渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う

「これからはこれぜよ」は何だったか

2017年06月19日 | 文学・歴史・文化



よく本当のような嘘のようなエピソードとして、土佐の坂本龍馬と
出会った陸奥宗光が龍馬に「これからはこれぜよ」と拳銃を見せ
られて陸奥が度肝を抜かれたという話がある。
次に陸奥が出会った時には、「銃はもう古い。これからはこれぜよ」
と万国工法の本を見せられたという。
どこまで実話であるのかは不明だが、坂本龍馬には先見の明が
ある傑物であったとの趣旨の逸話として語られることが多い。

実際のところ、坂本は高杉晋作が上海で購入してきたアメリカ製の
S&W Model No.2(.32口径6連発)を所持していた。
カートリッジのパテントを取得したS&W社は、最初にモデル1を製作
した。
これは1857年に発表された.22口径リムファイア弾7連発であった。
そして、威力増しの軍用採用を狙って口径をボアアップした.32口
径用のモデルナンバー2が1861年に発表された。これは後の名銃
スコフィールドの土台となったモデルだ。
そして、このモデル1とモデル2の間に、通称モデル1.5バージョンと
いうモデルが存在する。
それは、モデル1を改良して1857年から製造が開始された.32口径
の5連発である。
龍馬の土佐への手紙には「六連炮を取りて」「銃ハ元ヨリ六丸込ミな礼
ども、其時ハ五丸のミ込てあれば実に跡一発限りとなり」とある。
龍馬の銃は6連発のモデルナンバー2であることが確定的だが、「手紙
の写しを乙女姉に見せよ」と指示しており、その写しを書く際に、六連
発のシリンダーの図が誤って5連発に描かれてしまったようだ。
かくして、「龍馬の銃はS&Wモデル1.5バージョン」という説が出てきた
のだが、龍馬自身が「六連炮」「元ヨリ六丸」と二度に亘り明記している
のであるから、6連発のモデル2であることは確定的だ。



このマルシン製モデルガンは、龍馬が所持していて、慶應慶応2年1月
24日(1866年3月10日)の寺田屋事件で龍馬が使用した銃のモデル
アップレプリカガンだ。
龍馬の銃は同年2月6日付桂小五郎宛ての手紙にて「彼高杉より被送候
ピストールを以て打払、一人を打たをし候」と記しており、高杉晋作から
贈呈されたS&W Model Namber 2 で龍馬は幕吏1名を射殺している。

連合赤軍はあさま山荘に立て籠もった際の警察機動隊との銃撃戦に
おいて、機動隊指揮官2名を狙撃によるスナイピングの狙い撃ちで射殺、
投稿を迫りに説得に来た民間人1名を.38口径拳銃で射殺している。
坂本龍馬は寺田屋に潜伏中に踏み込んできた幕府警察隊と激しい攻防で、
親指の付け根を斬られてS&Wのシリンダーを外して弾丸を詰め替える
最中にシリンダーが転がり、銃を廃棄した。しかし、それまでに幕府警察隊
の捕縛隊士1名を.32口径で射殺した。
連合赤軍が結成されるずっと前、まだ連合赤軍という組織が存在しなかった
頃のある日、共産同赤軍派の議長塩見は同派幹部の花園に「これからは
これだ」と言って、指で引鉄を引く仕草をしてみせた(同人から私が職務に
おいて取材録取)。
最初、花園は「泥棒でもするのか?」と思って問うと「アホ。これからは銃や」
と塩見は言ったのだった。

龍馬は暗殺された。
龍馬暗殺の実行犯は、百数十年後の今においても誰だかは判明していない。
ブント赤軍派も日共革命左派も連合赤軍も日本赤軍も、国家権力からは
暗殺はされていない。唯一連合赤軍のみが、同志殺しという絶対に赦されない
ソ連や中国や北朝鮮と同じことを「正しい事」としてやらかした。
14の墓標は、「これからはこれぜよ」という、事の善し悪しよりも、とにかく
鮮烈で先駆的で先進的で過激なことがあたかも正義であるかのような
大きな落とし穴に気付かない時代感覚の行きつくところのなれの果てだったの
かもしれない。
その誤謬は、坂本龍馬に始まるように私には思えるのである。
よど号で北朝鮮に渡った共産同赤軍派のメンバーたちの多くは言う。
「自分たちは革命戦士というよりも、幕末の志士のつもりだった」と。



龍馬が使って闘争現場で廃棄したS&W モデルNo.2(1861年モデル)と
「西部を征服した銃」と呼ばれたコルトSAA(1875年以降モデル)。

果たして本当に「西部を征服」したのは、銃器による力だったのだろうか。
決して明かせない大逆を犯して新国家を作った日本は、今でも続く謀略
国家アメリカと、実は幕末から蜜月関係を続けている。昭和大戦で戦争
状態になったのも、互いに本意ではなかったことだろう。
3.11テロの嘘ぶりといい、まるで謀略捏造体質の日米和親密約条約が
あるかのようだ。
「これからはこれぜよ」ならば、選んでほしいのは、やはり銃よりも法だろう
と私は思う。











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