＜ハンナン事件＞再審受け入れへ 大阪地検

　牛海綿状脳症（ＢＳＥ）対策を巡る牛肉偽装事件に絡み、証拠隠滅罪で懲役１年６月、執行猶予３年の大阪地裁判決が確定した大手食肉卸「ハンナン」グループ会社元幹部、小西和男さん（６０）に対する大阪地裁（中川博之裁判長）の再審開始決定に、大阪地検は２６日、即時抗告を見送る方針を固めた。再審で証拠隠滅罪を立証できると判断したとみられる。即時抗告の期限の２９日までに大阪高検と協議し最終決定する。

　「ハンナンマトラス」の経理部長だった小西さんは０４年、「ハンナン」元会長、浅田満被告（７１）＝上告中＝の指示で、納品書を裁断したなどとして起訴。０４年１１月に有罪判決が確定した。しかし、処分したとされた経理書類が浅田被告の自宅などから見つかったとして０８年１２月、大阪地裁に再審請求していた。

　中川裁判長は見つかった経理書類について「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」と判断。だが地検側は、発見された経理書類が本当に原本かどうか不明▽他の書類は裁断され証拠隠滅にあたる－－ことなどを再審で主張するとみられる。【久保聡】