渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う

合法短刀(風)ナイフ ~刃渡15センチ未満~

2017年05月13日 | 刃物



昨年の小林康宏日本刀鍛錬所訪問の時にでお土産に
貰った短刀(風ナイフ)なんですけどね。
これは埼玉の友人のとこに行くことになりました(^^)

まあ、研ぎ上げるとこの一番上のようになるのですが。
(この一番上は私の娘の嫁入り短刀。康宏師から娘が
生まれたお祝いにと頂いた)

この真ん中のは今年の鍛錬所訪問の時に貰った物で、
これは中心(なかご)を仕上げてからイタリアに行き
ます。イタリアにいる游雲会のメンバーにあげるの。
ヤマハ XSR-700を作った人ね。研ぎ上げの仕上げは
ご自身で。何だかナイフ・メイキング・キットみたい
だね(笑)
あ。こういうの売りだしたら売れるのではなかろうか。
小林康宏ミニ短刀風ナイフキット、みたいなの。
ナイフとはいっても、これ、康宏鍛えだから(笑
しかも15センチ未満とはいえ、立派な短刀。
でも日本の銃刀法では15センチ以上の刀が登録証ないと
だめ、とのことでこれは合法クリアになる。
ただし、白鞘に入れると「あいくち」とみなされる可能性
がある
ので、切羽などで食み出し鍔を作って装着するか
合口拵
ではない拵に入れる必要がある。私の場合は薄板の
鍔で
法律をクリアね(笑)。

真ん中のはイタリアの友人、下のは埼玉の友人へ、と。
あ~!肝心の俺のがないじゃないか!( ̄□ ̄)
しょうがねえなぁ、ま、いっか。
これらは完品ではなく、なんらかの不具合が出たアウトレット
品なのですが、刃切れはありません。ちょっとした
鍛え割れや
疵などね。日本刀と同じ作り込みしていますので
疵が出たりも
する。

それでなくても、康宏刀というのはかなり傷が出やすいので。

さて、埼玉の友人のはですね・・・、
え~と、康宏作の特徴としては、焼き代を異様に厚くとります。
焼き割れで刃切れが出るのを防止するためなのだけど、かなり
ある。町井先生の康宏大刀などは打ち下ろしで数ミリあって、
研ぎ師町井先生は「衝撃的
」と(^^;
「押すの大変でしょう?」と尋ねると「いや、動力使います」
とのことだったが、それはそうだろう(^^;
ということで、刀鍛冶兄弟子にあたる年下の将大刀匠に下地の
動力成形を任せたみたい。「思ったよりも素直な鋼にまとまって
ました」との報告あり。


でもって、この短刀も打ち下ろしで刃の厚みがとてもある!
こんなにある。板かよ、これは!?(笑


私の場合は、焼き入れ後の歪み直しと削り代を含めても
もっと薄く仕上げてから焼き入れする。それで失敗はない。
刃先のコーナーエフェクトによるストレス不具合を発生
させないために、刃先は丸く削るのである。しかもツル
ツルにすると、これまた焼き入れの際にはよろしくない
ので、ある程度のザラザラ感は残す感じで。
それで刃先が焼き割れたことは一度も無い。
製法も康宏伝とは少し異なり、私の場合、空打ちを相当する。
かなり
する。ここで、割れが出る個体は割れが出るが、そう
いう
個体はすべてボツとしている。
空打ちの冷鍛はいろいろな意味があるが、ここでは説明割愛。

康宏製のボツ短刀なのだが、焼き入れ、焼き戻しは経ている
ので、ヤスリは一切かからない。


なかご部分はヤスリが利く。北岡ヤスリでなくとも利く。


とりあえず、ベルトサンダーで刃肉を落とすことにする。
これでは砥石で苦労するから。


良い炭素量。さて何%でしょうか。分かる人は鍛造やる人。


ゆっくりと、水で冷やしながら削って行きます。






#240の人造砥で押してベルトサンダーの目を取る。


ここまで刃先は薄くなりました。平地中ほどから
R状に落としていくから、当然かなりの蛤刃になる。



もっと砥石で綺麗にしたいけれど、ここから先は
所有者のお楽しみということで。シャプトン登場!
ということになるらしい(友人談)。
シャプトンの研磨力って最高!砥石が減らないのに
どんどん整形ができる。
特に鎬を立てるにはシャプトンの刃の黒幕#1000
オレンジなどは驚異的な力を見せます。
1.5センチ厚で3000円以上のかなり高額な砥石です
が、効果は確実です。



荒砥の#320ブルーブラックなどは、下り過ぎちゃって
困るの~(マスプロアンテナ)というくらい下ります。
この#1000オレンジだけでもかなり汎用性が高い。
康宏鍛錬所で直紀先生と先日脇差研ぎで鎬成形を試して、
二人して
「すごいね、これは」と驚いていました。


 ←クリックで拡大。

本当はねぇ・・・きちんと表面をさらって凸凹を無くして
すぐに#1000あたりから研ぎ始められるようにして
あげたいのだけど、康宏ユーザーなので、最初から康宏
鍛えの鉄味を荒砥の成形で味わってもらいましょう(笑)。
高硬度なのに研ぎ師の人が「柔らかい」と感じる妙は
いかなるものかを(^0^)


激烈おすすめの広島名物ワサビ浸けと三原自慢の地元の
地ソースの天狗ソースと共に送るだな(^^)

広島のわさび浸けは、吉和に限る!
島根県境の芸北も水が美しくすばらしいヤマメとアマゴ
とイワナ=ゴギ(天然記念物)が棲息しているが、私の
フライフィッシングのホームエリアである南部山岳地域
の吉和は水も魚もワサビも最高である。吉和のわさびしか
使わない、とこだわる料理店も多く、吉和のわさびは味
が良い。ただ、大量出荷ではないので広島市内の人にも
あまり知られていない。




これで、ごはん3杯いけます。昔、東京の人に送ったら
超辛いけど超おいしい!と、とても感激してました。
私も吉和でこれを知った時、ぶっとんだ。これはうまし!
ただし、西洋人は食べられないと思う。


いけるぜ!(ニヤリ)


あとはこの三原の地ソースね。地酒みたいに地ソースと
いうのがいい。三原市内のお好み焼き屋でも使用店多し。


おいらは中濃はブルドッグが一番好きで、焼きそばなどに
かけるウスターはカゴメが一番好きなのだが、このテング
ソースの濃い口目のは、なかなかイケる。特にお好みソース
は素朴ながらもガツンとした主張があっておもしろい。
広島風お好み焼きの中でも三原焼きと言われる独特なお好み
焼き(やたらキャベツが多い)にはこのテングお好みソース
がかなり合う。これホント。
友人はソースマニアみたいなので、ぜひ試してもらいたい。
なので短刀とワサビ浸けと共に送る。

なんで、山行った時、短刀みつくろってこなかったんだろう
ねえ・・・。完品ではないから材料リサイクル廃棄処分の
赤イワシ木箱の中に沢山あったのに。刀工に申し入れれば
仲間内ならば貰える。山に訪問しない人は会員であっても駄目。
通販みたいなことはしない。販売でなく頂き物なのだけどさ。
15センチ以上の作は15センチ以下にカットして区(マチ)を
つければ法には抵触しない。康宏鍛えというのがミソですね。
そして、自分で加工することが大前提だ。焼き入れ焼き戻し後
の素材を貰えて自分で仕上げられる。康宏ユーザー游雲会の
特典でもあるが、あくまで直紀先生の厚意によるものだ。
今回も全員が斬鉄剣短刀のなかご尻の切れはしを磨いてお土産
に持ち帰った。御守りに入れるとのこと。こういうプチ楽しみ
も鍛錬所訪問合宿ではある。
私は会員ではないが、康宏試斬会の人たちはもっといいよ。
数人で鍛錬所行って、自分たちで15センチ未満短刀を打って
きちゃうらしいから。昔の鍛人会ではよくやったけど。
まあ、游雲会でもそのうち鍛錬会がメニューに加わることで
しょう(^0^)

ということで、お楽しみの刀剣の話はつきまじ。
日本刀関連の話って、おもしれえ~~~。
特に、売ってる美術刀剣を買って眺めるだけではない、もう
一歩踏み出した領域での話ね。これはネタが尽きません。
青森の人たちも焼き入れ会などを積極的に催しているけど、
こういう活動というのは、本当にいいな~と思うな、おいらは。
そういう形で刀に触れ合うというのは、ただ美術刀剣を眺める
のとは別なアプローチでとても面白い。
全国でいろんな人たちがどんどんやって、多くの人がどんな
形であれ、鉄と鍛造刃物に触れ合ってほしいと願う。

昨年の山のお土産は、私の娘の嫁入り康宏短刀よりもほんの少し
小振りで、とても優美です。なかごは備前風に張ったもので、
これは康宏のかつての一つの特徴でした。元重ね5.5ミリ。
かわい ♪





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