渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う

刃物についての見識

2017年07月15日 | 刃物

古い友人のフライマンに居合と剣道と乗馬をこなす男がいる。
同じ神奈川県人だということではないが、私とはなぜか気が合う。
神奈川育ちで
現在広島県在住というところも似たようなものだが、
主として
物を見る時のメスの入れ方にある種の共通性があり、
そうした
点があるゆえ、どことなくウマが合うというやつ?なの
である。


その彼と刃物の話をしていた。
60万円もする包丁が話題にのぼった。
グロテスクな刺青のようないわゆる「ダマスカス」で作られた
出刃で、約60万円の値がつけられている。
その刃物について、友人が私にコメントした内容の知見に私も
感じ入るところがあったので、本人の許可を取って紹介したい
と思う。

(以下転載)

「悪いものじゃないのだろうけど、これを作ってる人が包丁の
ことを分かってるとは思えません。
これだけ高価で見栄えのする包丁だからといって、今後メンテ
ナンスフリーで使い続けるわけではありません。刃物ですから。
キチンと日常の中で使い、様子をみて日々研ぐのが刃物です
から。
ある意味、ギャンブルだと思います。もちろん、それを作るのに
見合った対価としての価格なのかもしれませんが、食を賄うと
いうことを軽視してると思いますし、いったい誰のためにそれを
作ってるのかと疑問に思います。そんな領域に踏み込んだこの
作り手が、それでも自分が職人かどうかの判断をしているのか。

まぁ、ゾーリンゲン刃物の最高級はアメリカ富裕層にばか売れで、
結局はどれも堺で造られてる。ただただ、最後にゾーリンゲンの
刻印つけてるだけ。

なんだか難しいですね、刃物は。実用品なのに芸術作品にされ
たり、実用品の殻をかぶってブランド品にされたり。

ちなみに、先日、息子と釣りをしてて、キス釣り仕掛けにとんでも
ない大物のチヌがかかりました。キス釣りだったのでこれといって
刃物は持ってなかったので、仕方なく、つまらないポイントカードを
その場で斜めに折って刃物がわりにして血抜きしました。モンゴル
では小指の爪を伸ばし羊の動脈を切ります。そんなつもりだった
のですが、周りの釣り人はビックリしてました」

なんだか、正鵠を射る鋭い視点のようで、刃物について深く考え
させられる。
西日本のようにネチっこくない神奈川人らしいサラリとしたところも
垣間見られるが、こうした物の見方をするところが彼とは反りが
合うところでもある。同郷者同士の何か通じ合う物というのは、
目には見えないけれど、何かありそうにも思える。


その友人が昨年釣ったゴギ。広島県の天然記念物で、地球上で
一番赤道付近に棲息するサケ科の魚である。イワナの亜種。
現実に出会うと、美し過ぎて溜息が出るサカナくんだ。

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