渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う

海に降る雪

2004年12月31日 | 外出・旅

夜明け前に車のエンジンをかけて、滑り出すようにゆっくりと、ノーズを
西に向けて走り出した。
夜明け間近、雨は雪に変わっていた。
初雪。
落下傘を付けて降下する白い妖精。妖精。妖精。

車のフロントガラスを避けるように、降りて来た雪がボンネットの
前で放物線を描くように舞い上がる。



この光景はいつか見た。
そうだ。
以前うちにいたルークという相棒の犬と一緒に見た光景。
生まれて初めて雪を見たルークは、車の助手席で立ち上がってフロント
グリルに前脚を乗せ、「わ〜。なんだろう、これは?」とばかり右に左に
首をきょろきょろさせていた。
あのときも夜明け前だった。
彼は雪を見たのは、それが最初で最後だった。

今年は、とても時の流れが早く感じた。
昨年の大晦日の出来事も、昨日のことのようだ。
1日が96時間くらいあったように思える凝縮された1年。
まるで時空が歪んでワームホールに入り込んだように、長くなったり
短くなったり、時間の概念が錯綜していた1年。
けれど、決して僕は「無駄な時間」とは思わない。
思えない、ではない。思わない。

自分が死ぬまで決して忘れ去ってはならないこと。
溶ける雪があるならば、溶けない雪もあること。
信じること。
なにを?
信じることを信じること。
主はすべてを知っていること。

西へ向かい、尾道を過ぎた頃、雪が雨に変わった。
だが、三原に入った頃、また雪に変わっていた。
国道から城下町の鍵形の路地に入り、造り酒屋の海鼠壁の横を通り抜け、
戦国期の石垣に掛かる小さな橋を越えて旧女子師範学校の横の坂を昇り、
江戸時代の切絵図に山ノ手通と書かれた坂道のある処に帰ってきた。
雪の似合う古い街。
窓を開けて、冷たい空気を吸い込んだ。
しっかりと、寒い。



街はどんどん白く霞んでいく。
城跡の石垣も、城下の屋根瓦も、鉄道も。
すべてのことがあたかも幻であるように化粧をする。
この白い雪に包まれた下には、現実には人々の息使いが、ある。
でも、しばし、人の吐息も街を白く染める、そんな季節。
夜はすっかりと明けたらしいのに、街は白い吐息に包まれたままだ。



そう。
街に入る前、海に降る雪を見た。


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瞬眠明けの月を覚えず

2004年12月30日 | ビリヤード

岡山出張の帰りに、福山に寄って馴染みのプールホールに顔出した。
玉も撞かずに、マスターと話をしていた。
尾道の某監督と某議長の出身高校の後輩のマスター。
中大の法学部に進んだが、ビリヤード熱が高じて選手になった人。
年は僕のひとつ下。
互いの身の上話を話しているうちに、僕はうとうととソファで寝てしまった。
気がついたら大晦日の夜明け前だった。
マスターがコーヒーを入れてくれた。


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2004年12月29日 | 内的独白

東京では雪が降ったらしい。

雪という単語を聞いただけで、思い出すことばがある。
遠い日の不安とことば。
曇りガラスの雫を指でぬぐって、肩寄せあって二人で窓から外の景色を
覗いた。街が眠る前に。
街には、風花のような、粉雪のような、溶けない白い天使たちが舞っていた。
幾つの夜を駆けて、幾つの朝を二人で迎えただろう。
おびえるように、何度も聞き返すことば。
呼び続ける名前。
雪が溶けることを恐れて何度も問い返すことば。
今の暮らしではたどりつけない未来を望んで今におびえていた。
笑顔の後に、急に涙を見せる。
銀の鎖も、紫の星のかけらを載せた薄桃色を漂わせる金色のメビウスの輪も、
手を伸ばせば届きそうなくらい、近くで光っていた。
やがて来る生も死も、気づかなかった。
ふざけすぎた季節の中で、なごり雪が落ちては溶けることさえも。

きっと、そのことばの響きと、きょうの日はずっと忘れない。
あの星の小さな鼓動も、小さな光のまばたきも。
降りてきた息吹も、昇る光も。
決して、忘れない。

東京では、きょう、雪が舞い降りてきた。


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指摘

2004年12月28日 | 内的独白

古い友人の指摘に、成程と頷いた。
特定事象の状態について。
その根拠たる物を見てみる。
なるほど能面みたいというか「作り物」である。
表現・表情も無機物のようだ。

さて、指摘に触発されて、彼が指摘はしていなかったが、片や今や過去
となったある一時期のたくさんのトランプの表情を見てみる。
ううむ。
生きている。
実に生きている。
まるで別物。
こんな表情をしていたんだ。。。
私の知り得るすべての他の場所では見られない表情。
私だけが知りうる私だけの発見。

それを見て、思った。
やはり風を受ける翼は片翼では飛べなかった。
羽根を無くした天使たちの顔。


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月の砂漠 砂漠の月

2004年12月27日 | 内的独白

異なる言葉でも、同じ意味と異なる意味になるときがある。

満月。
月の表と裏。
宇宙船が行くまで、地球人は月の裏の顔を知らなかった。
28日周期で地球の周りを回っている月。
地球の水と地球人の体と心に影響を与える月。
実は衛星に司られている母星の地球。
しかし、月は、自転は決してしない。多分、この先もずっと。
地球はクルクルと回る。コマのように。時速1600キロ以上で。
ただし、過去に急激なポールシフトで地軸がクルリンとひっくり返る
こと幾度。
マンモスの絶滅はポールシフトのせい?


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血液型の傾向性

2004年12月26日 | 一般

血液型占いや診断というのはあまり信じてはいなかった。

きょう面白い番組があったと家人が言う。
血液型ごと5名計20名の幼稚園児の好みを実験して、血液型別傾向性を
見たらしい。

方法は血液型ごと5名ずつのグループを集め、好きな服を着てもらい、
給食の食事をしてもらう。

まず、帽子とシャツとズボンを選ばせた結果、すべて血液型ごとの傾向に
分化したらしい。

【色選び-服】
A型 :すべての園児が水色の帽子とシャツとズボンを選んだ。
B型 :すべての園児が黄色の帽子とシャツとズボンを選んだ。
AB型:色がばらばら。5名各人に傾向性はない。
    しかもグループ内でも人と同じ組み合わせは嫌うらしい。
O型 :すべての園児が赤色の帽子とシャツとズボンを選んだ。

【選択肢-食事】
パン、スープ、おかず、デザートを用意して各血液型ごとのグループで
飲食。

A型 :全員が綺麗に三角の配置の順序に添って食べる。
B型 :全員が好きなものだけ先に食べる。
AB型:全員がそのままでは食べない。加工したり工夫して食べる。
O型 :(家人が見損ねたらしい)

ううむ。。。
どうやら、この番組の実験結果を見る限りでは、血液型傾向性というものは
あるらしい。
血液型に並ぶものとして星座もよく性格診断などで持ち出されるが、
やはり傾向性というものはあるのだろうか。

ちなみに、『高校教師』の二宮繭(桜井幸子)は出席番号24番O型かに座
だったが、私はAB型ふたご座である。


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天候悪化

2004年12月25日 | ビリヤード

ハーヴェイ・マーティン・スタイルの私のタッド。
リペア職人さんの話では、国内ではあまり見かけないらしい。
先日塗った肌を研磨して再塗装しようとしたら、本日は雨。
再塗装断念。
来週頭まで晴れという天気予報、まったくあてにならず。

↓私のタッドと同タイプの説明とパーツ画像
http://www.chalkers.com/id157.htm

タッド・コハラ-TK80

  この”プレーヤーシリーズ”のプロフェッショナルなタッド・キュー
  は、1989年〜90年に美しい高密度のバーズアイ・メープルから作り出
  された。
  このキューはハーヴェイ・マーティンのスタイルで製作された。
  マーティンは、初めてタッドをして奮起せしめ、彼に店舗を構えさせた
  伝説のキュー職人である。
  レアなフラットフェイスで木部と木部をつなぎ、3/8-10のジョイント・
  ピン、茶色のリネン・フェノリック樹脂のジョイントとシャフトのリン
  グをもつ。
  デルリン製のバット・キャップの上部のバット・スリーブには茶色のリ
  ネン・フェノリック樹脂があしらわれている。
  ホワイト/グリーンのコーティングタイプのリネン糸巻きは極めて明る
  い。
  2本のプロ・テーパーのシャフトのうち、ひとつは12.85ミリ径のタイ
  ガー・メープル、もうひとつは13ミリ径のロック・メープル製で、いず
  れもミント・コンディションであり、死蔵された直線的象牙からタッド
  により作られた先角を持つ。
  ひとつのシャフトはモーリ・タップが装着され、もうひとつはタッド・
  オリジナル・タップである。
  いずれのタップも未使用。
  すばらしい打球性能とパーフェクトなバランス。
  ビンテージ・タッド。19.1オンス。
  価格 1950ドル。
 
  (訳、こんなところかしら?)


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イヴ

2004年12月24日 | 内的独白

今宵はイヴ。
高校のときのギターデュオのユニット名もイヴだった。


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クリスマス・リトル・コンサー

2004年12月23日 | 内的独白

尾道。
晴れ。
9歳の誕生日。
ピアノ教室の生徒さんのコンサート。
第一部は個人演奏。
第二部は『動物の謝肉祭』ポエトリーリーディングに合わせて各人が演奏。


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神戸

2004年12月22日 | 内的独白

阪神高速で海沿いを西に向かって走る。
ポートタワーと街の灯りがとても綺麗だった。
この道を走るといつも思い出すことがある。

神戸と横浜って似ているといわれるけれど、似てるかなぁ。
横浜の山元町に住みたい。
ちょっと山手の奥だけど、あの道沿いの森林公園のあたりもいいなぁ。。。
あそこはもう根岸になるのかな。
その昔は競馬場だったんだって。あの森林公園。
引越し先を探して随分山手を走り回ったっけ。
結局鶴見の眼鏡橋の丘の上に長く住んだけど。
やっぱり山元町と山手の合流地点あたりが好きだな。

ついこの前ぷらりと走ったときには、かなり家並みが変わっていた。
古い洋館とかはそのままだけど、ちょっとだけ昔は結構まだ空き地が
たくさんあったんだよ。あのあたり。
ちょうど崖っぷちの上の空き地から眼下に街の灯が広がってさ。
向こうに海も見えた。
今の俺の住む部屋からも街と海が見えるけど、
ハマとは大分違うや。


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理解

2004年12月21日 | 内的独白

君をわかっていると、君の指向に何でも合わせて君を「心地よく」
させているのは、君の理解者であるということではないのだよ。
理解者とは別な次元だ。
別な「レベル」(いやな言葉だ。好んで使う者の質がわかる)
だから確執と衝突を生むのではない。
同次元で真摯に向かい合うから衝突も相互理解も生まれる。
一方が一方をあやしたり、恭順したり、あしらったりするのは、
それは理解からではない。
別な思惟によるものだ。

人間の行為は「好き嫌い」に因ってのみ現出しはしない。
これは好むと好まざるとにかかわらず、現実である。


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タスカルノダロウカ

2004年12月20日 | 内的独白

神よ。
あの人の邪悪な心を救いたまえ。


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ウレタンクリア

2004年12月19日 | ビリヤード

早起きしたけど半日ボ〜ッとしていた。

通常、ウレタンクリア塗装は完全硬化に数週間かかるのでリペアに出せば
納期が4ヶ月〜6ヶ月はかかる。
塗っては研ぎ出し、また塗る。
これを5回〜6回繰り返す。

半年キューが使えないのは、ちょっとだけ厳しい。
リペアまでのツナギとして変則的な塗り方をすることにした。

だが、きょうは湿度が高い。
まるきり塗装には不向きな日より。
理論上は2液性のウレタンは2液が混合を始めた直後から硬化剤との化学
変化で硬化を開始する。
硬化そのものは湿度とは直接関係がないとされる。
しかし、机上での塗料だけを見た理論と塗装の実際は違う。
塗膜表面が空気に触れる限り、表面と数ミクロン下での塗料部分とで硬化
速度に差異が生じるはずだ。
湿度の高い日にウレタンでも塗料の乗りが悪いのは、この差異がもたらす
ものではないかと思っている。

夕方、少しだけ陽が射して来たので、塗装を開始した。
丁寧にグリップ部分をマスキングして、最近発売された車用の2液性スプ
レーで塗装する。
2液性の缶スプレーは、硬化剤を使っているので12時間で使用不能となる。
ウレタンは表面張力でなじんで、蜂蜜のように自分でねっとりと平らになっ
ていくので、ラッカーと違って「厚塗り」をするのがコツだ。
使用説明書には「10分おいて重ね塗りを」とあるが、それはあまり適さ
ない。

本来なら
1.厚塗り1回
2.乾燥に数日〜数週間。
3.2000番くらいのサンドペーパーで研ぎ出し
これを繰り返す。
そして、最後に2種類のコンパウンド(研磨剤)で磨き上げ、さらに楽器用
のワックスで磨く。

本日は、経験と塗装知識に基づくイレギュラーな簡易塗装の方法を採った。
そして、本日中にコンパウンドとワックスで磨いた。
表面は通常塗装のように光ってはいない。
オイル仕上げのようだ。
ただ、使用上は問題ない。

ひとつ失敗した。
塗装前の状態、作業中の状態の写真を撮り忘れた。

      ↑仕上げ後↑
(ほんのりと光っています。
 エンドキャップもデルリンという材料の白色が復活。
 バーズアイ(鳥目模様)メープルにカーリー(虎縞)の模様。
 カーリーはクリア仕上げを入念にすると、日本刀の刃文の
 ように角度により光り方が変わって見え、とても綺麗。)


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マイ バディ。マイ タッド。

2004年12月18日 | ビリヤード

来年で私のタッド・キューが製造されてから10年。
私の手元に来てから7年。
表面の塗装は一般的キュー作家のようにウレタン系のクリア塗装ではなく、
高級楽器と同じラッカー系のクリアだ。
ラッカーは湿気を吸いやすい。
タッドの表面塗装は多湿の日本ではなく、工房のあるカリフォルニアでの
使用を想定したものだろうか。
あるいはタッド小原さんは元々広島の人で戦前アメリカから日本に戻り
家具製作の勉強をしていたので、特別にラッカーへのこだわりがあるの
だろうか。
タッド・キューの謎のひとつと言われている。
さすがに10年経つと表面は黄ばんできた。
クリアがクリアでなくなっている。
しっとりとした木目のクリーム色の肌がミリン色の表面塗膜で覆われている。
そして、ラッカー表面には無数の細かいヒビが入っている。

懇意にしているリペアマンに全塗装リペアを依頼する予定だ。
しかし、しばらく使いたいので、自分でちょっとだけ手を加えてみた。
表面のクリア膜を剥がした。
紙やすりではなかなか剥がれない。
スクリーマーを当てるとパリパリと剥がれる。
手作業ですべて剥がした。
そして、紙やすりで表面を慣らした。
600番から2000番まで。
ここまでで、か・な・り、時間がかかった。根気がいる作業だ。
明日、軽く2液性のウレタンを吹く。

タッド・コハラ氏
http://www.ilovecues.com/month/04-09/month.html


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2004年12月17日 | 内的独白

明け方、車を見たらガチガチに車全体が凍っている。
暖房つけて暖気運転してもなかなか溶けなかった。
溶けない雪を思い出した。

晩夏晩秋は耳にするが、晩冬晩春ということばは聞き慣れない。
晩冬より初春と言う。
晩春より初夏と言う。
終りと始まりとうつろいの不思議。


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