渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う

日本刀の刀身の修復

2017年02月24日 | 日本刀



矯(た)め木では直らない微妙な刀身の曲りを刀工に直してもらった。
冶具に刀身を載せて銅ハンマーによる打撃でビシッと真っ直ぐに
なった。これは鍛冶職でないとできない。
投身焼き入れ焼き戻し後の歪み取りのような鎚による打撃なので、
鎬地に何か所も打撃痕がついた。

その表裏で20数か所もある鎬地の打撃痕を私がすべて研ぎにより
除去した。鎬線を蹴らないように研磨もした。

この後、鏡面仕上げにして完成となる。
鏡面前の仕上がりを見て刀工はびっくりしていた。「研ぎに出したたの?」と。
いえ、早月流自身研ぎにて御座候(笑
試斬を繰り返して傷んだ刀のメンテナンスの必要性から生まれた研磨
なんですけどね。日本刀研磨の技法に別ジャンルの技法を部分的に
投入したものです。
但し、これは言葉や文章で説明してもピンと来ないと思う。結構
細かいノウハウがありますので。
テキストを作って友人に渡したけど、サパーリ'(*゚▽゚*)'だったそうで、
「渓流どんの言う『簡単。誰でもできる』てのは、誰でもできないこと
多すぎ!」とか言われた(笑)。

刀は人に貸すものではない。
居合道の高段者であろうとも、空気斬りしか専らとせず、刃筋悪き者
が刀を実際に使うと、竹の節を切り損じた時などは曲がることがある。
要するに、瞬時に切り動作を中止して適正に手の内ですべて無理な
力を収束させることが必要なのだが、これは試刀を心得た者でないと
なかなかできないことなのかもしれない。
ただただ力任せに切先が真下や身体の後ろまで行くほどに振り抜いて
しまう人が結構いるが、刃筋と刀線と手の内が悪いと、刃筋の狂いや
被切断物の抵抗値の変化に対応しきれず、とにかく切断してやろうと
して振り抜こうとするので、刃先から伝わる反力が棟の頂点に抜けずに、
よじれ曲がったままスイングで打撃の力を刀身に加え続けることになる。
結果として刀身は曲がる。
これは、手筋が悪いと、たとえ居合道八段の者でも刀を曲げる。
剣取る者の普段の空気斬り居合が如何なるものか、ということだろう。

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