今日からいよいよ体育学会です。
この日のメインは、なんといっても養老孟司先生の講演「脳とスポーツ」と、内田樹先生が登場するシンポジウム「身体からの体育・スポーツ科学:トータルな実践知の構築に向けて」です。
それらの前に、僕はkoisoさんと二人で内田先生と昼食をとるという非常にうれしい時間を持つことができました。内田先生、楽しいお話を、本当にありがとうございました。
ここでかけることは・・・おいおい書いていきます(笑)。
養老先生の講演「脳とスポーツ」は、大変話の流れがよく、甲野先生と養老先生が「身体から革命を起こす」の中で対談されている話(竹刀の斬り合いの話)が出てきたりして、とてもわかりやすく面白かったです。
竹刀の斬り結びで、「二つの運動(力)を同時に出しているから、結果的に斜めの強い力になる」という話が出ているのですが、「あぁ、それは私が脳でやっていることと同じだよ」ということで話が盛り上がっていき、「一つのことを突き詰め、もう一つ違うことを突き詰めていくと、結果的に一つずつのことより大きなことができる」(四角形の二辺と対角線の長さで想像してください)というお話が、明日大学院生セミナーで話すようなことと見事に重なり、非常にうれしかったです。
体育学会の役割というか体育学会に参加することの意味を、この話からくみ取っていければいいなと思いました。非常にありがたかったです。
ほかには、「ファントム・ペイン(腕や足を切断された人がないはずの腕や足を痛がること)」に関するお話、「脳はおおざっぱに言うと後ろが入力、前が出力。で後ろは「違う」ということを認識して、真ん中に移ってくるときは「同じ」と認識する。出力するために前(前頭葉)を通過するときには、どっちなのか分からない。だから、出力されたときに大切なのは「試行錯誤」なんだ。つまり、やってみなけりゃわからないんだ。」、「「水を飲みたいと思って水を飲む」だろうけど、調べてみると、「水を飲みたい」と思う前に身体は水を飲むために動いている。つまり、意識が後付けで身体は先に動いているんだ」、などなど、非常に興味深いお話を聞くことができました。
続いて、内田先生の登場されるシンポジウム。こちらは、演者が遠藤先生(僕が受講しているBody workの先生)、柔道の岡田先生(世界柔道2階級制覇)と野村選手(オリンピック3連覇)、そして内田先生。(順番は書いたとおり)
それぞれの先生が、非常に面白い話をしてくださいました。
遠藤先生は、Body workの授業を通して学生が感じ、変化していった様を具体例を挙げてお話ししていました。「I have a bodyではなくI am a body」という言葉を聞いて、「この子には自分を超えられちゃったな」と思った、というところが非常に印象的でした。また、ある学生が最後の授業の時間に、「最後の授業で、ただ自分が今ここに生きていることが一番すごいことだと感じた」と語ったというのには、この授業のすばらしさを感じずにはいられませんでした。すごい授業だなと思いました。
岡田先生と野村選手は対話形式で野村選手の強さの秘密にどんどん迫っていったので、隣でkoisoさんが非常に感心していました(笑)。これはちょっと書かない方が良さそうなので、知りたい方は後日ご質問ください(苦笑)。
内田先生は・・・。やはりすごい。こちらでも甲野先生のことを引き合いに出され、「言葉にならない身体感覚を、甲野先生は仮説として言葉にしてしまい、それを検証している。よければよいし、悪ければさっさと捨てて次の仮説を立て、それを検証する。甲野先生のされていることには、真の科学性を感じる」というお話は、本当にその通りだと思います。(光岡師範もこの部分がすごい、とおっしゃっていました)
そして、お昼の時に出ていた話ですが、「日本の体育や音楽、家庭科などというのは、非常に貴重な授業である。なぜなら、西洋ではこういうことはお金のある上流階級しかできず、下層階級の子達はどんなに才能を持っていても発見される機会を与えられていない。でも日本にはそれがある。だから体育はすごく大切な授業なんだよ」とおっしゃっていました。そして、シンポジウムでは、「見取りですぐできるようになるとか、感受性がすごく豊かとかいうことは、点数化できないけどすごく大切な才能である。そういう才能を育てるような教育が、今は必要ではないか」ということをおっしゃっていました。いや、まさしくその通りだと思います。
残念なのは、先生の多くが養老先生の話を聞いたところで席を立ち、もっと多くの先生や学生が野村選手の話が終わったところで席を立ったところです。これも、結局は二つの力の話で説明がつくような気がするのですが・・・。
つまり、体育科学とか体育とかスポーツとか、そういう研究をしている(と辞任している)人であれば、甲野先生や養老先生に関する知識を少しぐらいは持ち合わせているはず(ここ数年のブレークぶりから)で、だとすると内田先生のお名前も知っていておかしくないはずなんですが・・・。どうもそうでもないみたいで、「フランス文学」とか「合気道6段」とかいう肩書きを聞いただけでどこかに行ってしまうんですね・・・。
じゃあなんのために体育学会に来ているのか・・・。そこがすごく疑問です。
おかげで明日のネタになっていいのですが。
最後に、明日のネタにと思って岡田先生と野村選手に「体育・体育科学に期待することはありますか?また、体育科学からなにか得たことはありますか?」と質問してみました。すると、野村選手には「体育科学ってなんですか?」「ありません」「栄養学とかトレーニングとか、そういうことですか?」などなど、そういう答えをいただきました。この会話が、今の体育・体育科学と現場との関係をすべて物語っているように思え、質問してよかった、と思いました。
明日はいよいよ大学院セミナー。しっかり毒づいたろうかと思います。
この日のメインは、なんといっても養老孟司先生の講演「脳とスポーツ」と、内田樹先生が登場するシンポジウム「身体からの体育・スポーツ科学:トータルな実践知の構築に向けて」です。
それらの前に、僕はkoisoさんと二人で内田先生と昼食をとるという非常にうれしい時間を持つことができました。内田先生、楽しいお話を、本当にありがとうございました。
ここでかけることは・・・おいおい書いていきます(笑)。
養老先生の講演「脳とスポーツ」は、大変話の流れがよく、甲野先生と養老先生が「身体から革命を起こす」の中で対談されている話(竹刀の斬り合いの話)が出てきたりして、とてもわかりやすく面白かったです。
竹刀の斬り結びで、「二つの運動(力)を同時に出しているから、結果的に斜めの強い力になる」という話が出ているのですが、「あぁ、それは私が脳でやっていることと同じだよ」ということで話が盛り上がっていき、「一つのことを突き詰め、もう一つ違うことを突き詰めていくと、結果的に一つずつのことより大きなことができる」(四角形の二辺と対角線の長さで想像してください)というお話が、明日大学院生セミナーで話すようなことと見事に重なり、非常にうれしかったです。
体育学会の役割というか体育学会に参加することの意味を、この話からくみ取っていければいいなと思いました。非常にありがたかったです。
ほかには、「ファントム・ペイン(腕や足を切断された人がないはずの腕や足を痛がること)」に関するお話、「脳はおおざっぱに言うと後ろが入力、前が出力。で後ろは「違う」ということを認識して、真ん中に移ってくるときは「同じ」と認識する。出力するために前(前頭葉)を通過するときには、どっちなのか分からない。だから、出力されたときに大切なのは「試行錯誤」なんだ。つまり、やってみなけりゃわからないんだ。」、「「水を飲みたいと思って水を飲む」だろうけど、調べてみると、「水を飲みたい」と思う前に身体は水を飲むために動いている。つまり、意識が後付けで身体は先に動いているんだ」、などなど、非常に興味深いお話を聞くことができました。
続いて、内田先生の登場されるシンポジウム。こちらは、演者が遠藤先生(僕が受講しているBody workの先生)、柔道の岡田先生(世界柔道2階級制覇)と野村選手(オリンピック3連覇)、そして内田先生。(順番は書いたとおり)
それぞれの先生が、非常に面白い話をしてくださいました。
遠藤先生は、Body workの授業を通して学生が感じ、変化していった様を具体例を挙げてお話ししていました。「I have a bodyではなくI am a body」という言葉を聞いて、「この子には自分を超えられちゃったな」と思った、というところが非常に印象的でした。また、ある学生が最後の授業の時間に、「最後の授業で、ただ自分が今ここに生きていることが一番すごいことだと感じた」と語ったというのには、この授業のすばらしさを感じずにはいられませんでした。すごい授業だなと思いました。
岡田先生と野村選手は対話形式で野村選手の強さの秘密にどんどん迫っていったので、隣でkoisoさんが非常に感心していました(笑)。これはちょっと書かない方が良さそうなので、知りたい方は後日ご質問ください(苦笑)。
内田先生は・・・。やはりすごい。こちらでも甲野先生のことを引き合いに出され、「言葉にならない身体感覚を、甲野先生は仮説として言葉にしてしまい、それを検証している。よければよいし、悪ければさっさと捨てて次の仮説を立て、それを検証する。甲野先生のされていることには、真の科学性を感じる」というお話は、本当にその通りだと思います。(光岡師範もこの部分がすごい、とおっしゃっていました)
そして、お昼の時に出ていた話ですが、「日本の体育や音楽、家庭科などというのは、非常に貴重な授業である。なぜなら、西洋ではこういうことはお金のある上流階級しかできず、下層階級の子達はどんなに才能を持っていても発見される機会を与えられていない。でも日本にはそれがある。だから体育はすごく大切な授業なんだよ」とおっしゃっていました。そして、シンポジウムでは、「見取りですぐできるようになるとか、感受性がすごく豊かとかいうことは、点数化できないけどすごく大切な才能である。そういう才能を育てるような教育が、今は必要ではないか」ということをおっしゃっていました。いや、まさしくその通りだと思います。
残念なのは、先生の多くが養老先生の話を聞いたところで席を立ち、もっと多くの先生や学生が野村選手の話が終わったところで席を立ったところです。これも、結局は二つの力の話で説明がつくような気がするのですが・・・。
つまり、体育科学とか体育とかスポーツとか、そういう研究をしている(と辞任している)人であれば、甲野先生や養老先生に関する知識を少しぐらいは持ち合わせているはず(ここ数年のブレークぶりから)で、だとすると内田先生のお名前も知っていておかしくないはずなんですが・・・。どうもそうでもないみたいで、「フランス文学」とか「合気道6段」とかいう肩書きを聞いただけでどこかに行ってしまうんですね・・・。
じゃあなんのために体育学会に来ているのか・・・。そこがすごく疑問です。
おかげで明日のネタになっていいのですが。
最後に、明日のネタにと思って岡田先生と野村選手に「体育・体育科学に期待することはありますか?また、体育科学からなにか得たことはありますか?」と質問してみました。すると、野村選手には「体育科学ってなんですか?」「ありません」「栄養学とかトレーニングとか、そういうことですか?」などなど、そういう答えをいただきました。この会話が、今の体育・体育科学と現場との関係をすべて物語っているように思え、質問してよかった、と思いました。
明日はいよいよ大学院セミナー。しっかり毒づいたろうかと思います。












私の方は遅れて到着のためお昼御一緒できず、本当に後悔してます。
それにしても講演・シンポジウムといいお話が聴けましたね。なんか、日本の体育・スポーツの流れにもまた変化が起こればいいですね。明日のファーラムも参加したかったです。
しかし朝一で授業(「スポーツ技術論」)がありますので、残念。でも今日お聴きした話も授業のネタにします。
koisoさん、
お久しぶりでした。今日、お話を聴かれて気付かれたこと、また教えてください。それとそろそろ「浪の下マスター?」の件、授業で題材にさせていただきますので御了承を。
最後に、
ふと思ったのは今日、何かが足りない・・・と。そうか甲野先生の実演です。多くの方々に、実際に甲野先生の技を見、受け、体験していただき、身体で感じとってほしいな〜。
初対面にかかわらず、お昼をご一緒させていただき、貴重なお話もお聞きすることができました。内田先生有難うございました。
今日のお話はけいぞうさんが見事に報告されているので言うことがありません。というか私では報告しきれません(>_
それから、野村選手のお話は、大変興味深く聞くことができました。
柔道に強くなるには柔道をすること、柔道の中で掛ける感覚、投げる感覚、交わす感覚を養う。
野村選手は近代的な筋肉トレーニングはしないようです。握力も右が40キロ強左が30キロ弱しかないそうです。柔道に必要な力は、自分より大きな相手と練習して作っていくとおっしゃってました。
また野村選手は相手選手の試合のビデオをまったく観ないで、自分のいいときの試合のビデオを観て試合に臨むみたいです。
組んだ瞬間に相手の強さを判断できる。組み手を1センチずつずらす、投げれると思ったときには体は動いているなどなど・・・。
いや〜、長くなってしまいますね。
まだあるのですが、これらを野村選手が特別だ、天才だから出来るんだって、片付けてしまうのではなく、言語かするのは難しいかもしれませんが、なにか気付く、感じることで各個人に置き換えていくことが出来ればなと思いました。
是非伝えていってほしいなぁ、甲野先生のように・・・。
Koisoさん
内田先生、養老孟司先生が来られたのに行けなかったというのは悔やまれます。
で一つ何か抜けているなーと思ったのは、例えばフランスでは解剖の実技に体育系、美術系、音楽系の学生が集います、これはモスクワ音楽院でも必修になってます。
体育学会に芸術系の先生や生徒は来られてます?
まー日本の音楽理論学会ではバッハやヘンデルがどうのこうのと言っていて、会議も世界各国でやってますが・・・重箱の隅突っつき太会でして・・・ごく一部の方に合気道、空手使いがいてそういう学会の後美味しい酒を飲んで、体育学会と音楽学会が交流できないかなーなんて話し合ってます。
来年はフランスで試みとして「日本柔道の再検討」という日本柔道を敵に回した研究会をやります、僕だけでは心もとないので強化員のゴールドメダリスト斉藤さんに声をかけてます、この研究会には医、芸術、音楽、体育、軍から参加する予定です。
で甲野先生のDVDを持って行きます、中学生レベルのフランス語で頑張ります(内田先生とはまったく逆だと思います)
仙堂
ご無沙汰しております。
先生は本当にいろいろな事をされていますね。
フランスはただでさえ柔道が強い国です。再検討によって向上する事は間違いなく、日本にとって脅威になりますね。そこに先生が関わっているとは・・・。
日本も最近はお家芸復活の、メダルラッシュが続いてますけど、次回の世界選手権や北京オリンピック、フランス要注意ですね
「表の体育、裏の体育」
につきそうですね。
裏の歯科医としてそう感じました。
先日はお疲れ様でした。入江先生のお顔は久しぶりに拝見した気がします。
養老先生や、内田先生も交えたシンポジウムは面白かったですね。
あんなに面白いシンポジウムを聞けた体育学会は、9回目の参加にして初めてだった気がします。
新潮社の足立さんも「おもしろい、おもしろい」とおっしゃっていましたが、あの場に参加されたのは非常にラッキーだったと思います。
あの話が、体育科学の研究者にどれだけ理解されたかが、今後の体育科学の方向性を決めていくような気がしますが・・・。
さてさて。
>仙堂先生
フランスで甲野先生ですか。
実は僕の友人でフランスでダンスのカンパニーを主催しているものがいるのですが、彼が振り付け師に話をしたところ、「一度甲野先生を招待したい」ということを言っているそうです。
これからフランスでブームでも起こったら面白いですね。
>くり先生
そうですね、そんな感じだと思います。
先日体育学会の院生フォーラムの時に、東洋医学の先生とあいました。
あの方もすごい技を持っているようでした・・・。
世の中、科学では説明できないことが多すぎます・・・。
それをなんとか説明していくのが、科学者のある面での使命なのでしょうね。
それが「数値化」「一般化」だけにとどまらないことを祈るのみです。