渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う

ハンドガンのサブマシンガン化 ~トイガン~

2017年08月24日 | トイ



ここ5~6年、トイガンの世界から離れていたのだが、昨年秋、ひょんなことから
刀剣愛好会の友人たちと広島のゲームに参加した。
トイガンの世界がかなり様変わりしていたのに驚いたが、一番強く印象的だった
のが、やはり海外製トイガンの普及だ。

エアソフトガンというものは日本人が発明し、日本で発達した。
まず、アメリカの牛のマーキングや森林での目印用のネルスポットガンの着色
ガス弾を使用した「サバイバルゲーム」というものが1983年に日本に紹介されて
から、日本国内のトイガンメーカーがモデルガンに変るものとしてエアソフトガン
を開発し、それを使って撃ち合いのドッジボールのようなゲームを考え出した。
基本ルールはアメリカのサバイバルゲームと同じだが、日本の場合はマーキング
弾を使用せずに、中ったら自分で「中った」と宣言してその回はアウトで場外に
出るルールにした。
これがのちに地球上で大流行となる。
日本の場合は米国のネルスポット・ペイント・ガス銃を使ったゲームと同じ名称の
「サバイバル・
ゲーム」と呼び続けているが、使用される玩具銃はエアソフトガン
という日本語の造語で世界中では
呼ばれ、日本式サバイバルゲームのことは
「エアソフト」という新造語が世界標準となった。

ルールはまったく日本人が考案したルールで世界中でゲームが行なわれている。

エアソフトで主として使用される玩具銃は1991年に日本人が発明発売したバッテリー
をパワーソースとする電動ガンである。
電動コッキングガンどころか、手動式エアソフトガンもガスガンも日本製しか存在
しなかった。
しかし、今世紀初頭あたりから、まず香港や台湾で日本製エアソフトガンのコピー
製品が製造されはじめた。
最初は日本製のフルコピーだったが、海外メーカーは日本製品の隙間を狙う製品
開発にシフトしはじめた。
そこから海外製エアソフトガンの大躍進が始まる。
FALやAKM等々、日本メーカーが一切製造着手しなかった実銃では非常に著名で
歴史を作った銃のモデル化を手始めに、次々と海外メーカーは特ダネ物の玩具銃
を発表し、世界中で大人気となった。

海外製エアソフトガンの躍進の背景としては、香港が英国から中国に返還されたことも
大きいと思う。それによって、西側文化が一気に「共産」圏大国の中国に影響を及ぼ
した。中国大陸政府は、経済特別区として香港のみは資本主義制度を継続したまま
にして外貨拾得地としている。

今では中国に返還された香港だけでなく、中国の大陸側でもエアソフトガンが製造
販売されるに至ってきた。
ゴム部品やバネや電線周りはまだまだ品質が日本製に追いついていないが、中華
電動ガンは確実に着実な進化を遂げている。
中華電動ガンは、初期には日本の腕の良いガンスミスがチューニングしないとまともに
ゲームでは使えないような製品ばかりだったのが、今では箱出しで十分使用できる
程の製品の完成度となっている。
さらに、ウェアについては、これは実物の軍隊においても中国製品が世界中を席巻
しているように、迷彩服などの戦闘服はほぼ全域中華人民共和国で製造されている。
今後もこの流れは止まりそうにない。

昨年末、以前から懇意にしていた尾道のトイガンショップを訪ねた。19年来の付き合い
である。

店長は年が私の一つ上だが、かなり若く見える。まだ40代中半にしか見えない。
フライマンでもある。
その店長が自分の銃として面白いのを壁にぶら下げていた。
訊くと、ピストルのガスガンに外部エクステリアを装着してサブマシンガン化した
キットで、RONI KIT というのだという。

最近のトイガンの趨勢としては、電動ガンからガスガンに時代的傾向がシフトしつつ
ある。
ガスブローバック自体は1980年代からハンドガンの世界では存在したし、その後も
サブマシンガンではガスによる作動方式が一般的だった。
しかし、日本のウエスタン・アームズ社が世界初のガスブローバック方式の長物小銃
であるM4を2009年に発表してから今年で8年。世界のエアガンの動向はガスガンに
移りつつある。
その典型例が、世界のトップメーカーである東京マルイが2014年にガス作動式の
M4カービンを発表したことだ。
今後のエアソフトガンの世界情勢は電動ガンからガスガンに移行していくことだろう。
今や日本を剛性と機種多様性で追い抜いた感のある中華香港台湾製のエアソフト
ガン業界は、いち早く時代を先取り、ガスガンで頭一つリードして日本を突き放した
情況に世界のトイガン情勢はある。
ガスガンならば本中華、香港中華、台湾中華の中華3勢力が非常に優秀であること
は紛れもない事実として現れてきている。


だが、電動ガン自体もガスガンと並立してずっと生き残るかも知れない。電動ガン
にはガスガン
よりも多くのメリットもあるからだ。
ただ、生ビールの業務缶や自転車の世界で一般的に利用されている炭酸ガスが
玩具銃のパワーソースとして豪放基準内で安全使用できる日本向けの機構が整う
と、今の
代替フロンガスではないCO2を使用したガス玩具銃が今後は主力となると
予想される。

これからの「次世代ガスガン」は炭酸ガス作動方式のトイガンであろう。

RONIキットは大人気で、外側のガワ枠だけの販売なのだが、現在のガスブローバック
の長物小銃系の人気沸騰の魁となるカスタムキットだった。


デザインは未来銃のようでもあるが、基本的な総合シルエットは1980年代
中期に地球上に登場したブルパップ小銃のような印象となっている。
UZIやMP5などのサブマシンガンのようなシルエットではない。いわゆる複合
総合エクステリア搭載を可能にするような、今のタクティカル銃に通じる発想
で構想が投入されている銃だ。
この設計思想はいわゆる未来型と呼べる着想だろう。
いわゆる「銃だけ」という旧来の方式を変更する外部外装品の装着によって
銃に拡大機能を持たせる発想だ。
この発想自体は新しいものではなく、米軍が50年前に実行していた。
ベトナム戦争時代に、M16小銃の銃身下部に40mm弾頭のランチャーを
装着したりする拡張システムを考案して実戦投入していた。
銃器のエクステリア拡張システムは、米国米軍から開始されたといっても過言
ではない。

このRONIキットの最大の特徴は、グロック拳銃のフルオート機能を利用して
サブマシンガン化させていることだ。これはトイガンならではのカスタム化で
とても私は面白く思える。


電動ガンとガスガンは全く構造も着想も発想も異なる。
電動ガンの着目すべき点は、実銃とはまったく異なる内部構造の機関部を
持ち、そのメカボックスと呼ばれる機関部に技術と知恵の粋が凝縮されて
いることだ。
電動ガンのとてつもない凄さは、完全分解してみて初めて分かる。
私などは初めて電ガンのメカボを完全分解した時に愕然となった。
こんな機構を考え出す人がいるのか、と。
そして、電動ガンは、1991年に発表された当初から2017年の現在に至る
26年間で、まったく基本構造に変更はない。つまり、世の中に発表された
時からすでに完成品だったのだ。電動ガンは腕時計のようなものであると
いえる。

私が所有する中華製電動ガンは香港製のFN FAL(ベルギー)、COLT
XM177E2(アメリカ)、H&K G3(ドイツ)といった物しかないが、内部機構は
日本製を超えるきめ細かい実用上の完成度を見せている。
いわゆる日本ではカスタムチューニングされた仕様が香港電動ガンの標準
仕様なのだ。これは全バラをしてみないと分からない。
ただし、ゴム製品は日本製ゴムのほうがずっと品質が良いので、チャンバー
パッキンは日本製ゴムに変更するのが良好のようだ。

現在の香港製電動ガンの内部構造。1991年の日本製と内部機構が同じ。


この電動エアコッキングシステムをゼロから思いついた日本人に敬意を持つ。
電動ガン構想は1985年に始まり、1991年の発表まで開発に丸5年の歳月
を要している。
1980年代は、工業産業界は日進月歩ではなく秒針分歩の世界だった。
特にバイクの開発とIT関連機器の開発は昨日の物がすでにきょうは古くて
使えないほどに日々進歩していた。
オートバイの一般市販車は約10ヶ月スパンでまったくの新型モデルが発表
発売されていたし、本式レースの世界では1シーズンの中で何度も新モデル
が実戦投入されていた。
そうした時代の中で、開発に5年かかったというのは、いかに発表時にすでに
完成領域にあったかということが頷ける。
電動ガンの構造自体を考案した人はAさんという人で、私はよく知っている。
最初、その構造の構想を聞いた時、「電動ガン~~?オモチャですか」と誰
もが相手にしなかった。多くのメーカーさえもが。
当時は主導のコッキングガンからようやく世界初のガスガン(バトルマスター)
がアサヒが製造し渋谷のJACが発売したばかりで、時代の勢いはガスガンに
よる世界初のフルオート化にあったからだ。パワー戦争も始まっていた。
非力な電動作動方式の電動ガンなどは、構造的な新規制があろうとも、それ
は単なるイロモノとしか見られていなかったのが1980年代中期以降の国内
の情況だった。
だが、東京マルイが1991年に突如電動ガンなるものを発表した。
そして、その後、マグヌス効果を実現させるホップアップシステムの投入に
より、非力な電動ガンでも遠くまでBB弾を飛ばせる機構が搭載されて、ここで
一気にサバイバルゲームに火がついたのである。
その空気が25年後の現在も継続しているのだ。 

そして、今、また丁度面白い時期に来ている。
電動ガンは発売当初から完成されたシステム構造であり、耐久性の付加や
作動円滑性の付与や吸排気効率の実現というチューンナップしか方法が
なかった。
しかし、ガスブローバックシステムは出始めたばかりなので、これから開発の
予知は多く残されている。
開発者としては楽しくてしかたがないジャンルだろうし、ユーザーとしても
日々の進化をタイムリーに歴史の中で体験できる時期が到来したのである。
これからは、ガスガンがかなり楽しめる。 
私は今の着々と広がりつつあるガスガンブームの火付け役は勿論ウエスタン
アームズのガス式M4カービンであり、また拡張性という発想でカスタマイズ
の実効性を表現したのがRONIキットであると考えている。
とにかく、トイガンの世界では、ガスガンが今熱い!
多分であるが・・・今後はCO2をパワーソースとしたガスガンがどんどん開発
発表されるのではなかろうか。
そのうちCO2が代替フロンガスと完全スイッチすることだろうと私は予想して
いる。


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