渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う

汽車のない旅

2017年06月10日 | 風情・季節・地球




「神田川」、「赤ちょうちん」よりも隠れた名作がかぐや姫の曲にはある。
それは「お前のサンダル」という曲で、至高の名盤「三階建の詩」と
いうアルバムに収録されている。

その曲の歌詞で、「汽車のない旅をした」というフレーズがある。
都会で暮らす二人が夢破れ、やがて別れて行く歌なのだが、歌詞は徹底的
に喜多條条ワールド全開だ。
「神田川」、「赤ちょうちん」を書いた彼の詩は実話なのである。
堀割りのような神田川が流れる早稲田界隈での彼の悲しい思い出が
すべて凝縮されているのだ。
伊勢正三さんのさらりと叙情的に詩を紡ぐ曲と違い、喜多条さんの
歌詞は胸が締め付けられる思い、聴く者に「疑似体験」をさせる迫真性
がある。実体験の真に迫る表現性がそこにある。
私も曲に歌詞を書く際はすべて実体験の歌詞であるが、喜多詩のさんの
ようなところまでは到底行けない。
だが、それでも、私の曲を好きだと言ってくれる人もいたので、それは
それで嬉しかったし、私の曲を別場所で歌ってくれる人が複数いたこと
も嬉しいことだった。

トップのムック本は、昨日、友人が持って来てくれた。
「こういうの好きそうやろ?」と。
御意(笑)。
題名を見て、「お前のサンダル」のフレーズを思い出した。
1974年3月、中1だった私は発売日に「三階建の詩」を買った。
アルバムを聴いた母は「お前のサンダル」が一番好きだと言った。
私もそう思った。
その時、母は36才だった。
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