渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う

刃物の研ぎ

2017年07月13日 | 刃物



刃物は種類によって研ぎ方がある。
なお、研ぎと研磨、シャープニングとポリッシュは分けて考え
ないとならない。

美術刀剣の日本刀の研ぎはポリッシュでありシャープニング
ではない。ここを押さえないとならない。
包丁やナイフは、鏡面仕上げの場合はポリッシュだが、一般
に切れ味を復活させる研ぎは研磨ではなく「シャープニング」

あり、簡易刃付けは「タッチアップ」となる。
ナイフと包丁は共通する研ぎ方もあるが、別物と捉えるのがよい。
また、日本刀の研磨は完全に別物で、日本刀のみは専門的に
研磨の伝統技法を学んだ者しか研ぐことはできない。
ただし、日本刀での試斬用の小刃付け(寝た刃合わせ)の場合は、
一般ナイフと同じような技法を援用できる。


#600で下地研磨。ゴム板に当てたサンドペーパーにホーニング
オイルを浸し、#2000までオイルド・ポリッシュをして、その後、
青棒(研磨剤)でバフがけする。刃先に当たらないように注意する。




ナイフ研磨(平地のポリッシュ)

日本刀の寝た刃合わせ(刃先の試斬用小刃付け)


日本刀の試斬用寝た刃を合わせて小刃が付いた状態。
この角度からだと小刃が見えない。刀は後藤兼廣。


刀身を寝かせて行くと光の反射で一筋の小刃が付いているのが
見える。


別な刀、無銘。フクラ先まで小刃を付けた場合。


別な刀。剣正弘心小林康宏。フクラ先まで小刃を付けた場合。


私の游雲康宏。これも寝た刃合わせで小刃が付いた状態。




游雲康宏。


私の游雲康宏。地肉が厚い極端な蛤刃の個体だが、高硬度
ながら靱性の高い斬鉄剣小林康宏刀は、ことのほか切れる。



最後は本山あいさで軽く合わせる。切れ味は刀の自重で切れて行く程。


試斬に失敗すると切り台の心棒ごと両断してしまう。
しかも、これは刀を振っての切りではなく、刃先を畳表5センチ
付近から圧(へ)し切る方法で押し切る刀法での切り。目測を
誤って心棒まで切断してしまった。
畳表は二重織りの備後本イグサ(二畳巻き相当)3時間漬け。
小林康宏の刀は切れ味が良い。



鋩子がこういう状態で横手も消えている日本刀はナルメという
特殊工程できちんと形を決めてやる。これは日本刀研磨の特殊
技法なのでナイフや包丁の研ぎの技法は転用できない。



簡易ナルメ後。


ナイフの刃付けは、刃先が円弧を描いているので、刃の付け方も

特殊な研ぎ方をする。
この方法以外では、刃の小刃の直線部分とカーブ部分の境目に
段差が出来てしまい宜しくない。また、平研ぎを切先まですると、
切先付近に行くに従い小刃が広くなってしまう。
そのため、こうした円弧で起こしていく研ぎで同じ小刃幅になる
ように研ぐ。
ステンレスのハイス鋼であろうとも、水砥石で十分に刃が付く。
使用しているのは京都産天然砥石の青砥、2000番相当だ。


ナイフの刃付け


完全刃付けをしている状態ではないが、途中で様子を見てみること
にする。


切れ味は・・・


及第点に達している。

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