渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う

鎺(はばき)

2016年10月17日 | 日本刀



日本刀の刀身に絶対必要不可欠な物。それは鎺(はばき)だ。
鎺なくば、作り=拵外装はもとより、白鞘にさえ刀身を納められ
ない。
鎺は、一品一品が刀剣各個体に合せて作られるオーダーメイド
物である。
鎺には「変わり鎺」という物がある。鎺にいろいろなヤスリ目を
入れるのは定法だが、ヤスリに加えて技巧を凝らした彫刻を
施すのである。

先日、小林康宏作の注文者の方が刀剣しのぎ桶川店で外装の
仕様打ち合わせを終えた。
鎺に彫刻を施す注文が入った。
そのデザインを見て私はぶっ飛んだ。
ある意味、自家の家紋以上に重く厳粛なクレストマークなのだ。
これは「単なる趣味」ではない、本物の関係者のみが持つ荘厳
さがある。
日本の歴史の中で、ある時代において重要な位置を占めた若き
知性の憂国の血潮の意匠である。無論、旧軍のマークなどでは
ない。
私は単なる彫刻としてではなく、重く受け止めた。
その意匠は私を含め、余人がそれを望んでも断ったことだろう。
なぜならば、そうしたことは「嘘・捏造」の類になってしまうからだ。
本物の本人たちのみが使えるクレストマークという重みがある。


一般的な鎺としては、私はこの手の鎺がかなり好きだ。
二重鎺は実用性に乏しいとされているが、実際のところはどうなの
だろう。


ただ、この鎺が設えられた刀剣は、作域がとても好きでね。
この妖しさが何ともいえない。まるで妖刀のような・・・(そう
いう刀はないですけど)。

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