー誌上では1961年新連載の「伊賀の影丸」から続けて、断続的に長編漫画を連載し続けてます。「伊賀の影丸」に始まり、66年から「仮面の忍者・赤影」、67年には「ジャイアント・ロボ」、68年の「地球ナンバーV7」と長編漫画の連載を続けて来ました。「地球ナンバーV7」以降はサンデー誌上では、長編連載は見なくなったようですね。横山光輝先生の大活躍は、何といっても60年代フルですね。

 勿論、横山光輝先生は70年代以降も、週刊少年チャンピオンの「バビル二世」「あばれ天童」などや、週刊少年マガジンの「闇の土鬼」などと、長編連載を持って活躍してますし、横山光輝の一方の代表作である、「水滸伝」や「三国志」などの歴史巨編漫画は、60年代後半から70年代に描かれてますね。「狼の星座」は70年代後半の少年マガジン、「史記」は90年代の小学館・ビッグゴールドで連載されました。横山先生も、デビュー直ぐから90年代くらいまで長年に渡って、人気漫画界で常に第一線で活躍され続けた、日本漫画界のレジェンド作家ですね。

 「地球ナンバーV7」は、それまでにサンデーで大人気を博した「伊賀の影丸」「仮面の忍者・赤影」の二大忍者活劇時代漫画を、今度はSFでやった活劇漫画ですね。時代劇である忍者漫画の「影丸」や「赤影」と、地球の未来社会が舞台のSF超能力戦漫画「地球ナンバーV7」は、敵味方のバトルシーンがそっくりです。時代劇である忍者漫画の「影丸」「赤影」に登場する、敵側の怪忍者たちの使う忍術と、「V7」に出て来る悪者のエスパーたちの超能力は、ほとんど同じと言ってもいいくらいよく似ています。中には、後の「バビル二世」に出て来る、“エネルギー衝撃波”と、漫画表現は全く同じ超能力攻撃もありますが。横山先生の「影丸」「赤影」で出て来る忍術は、普通の人が長い間の訓練で身に着けた体術ではなく、超能力的な忍術ばかりだった。まぁ、そっちの方が当時の読者の子供ウケしたんですが。

 「地球ナンバーV7」のお話の内容も、大人になって読み返すと、突っ込みドコロはいっぱいあるんですけど、一番大きいのはお話ラストの物語閉め方ですね。超能力者全員が数機のロケットで当てどのない旅に出る。目的地の惑星は具体的に決まってない。大宇宙流浪の旅で自分たちが居住できるな、と思える惑星が見つかったらその地に降りる…。そんなムチャクチャな。あまりにもあやふやな目標でとにかく地球を離れるなんて。未知の惑星開拓がいったいどれだけ大変な事業か。何かテキトーに地球人から逃げただけ、って感じですね。

 まぁ「地球ナンバーV7」を僕が雑誌連載リアルタイムで読んでたのって、僕は中学生だから、そんな、あんまり考えずにただ面白い·カッコ良いだけで読んでたのかも知れないけど、でも当時でもお話の終わらせ方に何となく違和感持ってたカモ。

 大人になって読み返して、ちょっと考えると、だいたいロケットで人類が行ける星って、太陽系内だけじゃないですか。火星の開拓に人類が全力で何年も懸かって来てるのに、ロケットで着いて直ぐに、未知の惑星を人間が住めるように開拓なんてできる訳ない。まぁ大人になった僕が、講談社ブルーバックスの太陽系天体のことを詳しく書いた本なんか読んで、少しではありますが宇宙のことを知識として素人ながらある程度知って、昔の漫画と実際科学と照らし合わせて、おかしいナ、とかって思った訳なんでしょうが。木星の衛星も土星のタイタンも、そこよりはるか遠い海王星のトリトンも、また、地球からはるか光速で4.3光年先の、太陽系外の一番近い天体、アルファケンタウリのことも少し知識を得て、昔の子供向け漫画を、まぁ気持ち、馬鹿にしたのかも知んないかなぁ…。

 

 最終的に人類の普通の人たちが、新たに生まれて来ている、新人類の如き超能力者たちに対して恐れと脅威を抱いて、普通の人間たち対超能力者たちの構図になる点などイロイロ、「地球ナンバーV7」の内容は、アメリカのハリウッド特撮大作のSF 映画シリーズ、「X-エックス-メン」シリーズに似てるな、と思われた方も多いのではないでしょうか。「エックスメン」の第一作の公開は2000年ですから、「地球ナンバーV7」の方が32年ほど早い計算になりますが、どちらもドラマ作りの参考にした、タネ本は大戦後欧米の50年代SF 文学でしょうからね。日本の60年代SF 漫画の描き手の作家さんて、けっこう50年代欧米SF を読んで勉強して、自分らの作品の参考にしてる漫画家は多かったんですね。映画「エックスメン」シリーズの基本設定も、50年代SF をベースにしているでしょうし。「エックスメン」はもともとマーベルのアメリカンコミックが原作ではあるのですが。

 

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