Keith Masuda Blog 増田清のページ

毎月の一言 インターネットやPCに関する話題を毎月お送りします。 1996年からの情報があります。

今月のひとこと Goo 最終回

2018-04-04 09:51:29 | Weblog


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今月のひとこと2018年3月号

2018-03-01 13:55:40 | Weblog




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2018年3月1日
最近は暖かい日が多くなったと思っていたら、突然の春の嵐です。 カミナリも鳴って、夜中に目が覚めました。 明けても強風が吹いて、しかしこれで春の訪れが確実になりました。

株価は為替の影響が少なくなったのですが、今度はアメリカの金利の影響が大きくなりました。 大きく下がると個人らしい買いが入り、日銀のETF購入も巨額ですので、なかなか底割れと言う状況にはなりませんが、スルスルと上がって行く状況でも無いようです。 しかし変動は大きく、日経平均の200円や300円の変動では驚かなく無くなりました。

仮想通貨のビットコインは完全な投機商品となってしまって、しかしその影響は大きいのか、とうとう主要経済指標の一つになってしまいました。 100万円近辺で上下を繰り返し、毎日大きな変化になっています。 デイトレをやっている人には堪えられない状況でしょうね。 上がっても下がっても利益を得るチャンスは転がっていると思います。 9時から3時までPCにかじりつかないといけないですが、これで毎日結構な額の利益を得ることが出来ると思いますが大変ですね。

今朝の新聞の大きなニュースは、新幹線の台車の製造不具合でした。 何となく違和感のあるのは、責任のほとんどを現場の班長に被せていることで、製造指示書に書かれている事の検査がないと言うのはおかしいと思います。 また、その設計もそれで良かったのかと思います。

元々の設計で 7mm しか厚みが無いと言うのも、感覚的には如何に強度の高い材料を使っても薄すぎるような気がします。 それを 3mm 削って 4mmにしたので破断したとのことですが、元々の 7mm の設計時の安全余裕はどれくらいあったのでしょうか。 推測ですが車両の軽量化が進んでいて、台車の設計もギリギリの所まで削ったせいではないでしょうか。 鉄道車両と言うのは製造メーカーの競合がほとんど無いところらしいので、この台車と言うマイナーな部品に関しては、あまり関心が無かったのでは無いか? 経験の浅い設計者が設計して、管理者もほとんどチェックせず承認していたのではないかと思います。

元の鋼材も大丈夫か? と思います。 最近では材料製造の偽装が多くありますので、コストダウンの影で、品質の低い部材が使われていたのかも知れません。 近年の傾向としては、材料の高性能化に伴い、材料の実力に依存して設計する場合が多いと思いますし、最近の若い設計者は、現場を全く知らず、CADの画面上と強度計算だけで設計する場合がほどんどで、ちょっと現物を知っていたら、強度計算もともかく、感覚的に大丈夫かと思って、見直すところですが、これがスルーする。

日本のものつくりの最近の傾向として、部材から製品までの各段階で品質を作り込むと言うことが徹底してきて、最終検査が疎かになって、儀式化している傾向もあります。 日産問題は、国の制度がおかしいのですが、一方でこのような最終検査を軽視する傾向もあると思っています。

もっとも隣の国のように取り敢えず最終検査で撥ねたら良い、ダメなら捨てるか修理すれば良いと言うのも問題です。 ある時に組み立て工場を見学したときに、ラインの不良率は何パーセントかと聞いたのですが、2種類あって検査で撥ねる前と後。 通訳を介していたので、これを理解するまでしばらくかかりました。 検査前で聞くと5%とのことで、これでは工場が機能しているとは思えませんでした。

今朝の新聞の情報だけでも川重での鋼材の入荷時の検査、製造完了時の検査、JR西の定期検査、問題発生時の対応など、問題が山積みです。 これにマイナーな部品である台車と言う要素が組み合わさった出来事だと思います。

最近は量子コンピュータの話題が多くあります。 量子コンピュータが実用化されると、マイナンバーなどでも使われている暗号が容易く解読できてしまい、その役割が果たせなくなりますが、今調子でいくと、10年後には暗号技術の世界も様変わりしていると思います。

量子コンピュータは2000年代にハードウェア開発に大きな進展があり、2008年に個々のイオンをレーザー冷却して捕捉することが出来、個々の量子もつれ状態にあるイオンをマニピュレーションする、イオン・トラップ型量子コンピュータの研究が進展ました。 2011年に突如として、カナダの企業D-Wave Systemsが量子コンピュータ「D-Wave」の建造に成功したと発表して話題になりました。 本欄でも紹介しました。 D-Waveは量子ゲートによるコンピュータではなく、量子焼きなまし法による最適化計算に特化した専用計算機であり、発表当初のものは128量子ビットでありました。 D-Waveが本当に量子コンピューティングを実現したものか否かは疑問となっていますので、少し割り引いて見た方が良いと思います。

2016年5月IBMは5量子ビットの量子コンピュータをオンライン公開し、 2017年5月、IBMは 16量子ビット・プロセッサを開発したとアナウンスしました。 中国のチームが光量子コンピューターの開発に成功し、初期の古典的コンピューターを超える量子計算能力を初めて示したと発表し、世界の同業者による実験の2万4000倍以上に達しているとのこと。 2017年9月、東京大学のグループは、究極の大規模光量子コンピュータ実現法を発表し、開発はドンドン進んでいるようです。 直近では20量子ビットのものが発表されています。

一方、量子コンピューターには、その原理からして発生するノイズを解決する必要があります。 つまりノイズを訂正する「 量子誤り訂正」が必要不可欠となりますが、それなりに高品質な量子ビットが数百個必要になります。 原状で10数個の量子しか実現できない中で、数千、数万の量子をコントロールするには、技術のシンギュラリティが必須となるでしょうが、原状では量子コンピュータは実現不可能と言う意見もあります。

この量子コンピュータの進展に対して新しい暗号技術が開発されてきています。 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、格子理論に基づく新暗号方式「LOTUS」格子暗号、を開発したと発表しました。 量子コンピュータでも解読が難しい、耐量子計算機暗号として開発され、現在広く使われているRSA暗号や楕円曲線暗号は、ある程度性能の高い量子コンピュータを使うことで、簡単に解読できることが数学的に証明されているがこの暗号は、量子コンピュータでも解読は難しいとされていますが、新しい解読アルゴリズムが開発されるかも知れません。 通常のコンピュータで処理できるので、10年後ぐらいには、マイナンバーカードの暗号もこれに変わっているかも知れません。

今月の読み物は、「ブロックチェーン技術の未解決問題」 単行本 2018/1/18
松尾真一郎 他 (著) ¥ 2,592 Kindle版 ¥ 2,400

まだ全部読み切れていませんが、パラパラと斜め読みした感じでは、一般的なブロックチェーンとは? とか言う概説書では無くて、しかしコーディングレベルの細かい話でも無くて、ちょうど良いレベルの本です。 少し内容が古いと言う指摘もあるようですが、新聞の記事よりもう少し深く知りたい方には良いと思います。

【商品説明】より
 ビットコインのコア技術である「ブロックチェーン」に注目が集まっている。
現在は主に仮想通貨としての用途に限られるが、実はその対象範囲は広く金融に限らない。

 一番の特徴は「非中央集権」にある。従来のシステムでは、どこか1カ所で全データを集中管理し、安心安全を維持していた。 例えば銀行の預金では、勘定系システムの中にすべての預金データが管理されている。 ブロックチェーンはそうした常識を打ち破った。すべての履歴を全ノードに保有することで、1人の管理者が支配する構造を変えた。

 ブロックチェーンはさまざまな分野で応用が考えられており、今後、次々と新サービスが登場するだろう。 ただし、ブロックチェーン技術の成熟度は高くない。インターネットでいえば黎明期程度にすぎないとの指摘がある。 そこで本書では、現時点のブロックチェーンに残されている問題を詳しく解説している。

 著者は暗号などを専門とする日本の研究者たちである。
彼/彼女らは、ブロックチェーンの可能性が大きいからこそ、今そこにある懸念にあえて警鐘を鳴らす。ブロックチェーン技術者必携の1冊だ。







今月のひとこと2018年2月号

2018-02-01 13:14:07 | Weblog




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2018年2月1日
寒い日が続きます。 しかし考えてみれば子供の頃は、もっと分厚い氷が張ったように思います。 都市の周りは温暖化が進んでいますので、昔ほどは寒くないはずですが、やはり寒いのは身に堪えます

株価も神経質な動きになって来て、海外勢の売りが一巡した後は、国内の細々とした取引で、言ったり来たりになっているようです。 株価と円の連動は、以前はものの見事にありましたが、最近はほとんど連動せずに来ました。 しかし最近は少し連動してきていて、円高になると急に株価が下がります。 石油関連も値上がりして、寒いのも手伝って、先日買った灯油は82円/Lでした。

トランプ政権も発足1年にして、少しはまともになって来たように思えます。 TPPにも意欲を示し、減税は大きな結果をもたらし、この中間選挙を睨んだのか、巨額のインフラ投資を発表しました。 財政のつなぎ法案の不調により、政府機関の閉鎖も短期間で終了し、大きな混乱はありませんでした。 政府機関の閉鎖は、初期の頃は大騒ぎになりましたが、何回もやっていると、みんな慣れてきて、通常業務の一環みたいな感じで自宅待機とかやっているみたいです。

先日からマスコミを賑せている仮想通貨のNEM流出問題。 お陰で仮想通貨に詳しくなりました。 15種以上のたくさんの仮想通貨があるとは、思っていなかったことで、しかもそれぞれ数100億円単位の残高があると言うのもビックリです。

ビットコイン騒ぎの時と異なり、今回の対応は素早いです。 NEMを作ったNEM財団の技術者がしっかりしているようです。 流出が始まったのが夜中の3時頃。 それに気が付いたのが11時頃で、気が付くのが遅すぎると言う批判もありますが、その後15時頃にはNEMの取引停止、18時には全取引停止で、夜半の23時頃に記者会見で発表しています。 問題が出ても半年ぐらい放置する他の大手企業と比べて、素早いです。

仮想通貨の価値と言うのは良く分からないですね。 本来の価値は、マイニングを考えに入れなければ、ゼロですが、通貨として使えるので、その価値はある。 しかし、その価値は市場の取引で乱高下する。 この市場の取引は完全に投機的な性格でゼロサムゲームになっていると思います。 通常の通貨も基本的には同じですが、実際に使う量と投機的に扱われる量が圧倒的に異なるではないでしょうか。 通常の通貨も最近は投機的な動きが大きくて、この点でも余り違いは無いのかも知れません。 いずれしても一定の存在は示しているのですから、完全に無視は出来ないと思います。 現実社会の中にそれなりに、まともに取り込んでいかないといけないでしょう。

他方、既存の銀行などが発行を予定している仮想通貨は、銀行がその価値を保証し、主に海外送金などに利用されていくのではないでしょうか。 いずれにしても通貨は複数存在し、使う目的に応じて使い勝手の良い通貨が使用されていくと思います。

江戸時代の日本では主に金銀銭の3種類の通貨が流通していて、今で思えば非常に不便だと思うのですが、それが当たり前の社会だったのでしょう。 金は、例えば佐渡の金など、金の産出が多い、主に関東で良く使われて、小判がその代表で、その何分の1かの貨幣もあったようですが、銀の産出が多かった関西では主に贈答用だったみたいです。 銀が主に使われて、重量で支払われて、イチイチ重量を測るのは面倒なので、免許を与えられた業者が細かい銀をまとめて袋に入れて、その価値を袋に書いて、保証したと言うことです。 一般に使われていたのは銭で一文二文です。 時代で価値は変わりますが、大体一文30円ぐらいだと思います。

この3種類が日常的に流通していたので、これを両替しないといけなくて、これが両替商を生み、現在の銀行のルーツになったとされています。 さらにこの両替商は、為替を発行して、遠隔地への送金も出来たと言うことで、江戸時代は電気こそ無かったのですが、生活全般は現在と余り変わらず、100万都市であった江戸でもし尿を含めて完全にリサイクル社会が実現していましたし、女性の地位も公式には低かったのですが、実態は現在とあまり変わらず、手紙も専用飛脚で送るのには数十万円単位で料金がかかりましたが、金沢から江戸までの今で言う宅急便は3日で着いたと言う話もあって、多少は時間はかかりますが、現代とほぼ同じ社会活動が出来たようです。



シカゴの穀物先物市場に先立つこと約100年前に米の先物相場が大阪の堂島にあって、最近大阪の取引所で、やっと米の先物市場が復活しましたが何故か低迷しています。 当時の江戸は世界最大の人口を誇る都市でありましたし、鉄砲の保有数も日本の鉄加工技術の高さで、世界最大を誇り、世界最大の武器大国でありました。 世界の金の産出の30%を占めて、世界最大の金産出国でもありました。 だからヨーロッパから来た宣教師などは、この極東の島国がヨーロッパ諸国を遙かに凌駕していることに驚愕したわけです。

国民の大半が読み書きでき、大量の日記や公文書が残されていて、数学や天文学もレベルが高く、歌舞伎でも立ち見席があるくらい一般人の教育程度も高かったと思います。 一方で不得手もあって、理系は不得手です。 数学でも難問は解けるのですが、壮大な数学体系は作れなかった。 医学もあまり発達せず、芸術の世界でも、歌舞伎に代表される演劇は、形式美で一つの体系をなし、

絵画でも着物のデザインから来ている感じのする琳派などが体系を作りましたが、音楽は貧弱で音楽理論が作れなかった。 絵画も緻密なものが多く、活字が無くても、レベルの極めて高い彫り物師が版画で印刷物を作って出版したし、もの凄く細かい細工を施した陶器や彫刻が発達しました。 その結集が、明治になって現れ、万国博覧会などで、ヨーロッパの知るところとなりました。

ノートPCに3万円以上出すのは、罪悪感があったのですが、あまりの遅さに根を上げて、Yoga710の後継の Yoga720を購入しました。 ずっと前はレッツノートのユーザーであったのですが、どう考えても高価であるので、探していたら、やはりというかここしか無いかと言う感じでLenovoに突き当たり、85,000円もしたのですが、デスクトップを含めて異例の高価な買い物をしました。

CPUはAtom や Celeron に懲りたので、最低でもm3と思っていましたが、Yoga720は Corei5-7200U Kaby Lakeでした。 m ではないので、ファンが時々回り出して、少しうるさいです。 画面は 12.5インチ、で11インチぐらいが欲しかったのですが、他に良いのがありませんでした。

過剰スペックと思うのは、メモリが8G、ディスクが256GのSSD。 けど、値段で言うと格安だと思いますし、メモリを追加したり、ディスクを換装する手間も要らないです。

ただ薄いのでキーボードに不満が残りますね。キートップはあるもののストロークが短い。 配置も全体に右に寄りすぎ。 ファンクションキーがそのまま使えるのは良いです。 タッチパッドは少し違和感があります。 しかし軽いし、KBを180度於呂曲げるとパッドにもなるし、それより何よりPC専業なので、細かいところが良く出来ています。 専業で無いとパッドとの切り替えとかがぎこちないです。

今月の読み物は「ルポ 老人地獄」 (文春新書) 2015/12/18
朝日新聞経済部著 ¥842

オススメ度 ★☆☆ 老後に関心があれば一読を。

現時点で、これを紹介しようかと、少し迷いましたが、2011年頃の、かなり極端な事例だと思ってください。 現在ではかなり改善されているようですが、依然として特養に入居するのは至難の業です。 こんなことが日常茶飯事に起こっているとは思えませんが、そろそろ後期高齢者になる身としては、ここまでひどくは無いと思いますが、極端な過去の例として、またこれからの傾向として、一度は読んでおくべきと思います。


【内容紹介】「BOOK」データベースより)
絶望の老人社会を告発する、硬骨の社会派ノンフィクション!
川崎市の老人ホームで入居者が謎の連続転落死を遂げ、ヘルパーが老人を虐待する映像が公開されて世間に衝撃を与えた。
だが、これは氷山の一角に過ぎない。近い将来3人に1人が高齢者となる日本では、老人をめぐる状況が凄まじい勢いで悪化しているのだ。
たとえば……
・全国各地に「無届け老人ホーム」が増加。行政に届けを出さず、古い空き家を利用したホームが多い。男女混合で雑魚寝させる「お泊りデイ」施設も。排泄物の臭気が充満する不衛生な環境で、ノロウイルスが蔓延したり、転んでケガするケースが続出。それでも「安い料金」が魅力となり、入居させたい家族は後を絶たない。
・北海道には「老人下宿」なるものが増えている。狭い部屋が与えられ食事が出るが、経営者が逃げてしまい、入居者が突然放り出される例も。
・一方で、特別養護老人ホーム(特養)を経営する社会福祉法人のなかには、濡れ手で粟のボロ儲けをし、まさに「老人食い」で肥え太っているものもある。政治家の介在が見え隠れするケースも。
・個人の介護計画を立てるのはケアマネージャー(ケアマネ)。ところが、ケアマネが特定の施設にカネが落ちるよう誘導しているケースも多発。無意味に高い料金を払わされる老人が多い。
・未婚率の上昇とシングルマザーの増加により、低所得の独居高齢者は激増。年金をきちんと払っていても、年金基金が破綻し、実質無収入となる老人も増えている。
・国民健康保険が払えない老人たちも多い。だが、群馬県前橋市などの自治体は、低所得の老人からも無慈悲な「強制徴収」に踏み切っている。
……等々、枚挙に暇がない。
団塊世代が後期高齢者入りする2025年以降は、もっと悲惨な現実が待ち受けている。
はたしてわれわれは自分を守るためにどうすべきか? そのヒントが本書にある。






2018年 元旦 あけまして、おめでとうございます

2017-12-31 16:58:20 | Weblog




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2018年元旦 明けましておめでとうございます。





昨年はトランプ騒ぎに北朝鮮挑発、日経平均株価の高騰、モリカケ騒ぎ、安倍政権の一強棚ぼた勝利、それとAIやEVの話題沸騰など「申酉騒ぐ」の格言通りでしたが、今年は「戌笑い」で良いことが多そうです。

米国は、すでに金融緩和を緩めて利上げ段階に入っているのですが、日本経済は景気は良いものの、物価水準が未だに目標の2%に到達しないまま、今年は日銀総裁の任期も来てしまいます。

物価もさることながら、あれだけ現金預金の内部留保があるにも関わらず、賃金が上昇しません。 政府が音頭を取って賃上げを推進するのは、若い頃に賃上げを圧縮しようとしていた時代を知るものにとっては隔世の感があります。 ここしばらくは金利も上がらないでしょう。 金利は政策的な事が大きいので、しょうが無いですが、これだけの人手不足のなかで賃金が上昇しないのは現経済の最大の不思議です。

賃金が上昇しないことは、思い出してみると20年以上前にアメリカで感じました。景気は良いのにレイオフが連日新聞に出ていて、賃金も思ったほどは上がっていませんでした。 アメリカはベンチャーが多いので、ベンチャーの立ち上げ時の給与は極めて低いのが当たり前なので、そうかとは思っていましたが、今になって思うと、賃金問題の要因は当時からあったように感じます。

本の賃金は支払賃金では増えていないが、雇用者負担の社会保険は増えているので、経営側から見た支払い賃金総額は増えていると言う議論もあるようです。 しかし全体の労働分配率は増えていないし、労働生産性は2000年以降下がってきていると言うことなので、その原因はともかく、経済理論的には不思議では無いようです。

それにしても労組の非力さは目を覆うばかりです。 企業内労組が多いからと言う理屈もついているようですが、バブル前でも企業内労組は多かったですが、スト権を含めて「闘う労組」だったと思います。 最近は非正規労働者の問題とかを連合が言い出していて、以前は組織労働者しか対応しないと批判されていましたので、進歩したと思いますが、本尊の組織労働者の労働条件の最大の要素である賃金を上げると言う任務を遂行できない労組は存在意味がないと思います。 どちらが原因か結果か分かりませんが、連合が支援する野党はガタガタになっています。

この中で本来リベラルの売り物である福祉の充実とか賃金の上昇とかの政策を与党が採用してしまうので、野党としては打ち出す政策が無くなってきてることが、与党がうまいのか、野党がだらしないのか、どっちにしても日本国の政治には余り良くない状況になって来ています。 中途半端な野党連合を言うより、寄り合い所帯の連合も半分に分かれ、既に分裂している野党も2つぐらいにまとまるべきだと思います。

安倍政権は内政では、いろいろ有りますが、外交は大成功ですね。 やはり長期政権で無いと外交は出来ないと言う証明です。 ただ安倍首相は少し内弁慶。 あの国会のやりとりを外国でも発揮して欲しい。 トランプや習近平との写真を見ていると、何か頼りないと言うかおもねている印象があります。 また、国会も何も無い中国に比べて、国会に出ないといけないのも足を取られる一因でしょう。 それにしてもこれだけ行くと政府専用機も使い甲斐があるというものです。 一方で外務大臣は民間機を使ってると初めて知りました。

外務大臣の「おねだり」と言って批判を浴びた右派新聞がありましたが、スケジュールが決まっている民間機では仕事にならないでしょう。 アメリカのちょっとした大手企業のトップはみんなプライベートジェットを使っています。 もっともアメリカではハブ式なので、地方から地方に行こうとすると丸1日がかりの旅程になってしまいます。 トランプなんか自分で飛行機会社を持っているくらいですので、外務大臣にはエアバスとは言わないまでも、ビジネスジェットは必須ではないでしょうか? 国益を考えると安いものだと思います。 政府専用機なみに空自の運行にすると大変なので、日航か全日空へ業務委託したら良いのではないでしょうか? それも一機運行で。

昨年はAIが大いに話題になって、AIによる自動運転が今にも実現して、AIによって仕事の大半がすぐにでも取って代わられると言うような報道がありましたが、なかなかすぐには進展しないと思います。 電気自動車EVも、ヨーロッパと中国がそれぞれの思惑で言い出していて、少し乗り損ねたトヨタが大慌てしていると言う図式でしょう。 トヨタは先の先で水素自動車を推進していましたが、急に電気自動車の機運が上がってきたので、あてが外れた格好です。 まあハイブリッドは、燃費向上のアイデアとして新入社員にやらせておいたのが棚ぼたでマーケットが出来たので、それはラッキーと思って、電気自動車もそれなりにやらないと行けないでしょう。

日産のゴーンさんはサスガにハイブリッドを飛ばして、最初から電気自動車を推進してミーブなどをだしていましたが、日本らしくグズグズしていたら、あっという間に中国勢にやられてしまいそうです。 勝手な想像ですが、中国では例えば電気自動車を半分に分けて、半分ずつ太陽光で充電して走らせれば、太陽光の不安定さも解消されるのでは無いでしょうか。 工場の操業も日中のしかも晴天時にしか許さないことにすれば、太陽光の不安定さも克服できるのではと、先日の中国大規模太陽光発電の番組を見て思った次第です。 APECの時の北京ブルーの空を見ていると、この国は多少の困難は指令一つで克服出来るのでしょう。


2018年は、インターネット2.0の始まりでは無いでしょうか。 インターネット2.0の最大の代表はブロックチェーンでしょう。 ビットコインなどで代表される仮想通貨で脚光を浴びましたが、これはこれで通貨とは何か?と言う問いを発する事と、新しい通貨の社会実験であると思いますが、これはブロックチェーンの応用の一つであって、本来の革命はブロックチェーンです。 基本的には、10年ほど前に大問題になり、制作者が裁判にかけられたWinnyに代表されるP2P技術がそのベースになっています。 P2Pはそれ以前から合ったのですが、使い道が分からず、最初の大きな応用が音楽の違法配信であったのが不幸の始まりで、その後は日陰者になっていましたが、ブロックチェーンで大きく花を咲かせた感じがします。

ビットコインで全てのトランザクションを各PCが持っているのも、いずれは限界に来ると思いますが、ちょっとしたデータベースであれば、極めて容易にサーバー不要でシステムを構築でききます。 その内にパッケージ化されたフリーソフトが出てくると思いますが、ビジネスにするには少し時間がかかるかも知れません。 元々フリーであったLinuxもサポートを付けて優良でビジネスになっていますので、うまく付加価値を付ければ良いと思います。





インターネット2.0で次に大きな役割を果たすのがAIです。 特に音声認識は目を見張るものがあります。 スマートスピーカーが話題になっていますが、普通のスマホでも同じ事が出来て、辞書に登録されていないと思われる語句を除いて、ほとんどの音声を聞き分けることが出来ます。

20年程まえに現在の使い方に似たような事を想定して、5年間ほど音声認識の開発をマネージしましたが、結局使い物にならずで終わりました。 話者の癖学習やマイクロフォンの選択や照合する辞書の効率化などをやりましたが徒労に終わってしまいました。 今回のディープラーニングで、性能は飛躍的に、それこそシンギュラリティ的に向上しました。 最初にスマホで音声認識したときは、あっけにとられました。 それまではまともに認識したシステムは見たことが無く、ジョブズが実演していた映像を見ても、半分ヤラセだと思っていたくらいです。

この音声認識は半分はディープラーニングですが、残りの半分はインターネットでしょう。 高性能のサーバーで認識してリアルタイムで応答するネット技術も非常に重要です。 ディープラーニングでテンプレート照合ではクオンタムジャンプしたのですが、次のジャンプはどうなるのでしょうか? 恐らく量子コンピューターがその鍵を握っているのではないでしょうか?

量子コンピューターも実用にはあと10年ほどかかると思いますが、その間に量子コンピューターに向いたAIアルゴリズムを考えないといけないでしょう。 ディープラーニングを開発した人も、ここまで行くとは思っていなかったようなので、ひょっとして次のステップでは、人間の思考能力に近いものが出てくるかも知れません。 ネットのお陰で、高価な量子コンピューターでも、携帯端末でその恩恵を受けることが出来るようになると思います。

技術的には余り高くないと思いますが、インターネット2.0の第3の要素はIoTです。20年くらい前にM2Mとして取り組んだ事があるので、大体のビジネスアイデアは当時考えたことと同じですが、これからは少しそれから発展したものが出てくるのでは無いかと期待しています。 NTTかドコモかのTVコマーシャルで、IoTの宣伝をしていましたが、ここで取り上げられている実例は、20年前にやったことそのもので、新しいアイデアはあまり出てこないのだと感じます。

一方で最近入手したのはエアコンのリモコンをIoT化したもので、AmazonのAWSで動作し、スマホから遠隔でエアコンなどの自宅の機器を操作したり、自動タイマー動作させることが出来ます。 これの優れた点は、いわゆるルーター越えを何の設定も無くやってしまうことです。 パナソニックのディスクレコーダーのDigaでも同じように、何の設定もなく、自宅のルーターの外でレコーダーの番組を視聴できます。 例えば、ネットと繋がっていれば、ワンセグ機能の無いスマホでも、TV番組緒をスマホで視聴できます。 しかもBSも視聴できるというおまけ付きです。

このIoTリモコンとスマートスピーカーをつなぐと、いろいろな設定は必要ですが音声で操作できるようになり、昔のSF映画のように、「電気を点けて」というだけで、照明を点灯させることが出来ます。 しかもこれが総額でスマートスピーカーを除いて1万円もせずに実現できると言うのが革命的です。

この様にインターネットそのものが大発明で、これだけ社会に大きなインパクトを与えているのにノーベル賞もしくはそれに匹敵する賞をを授与しないのは、単に受賞者がいないからでしょうか。 さらに日本人が発明者をされているビットコインやブロックチェーンには受賞の資格は十分あると思います。 受賞者が分からないと言うのも原因だと思いますが、この様な一種の数学であるコンピュータ科学は、素粒子や医学などの自然科学より一段落ちる応用科学だと言う認識があるようなので、ノーベル賞には数学部門がありません。

単に自然の法則を「発見」しているだけの自然科学と、基礎の前提から人間の頭脳が論理的に考える数学を比べると、数学の方がよりレベルが高いと思うのですが、こう言う論調は余り見たことがありません。 コンピューター科学の領域の末端に居たものとしては、もう少しコンピュータサイエンスの地位が上がってくれると、うれしいと思う初夢でした。

今月の読み物は正月休みです。












今月のひとこと2017年12月号

2017-12-01 11:12:52 | Weblog




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2017年12月1日
国会は北朝鮮のミサイル発射にも関わらず、相変わらずモリカケに固執する野党が居る反面、与党に質問時間を多く配分したので、いろいろな議論が国会中継で聞けるようになりました。 確かに安倍政権はには飽きが来たし、横暴なところもあるし、モリカケも納得できない点はあるものの、安定した政権が望ましいし、問題もたいした問題では無いと言うことでしょう。 支持率は余り大きく下がらないです。

ドイツのメルケルが怪しくなってきたので、ますます安倍さんの外交が光ってくるのでは無いでしょうか。 野党はことあるごとに外交解決を叫びますが、これも安定した長期政権と首相が居るためで、性急な政権交代は百害あって一利無しです。

相撲界も大揺れ。 真相は相撲協会と貴乃花の対立の構図が見えてきました。 けど理事長の「すんませんでした」は無いと思いますよ。 「申し訳ありませんでした」とか言えないものでしょうかね。 一応は相撲界のトップなんですから、元力士とは言え、それなりの物言いがあっても良いと思います。 また白鵬も、勝手な振る舞いが目立ち、そもそもモンゴル人ばかりの相撲になってしまったのが、問題で、結局日本人力士が弱すぎるのが根本的な問題でしょう。

やっと春闘の前哨戦が始まりました。 そもそも政府が3%もの賃上げを要請するというのは、社会主義国ではあるまいし異常です。 一番の責任者は労組と財界。 労組はそもそも賃上げのためにあるはずで、労働者の労働環境の向上の最たるものは賃上げでしょう。 企業側には支払能力があるのですから、ここはストを打ってでも、賃上げを獲得すべきでしょう。 その労組と関連が深い野党にもそう言う声は余り聞こえてきません。

次に問題は財界、特に経団連。 経団連こそ、こう言う大局的な、政治的なテーマを扱うべきで、個々の企業は利益を追求するので、しょうが無いとしても、経団連ぐらいは、旗を強力に振るべきです。 どうも今の経団連の会長は、出身企業の問題もあり、早期に引いて頂いて、次の日立出身の会長に引き継ぐべきです。 東レの問題にしても、自分が社長時代だったにも関わらず、自分は知らなかったとか、サラリーマン社長丸出しのコメントで、その時の責任を痛感すると言うような文言は無かったです。 本当にこの人は心の底から社長をやっていたんだろうかと感じました。 現会長は就任したときからイマイチだと感じていましたが、その通りになりました。

株価は23,000円が壁になって、その前で一進一退を繰り返しています。 北朝鮮のミサイルには、もうあまり反応しなくなりましたが、全体の動きが鈍いです。 単元株単位の売買も結構多くて、乗り損ねた個人が細々と売買している感じです。 いずれには3万円に到達すると言う話もありますが、時期はいつか分からない、いずれ、と言う話です。 オリンピックまではこの様な調子だと思いますが、オリンピック後がまったく想定できないですね。

今月のITの話題は、IoTとChromecastです 冷温室は元々エアコンがあり、メインの温室にも石油ストーブの代わりにエアコンを付けました。 最近はエアコンの効率がドンドン上がって、灯油を炊くより安くなったと言うことです。 それともっと面白いのは温度の制御が容易になったことです。 最近のエアコンには遠隔制御の機能の付いた物もあるようです。

温室の夜温を下げたいので何とか制御できる方法はないかと思って探したら、赤外線リモコンを遠隔で動かすものがたくさんネットの上にありました。 大分迷いましたが、eRemote と言うのがあったので、買ってみました。 温度制御が面倒だと思いましたが、どうもエアコンの赤外線リモコンはTVと異なって、1ボタンが1機能に対応していなくて、例えば暖房のボタンを押すと、電源オンと設定温度情報が一気に送られるようです。 つまりリモコン自体がそれなりの自立性を持っていると言うことが分かりました。

この端末とAmazonの AWS IoT の組み合わせで遠隔で制御できるようです。 NAT越えも容易で、LAN/WAN問わずにアクセスできるし、毎日の定期動作の様なタイマー機能もこのAWSで行え、スマホとは関係なく動くようです。 いま流行のスマートスピーカーとの連携もあり、仕様はあまり固まっていないようで、少し前の端末はいずれは動作しなくなるようです。

Chromecastは以前からありましたが、少し高いので、安い Anycast を買ってみましたが、最初は動作したのですが、最近は動作しなくなって、当初はこちらにも知識が不足していた事もあり、うまく使えませんでしたが、Chromecast は作り込みもしっかりしていて、容易に使いこなせます。 これでスマホやタブレットの画面を大きなTV画面で見ることが出来ます。

これに関連してPanasonicの Digaも キャストに対応しており、Diga自体でもネットアクセス可能なので、Youtube などはTV放送と同じ感覚で、TVのリモコンを使いながら視聴できます。 しかし、もともとスマホ用に作られているので、Chromecastを使ってスマホでコントロールしながらTVに映し出すのがやりやすいです。 またDigaは、外部でのスマホのアクセスも可能なので、ワンセグが付いていないスマホでも自宅のDigaをアクセすることで視聴できます。 おまけに録画したものやBS放送も視聴できるので、ヘタにワンセグが付いているより便利です。

今月の読み物は【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 がん消滅の罠 完全寛解の謎 (『このミス』大賞シリーズ) 単行本 岩木 一麻 著 ¥1,490。

オススメ度 ★★☆ ガンに関心があれば一読を。

今年の初めの本で、少し古いですが、ガンの知識が少しでもあると、面白く読めます。 ネタが分かるとなーんだと言うことになりますが、その前のガンのいろいろな情報が面白いです。

がん消滅の罠ー完全寛解の謎 [著]岩木一麻
苦痛さえコントロールできるなら、がんが一番いい死に方だといわれる。余命を宣告されてから死ぬまでの間に、いろいろと準備できるからだ。もっとも、だからといって、発がん性物質をもりもり食べる気にはならない。やっぱり、がんにはなりたくない。

がんで余命宣告を受けた時点でお金が支払われる生命保険がある。では、余命宣告を受けた後で、がんが治ってしまったらどうなるのか。岩木一麻『がん消滅の罠』は、そんな「もしも」を題材にしたミステリーである。

余命半年と宣告された患者の病巣が、生前給付金を受け取った直後に消えてしまう。それだけなら喜ぶべきことだが、連続して4人もとなるとおかしい。たんなる偶然か、それとも新手の保険金詐欺なのか? 患者を担当した医師・夏目と、友人でがん研究者の羽島が謎に挑む。

浮かび上がってきたのは、政財官界のセレブたちが治療を受ける怪しい病院の存在だ。しかし、がんを治したり再発させたり、そんなことが自由にコントロールできるのか。誰が? 何のために? 謎は深まるばかりである。

本作の魅力は、がん治療とトリックとをうまく結びつけたところにある。医療ミステリーであると同時に、謎解きを楽しむ本格ミステリーでもある。がんとは何か、転移や治療法などについても、登場人物の会話というかたちで解説される。最後の最後まで読者を安心させない。

第15回「このミステリーがすごい! 」大賞受賞作。この賞からは、医療ミステリーの旗手、海堂尊がデビューしている。新たなスターの誕生を歓迎したい。 評者:永江朗 (週刊朝日 掲載)

内容紹介
選考委員絶賛、第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞作!
・史上最高レベルの医療本格ミステリー。こんなとんでもない謎を正面に掲げるとは前代未聞、大胆不敵。(大森望)
・まったく見当のつかない真相。謎の設定がとにかく素晴らしい。(香山二三郎)
・最前線でがん治療に当たる医療現場が抱える今日的問題をテーマに、圧倒的ディテールで描く医学ミステリー。(茶木則雄)
・この小説の「売り」は「がん消失」の驚くべき企みとその真相だ。(吉野仁)

日本がんセンター呼吸器内科の医師・夏目は、生命保険会社に勤務する森川から、不正受給の可能性があると指摘を受けた。

夏目から余命半年の宣告を受けた肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金3千万円を受け取った後も生存しており、それどころか、その後に病巣が綺麗に消え去っているというのだ。同様の保険支払いが4例立て続けに起きている。不審を抱いた夏目は、変わり者の友人で、同じくがんセンター勤務の羽島とともに、調査を始める。

一方、がんを患った有力者たちから支持を受けていたのは、夏目の恩師・西條が理事長を務める湾岸医療センター病院だった。その病院は、がんの早期発見・治療を得意とし、もし再発した場合もがんを完全寛解に導くという病院。がんが完全に消失完治するのか? いったい、がん治療の世界で何が起こっているのだろうか―。

内容(「BOOK」データベースより)
治るはずのないがんは、なぜ消滅したのか―余命半年の宣告を受けたがん患者が、生命保険の生前給付金を受け取ると、その直後、病巣がきれいに消え去ってしまう―。連続して起きるがん消失事件は奇跡か、陰謀か。医師・夏目とがん研究者・羽島が謎に挑む!医療本格ミステリー!2017年第15回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作。
















今月のひとこと2017年11月号

2017-10-29 16:17:52 | Weblog




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2017年11月1日
それにしてもTVから、なかなか目を離せない1週間でしたね。 民主党/民進党は落ちるところまで落ちたと言う事でしょう。 離党者が出てきたので前原代表は焦って、合流を決めたらしいが、それにしても民意というか情勢をここまで読めないのは、政治家としても、まったく適性を欠きますね。

今回の選挙で一番、露わになったのが前原代表。 政権を取ったときの八ッ場ダムの時から注意深く見ていました。 元々興味のある人でしたから、八ッ場ダム問題をどう決着付けるのか、非常に興味があって注目していましたが、結局何のアクションも無しで放りっぱなしで終わりました。

その後は代表の時の、例の偽メール事件。 いくら議員は個人的な立場で活動するとしても、公党のそれなりの人を攻撃するのですから、ちょっと待てと言ってウラを取るぐらいの事はやっても良いと思いました。 問題発覚後は、自分で国会の席相手に謝りに行ってましたが、これやるくらいなら、少しチェックしたらどうかと思います。 結果的に本人は自殺してしまって、この時もサポートと言うか面倒見をもう少しちゃんとやっておくべきでした。

本人とは直接話をしたことは無いですが、某知事の横で知事が別の人と話をしている間、そばでじっと話の終わるのを待っていたのが記憶にあります。 単に挨拶をしただけですが、某知事は「おっ」と手を上げただけでした。 この時はすでに下野していて、特に役職も無かったように思いますが、元民主党代表であったことは間違いないですので、ちょっと意外な力関係に愕然としたことを覚えています。 小沢さんとも稲森さんとも近いので、それなりのアドバイスはもらっているはずですが、結果が悪すぎます。

希望の党も、あまりに急ぎすぎたので、ガタガタでしたね。 大阪維新でも元の代表が知事になって2年で地方政党、その後2年経って初めて国政政党にやっとなったので、今回は余りにも短すぎる。 安倍首相の仕掛け勝ちと言う話もありますが、1年後でもしんどいと思います。 余りに頼りない元検事と急遽参加した脱藩組でもギクシャクしていたので、最初から話にならなかったのだと思います。

政権選択選挙と言いながら、たいした政策も無し、首班候補もなし、候補者の数もなしで、もし万が一政権交代が起きても、参議院は多数を取れないので、またまたねじれ国会となり、単に政治混乱を招いただけでした。 前回の政権交代は、小沢一郎が大戦略を立てて、まず参議院から崩していって、政権交代に繋げたのであって、その後の問題はいろいろあったものの、今回のような単なる風だけではなかったように思います。

それにしても国民は前回の政権交代で大いに学びました。 「安倍政権は嫌いだが、他の選択肢が無いので、しょうがない。 ヘタすると政治混乱を招く。」と言う非常に冷静な判断があったのではないでしょうか。 はっと気がつくと、音なしの構えだった北朝鮮の問題もあるし、中国では6年どころか10年以上ひょっとしたら20年以上も習近平体制が続きそうで、非常に合理的な判断だったと思います。

音なしの構えの北朝鮮を想定して、解散を打ったのだとしたら、たいしたものです。 日本だけでは無理ですが、アメリカからは種々の情報が寄せられていたと思いますので、単なる偶然で北朝鮮がおとなしくなったわけでは無さそうです。 要するにアメリカが本気でやり出そうとしているようなので、トランプ訪アジア後から年末にかけて大きな動きがあるのではないでしょうか。

戦略爆撃機のB1Bが秘密裏に北朝鮮沿岸を飛行したのに、それを北朝鮮が探知できなかったのではないか、と言われていて、旧式のレーダーでは、最新式のステルス機能があるB1Bを察知できなかった様子で、北朝鮮はこれに非常にショックを受けているのはないでしょうか。 知らない間に侵入されて、爆撃される可能性がたかまったのですから。

政権の安定でサスガに株価は上がりました。 余りの急激な上昇に、売りをしかけた投資家の死屍累々だったそうです。 売りの返済による踏み上げで、株価の上昇に弾みが付いたと言う話もあります。 水曜日には少し下がって16連騰は消えましたが、その後の金曜日の後場で一気に上がりました。 本稿は日曜日に書いていますので、月曜日がどうなるかです。 中期的には23,000円だとかPERで見ると24,000円だとか、25,000円だとかと言う見方もあります。 海外や日本の機関投資家がまだ本腰を入れていないようなので、大幅な下落リスクは少ないと見られていますが、北朝鮮で何かあると下落になるのではないでしょうか。

経済の最後の問題の賃金上昇ですが、なんでこれを総評/民進/みどりで推進しないのか? 以前は賃上げは労組の専売特許で、スト含めてドンドンやってました。 これだ人不足に陥っているのに賃金が上がらない、特に組織率の高い大手で賃上げ要求が出てこないのは理解できないです。 財界も政府から3,000億円負担しろ、と言われるばかりで、何ら政策があるような印象がありません。 以前なら賃上げして経済に好影響を与えると言うような議論が賃上げ交渉でもありましたが、最近では政府が要求するばかりで、妙に政治に介入したりして、何のための労組かと思います。



最近のIT分野の大きな話題はWifiセキュリティのWPA2の脆弱性が、明らかになったことでしょう。 セキュリティ無しは論外としても、最初のバージョンであったWepはいとも簡単に解読できることが分かって、その後はWPA2が主流になっていて、これ以外は設定しないようにと言う注意があったのですが、これも破られてしまったと言うことです。

正確に言うとWEPのように暗号そのものをクラックしたと言うことではなくて、その暗号キーそのものを入れ替わってしまうと言う問題です。 キーをやりとりするときのプロトコルに穴があって、それを利用してキーを入れ替えてしまうと言うものです。 全世界では、天文学的な数のWIFI機器が存在するので、その対応は非常に困難だと思います。 PCやスマホに関しては、ドライバーを更新すれば良く、すでに更新パッチが配布されているそうですが、問題はルーターなどの単体機器で、これのファームウエアの更新は並大抵では無さそうです。

当面の対策は「有線化」と言うものですが、これはほとんど意味が無いです。 一番有効なのはVPNを使うことで、一部のウイルス対策ソフトには有料ですが、そのような機能があるようです。 本来はセキュリティなしのパブリックWIFIを使うための機能ですが、こうなってはWPA2があろうが無かろうが、セキュリティがないものとして考えないといけないようです。

もっとも無線の有効範囲内に入らないと盗聴は出来ませんので、人が多い所以外では、そんなに神経質になる必要もないと思います。 ただピンポイントで狙われると、打つ手無しで、VPNを使うしか無いと思いますが、同じピンポイントなら他にも手がありますので、手間のかかるWPA2クラックより他の方法を選ぶかも知れません。

今月の読み物は「闘いを記憶する百姓たち: 江戸時代の裁判学習帳」 歴史文化ライブラリー 単行本 八鍬 友広 著¥1,836

オススメ度 ★☆☆ 興味のある人は読むべし

むしろ旗を押し立てて、手には鍬や鎌を構えてと言うのが百姓一揆のイメージだと思いますが、これは江戸時代前期までのことで、その後は主に訴状をだして、今で言う訴訟に近いものだったとのことです。 もっとも現在の民事裁判とは異なり、ヘタをすると首謀者は死刑になると言うリスクもあっての上の訴訟だったようです。

しかも、この訴状が教材として広く流布していたと言うのは驚きです。 ここで主に取り上げられている「白岩目安」は単純な訴えでは無くて、10年以上に渡る領主との摩擦の結果ですので、為政者にとっても、非常に機微なテーマだと思います。 そこまで追い詰められているので、命を掛けてでも訴訟を行うと言うことになるのでしょうが、このような機微な文書が、教材として流布していたのは、さらなる驚きでした。

寺子屋で用いられていたような、如何にも教科書と言うのでは無くて、一見古文書そのものと思われるものでも、往来物と言われるような教材として出回っていたのです。 日本の古い家には多量の古文書がありますが、新聞記事になるような「龍馬の手紙」みたいなものはほとんど無くて、手紙の書き方のような往来物が良く出てくるとのことです。 他に多いのは、当然ながら借金証文や年貢を収めたあとの領収書である皆済目録などで、永久保存文書が多いのは当然だと思います。







今月のひとこと2017年10月号

2017-10-02 11:35:57 | Weblog




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2017年10月2日
今年は9月末になって旧に寒くなってきました。 先日の明け方には14℃になっていました。 そんなに低温では無いのですが、暑さに慣れた体には寒く感じます。

気候の急変と共に、政界が騒がしくなってきました。 安倍首相の突然の解散に端を発して、大きな政界再編に結びつきました。 それにしても民進党は情けないですね。 一度政権についた党とは思えない、まとまりの無さと誇りのなさです。

希望の党に入れてもらえないとかの、何とかしてくれない病に取り付かれているとしか思えないです。 安保法案にあれだけ反対していた政治家が、アッサリ希望の党に合流できると思う方がおかしいのであって、正反対の意見を持つ政治家が同居してたのですから、ここはアッサリ党を半分に割って、リベラルと言われる政治家は行くところが無いのですから、保守サイドが希望の党と合流したら良かったと思います。 しかし前原党首にそこまでの力すら無かったのか、はたまた個人の能力のせいか、なんとも無様な最後となりました。

民進党の原理主義者」、「理想主義者」、「現実主義者」などと言われて来た政治家たちが、何も言わないのも失望です。 リベラルの新党立ち上げが話題になっていますが、最初から粛々と撤退すべきだったと思います。

小池知事が出馬するのでは? と言うことが話題になっていて、先週の段階では出るのではとなっていたのですが、日曜日のNHKの番組で、出ないと若狭議員が述べたので、その可能性は急速に減ってきています。 恐らく過半数に達する候補者を用意できていないと思いますが、これくらいの票読みは、希望の党はもちろん政治評論家やマスコミに出来て当然だと思います。

自公が過半数を割ると、維新などとの連立内閣の可能性が出てきますが、これは日本にとって悪夢以外の何者でも無いと思います。 世界の中で日本の政治だけが安定してポピュリズムとは無縁だと思われていたのですが、とうとう日本にもポピュリズムの波が突然あらわになったと言うことでしょう。

この点では世界を十分見て、世界の流れを体感してきたはずの安倍首相の想定ミスだと言わざるを得ません。 やはろ3期目を睨んで、来秋の退陣を想定していなかったので、早期解散に踏み切ったのですが、パンドラの箱を開けてしまったと言うことです。 最後に残ったのが希望だと言う話ですが、現在ではポピュリズムと言う怪物が残ったとなってしまいます.

最近のIT分野では量子コンピュータが話題を集めています。水中での量子通信や衛星との量子通信も高速で行われるようになり、いよいよ量子による情報処理が本格的になりそうです。 AI分野の技術シンギュラリティと言うかクオンタムジャンプはディープラーニングでなされ、認識技術の飛躍的な向上に繋がりました。 しかし更なるジャンプには別の技術が必要で、これが量子情報処理かも知れません。 これによりAIも自意識を持つようになり、人間に一歩近づくかも知れません。 あと10年内には、何らかの結果で出てくるでしょうから、生きているうちに、自意識を持つAIを見ることが出来るかも知れません。

量子コンピュータの分野では半導体の上で量子もつれを作って処理するものが主流ですが、量子ビットの数が少なくこれ以上の規模拡大には制約がありましたが、最近のニュースで、光を用いた量子コンピュータが発表されました。 予算の時期なので、来年度の予算狙いのプロジェクトがどんどん発表されますが、これはすごいものだと思います。 量子ビットも数百万ビットも見込めるとのことで、非常に大きな可能性を感じさせます。

今月の読み物は、江戸の長者番付 (青春新書インテリジェンス) 菅野 俊輔 (著)
Kindle版 ¥864 新書 ¥961

大名やトップクラスの武士の年収は、現代の地方自治体に当たるので、現代と比べるのは余り意味がないと思います。 面白かったのは歌舞伎の入場料とかミソ醤油や傘下駄の値段なんかは面白いです。 現代と比べて意外に高いものと安いものや、ほとんど変わらないものも多くあります。

明治維新によって徳川幕府が否定され、その治世であった江戸時代が必要以上に過小評価されていますが、この本を読むと、特に江戸時代後半は現代とほとんど変わらない生活を送っていたことが、良く分かります。

本書にはあまり記述がありませんが、当時もサラ金があって、大名は年貢米の前借りでお金を借りていました。 それも利率は非常に高く、十数パーセントから20数パーセントにもなります。 金貸しは当然に儲かりますから、時々徳政令で借金棒引きをされても、何とか生き延びることが出来たのでしょう。

面白いのは、1両10万円で換算すると、千両は約1億円。 千両箱と1億円入りのアタッシュケースはほぼ大きさも重さも同じようなものになります。 また1石は1両相当ですので、この換算で行くと、加賀100万石は1000億円となり、これは知行の石高なので税率40%とすると、400億円となります。 一概に比較は出来ませんが、石川県の平成29年度一般会計予算が約5300億円で、しかも市区町村の予算が入っていませんので、当時は非常に小さな経済圏であったことが分かります。

内容紹介
江戸幕府の八代“暴れん坊"将軍の年収は、なんと1294億円!
その将軍に勝るとも劣らない1000億円超の年収を稼いでいた人物とは?
江戸きっての大豪商である三井越後屋・三井八郎右衛門の驚愕の収入は?
いっぽうで、“宵越しの金を持たない"庶民や、内職が欠かせない下級武士の稼ぎは……
驚くべき年収ランキングから、江戸のリアルな生活事情が見えてくる、興味津々の一冊!







今月のひとこと2017年9月号

2017-09-03 12:03:19 | Weblog




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2017年9月3日
暑い夏も終わりに近づいて、やっと少し涼しくなってきました。 加計問題にかまけている間に、東アジア情勢は風雲急を告げて、とうとうミサイルが日本を超えました。 いろいろな情報をまとめると、どうも今回の発射は、最終段階で失敗したようです。 本来は距離的にグアムに届く所に発射したようですが、少しショートして短くなったようです。

しかし計画はそうであっても、発射の段階でアメリカの反応を考えて、少し短くしたと言う可能性も残っていると思います。 それにしても金正恩はしっかりしている。 オーラも出てきた。 北朝鮮はすぐに崩壊すると言った評論家は何処に行った? 金正恩を選んだ北朝鮮政府の上層部の選択眼はしっかりしていたと言うことです。

このミサイル発射状況下での経済七不思議の最大のモノは、日本が危機にあったにも関わらず円が上昇したと言う事です。 サスガに株式は下落しましたが、すぐに元に戻りました。 ミサイル発射と言うことで、これは円が下落すると思ったのですが、有事の円買いは当事国になってもその通りだったと言うことでしょうか。

いずれにしても円が常に高めに振れるのは、基本的には日本の経常収支が黒字だと言うことです。 政府債務が巨大だと言うことで円暴落を予想する人が居ますが、これは日本が経常収支黒字で、しかも世界最大の債権国だと言うことを忘れているのだと思います。 政府はなるほど財政赤字を抱えていますが、日本の国全体としては黒字国で、政府の財政赤字を日本国内で相殺しても、日本国としては黒字のままのピカピカの国のままです。

ちなみにアメリカは世界最大の債務国で、国としても借金まみれで、通常の国ならとっくにデフォルトを起こしていると思いますが、最強の基軸通貨であるドルの発行権を持っているために、それでも平気です。 もっとも政府の財政赤字は深刻で、アメリカの国債は上限が法律で定まっており、これを毎年法律を作って更新しているのですが、これが9月に再び上限に達します。 現時点ではマーケットは楽観的で、過去にも例があってギリギリのところで、法案が成立したのですが、今回のトランプ政権では民主党が反対を崩さず、民主党の一部の賛成が無いと成立しないようで、9月末が近づくと状況は混沌としてくるかも知れません。

通貨発行権を持つ国の赤字と言う点では、一ランク規模が小さくなりますが、日本の国としての赤字と政府の赤字も、アメリカの世界とアメリカの国との対比で似たようになります。 アメリカが世界に対して赤字でも平気なのは、日本政府が日本国に対して赤字が平気なのと似ています。 財務省は財政均衡主義なので、どうもこの日本政府と日本国の区別を意図的に曖昧にして居ると思いますし、特に家計との対比はまったくのミスリードになっていると思います。 先日の日経新聞の大機小機欄で、遅ればせながらの指摘がありました。

今月の読み物は、応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) 呉座 勇一著

オススメ度 ★★★ 是非読むべし

京都で先の大戦と言うと応仁の乱。 太平洋戦争では焼けなかった京都も応仁の乱では丸焼けに。 特に上京は戦場になったので、ほとんど丸焼けになったようです。 何しろ登場人物が多いので、名前を覚えるだけで大変ですが、やっと読みました。 少し予備知識がないと、学校で教わっただけではなかなか読めないです。 私は録画したのを見ましたが、探すとYoutubeにありました。





まずこれで全体を掴んで読んだほうが理解が速いと思います。 文章そのものは非常に分かりやすくうまいですが、内容がややこしいので難解です。

基本的に京都と河内が舞台なのですが、主役の一人の畑山政長の墓が大阪平野にあります。 以前に行ったことがあるので、写真を引っ張り出しましたが、当時はあまり応仁の乱に興味がなかったので失念していました。 墓と言っても、住宅地の真ん中にあって、非常に行きにくいし、草ぼうぼうだし、何の変哲も無い五輪塔だし、本当かな、と当時から思っていましたが、どうも本当らしいです。 墓地の一角にある『乃木将軍景仰碑』は3m以上はある大きな石碑で、何でも畠山政長の軍師であった佐々木源次左衛門清高の子孫が乃木希典であるらしい。 それにしても墓地はみすぼらしい。

【以下引用】
成功例の少ない「応仁の乱」で18万部。日本史研究に新たなスター誕生か。
日本史上の大トピックとされていながらも、全体像を捉え難い「応仁の乱」。そんな題材を、既成史観の図式に頼ることなく、絶妙なバランス感覚で丁寧に整理した新書がヒットしている。NHK大河ドラマの歴代最低視聴率記録を長年保持していた『花の乱』(1994年)を始め、「応仁の乱」を扱ったものに成功例は少ないので、異例の現象だ。
「『応仁の乱』をテーマに選んだのは著者ご本人です。地味かもしれませんが名前を知らない日本人はおらず、そういう意味では歩留まりがよい。大ヒットはしないまでも絶対に失敗はしないテーマという認識でした。中公新書は『歴史ものに強い』というアドバンテージもありますし後は“著者力"で突破だ、と」(担当編集者の並木光晴さん)
古くは網野善彦さん、近年では磯田道史さんなど、日本史研究者には、時に、学識の確かさと読み物としての面白さを両立させるスター学者が登場する。36歳とまだ若い本書の著者は、次代の有望株だ。
「扱う題材の全体像をはっきりと理解し、その上で、読者に伝える情報を取捨選択できる。30代半ばでのこの筆力には、とても驚かされました」(並木さん)
中公新書の主な読者層は50代以上。しかし本書の売れ行きの初速はネットなどと親和性がある30代・40代が支え、そこから高年齢層に支持が広がった。これは、新たなスター誕生の瞬間かもしれない。
評者:前田 久 (週刊文春 2017.3.2号掲載)

だらだらと続く大乱
小学校の教科書で紹介されていることもあってか、「応仁の乱」の知名度は高い。しかし、それがどのような戦乱だったのかと問われると、多くの日本人が口ごもる。室町後期に京都でおきた……戦国時代のきっかけとなった……諸大名入り乱れての……。
呉座勇一『応仁の乱』は、ほとんどの日本人が実態を知らないこの大乱を、最新の研究成果をふまえながら実証的に検証してみせる。さらには、同時代に生きた興福寺の2人の高僧(経覚と尋尊)が遺した日記を通じて、戦乱に巻きこまれた人々の生態を描いている。それらの合間に、気鋭の中世史学者ならではの自説も展開する。いたって学術的な内容なのだが、構成の巧さと呉座の筆力によって最後まで読ませる。
しかし、全体としては、やはりよくわからない。それは決して呉座の責任ではなく、この戦乱が結果的に大乱になってしまっただけで、発端の当事者(細川勝元と山名宗全)たちも、短期に決着するとふんでいたからだ。それがいつしか、両氏が多数の大名を引きこんだために、諸大名の目的が錯綜して、将軍も大将もコントロールできなくなっていき、京都だけでなく各地で戦闘がくり返され、だらだらと終結まで11年もかかってしまったのだ。しかも、戦後処理まで判然としないのだから、応仁の乱はよくわからない。
大義名分に乏しいだらだらと続いた応仁の乱は、第1次世界大戦に類似していると呉座は説く。結果的に諸国に新たなパワーバランスを生みだすことになる、地味な大乱。ひょっとしたら今、私たちもそんな混沌の時代を生きているのかもしれない。
評者:長薗安浩 (週刊朝日 掲載)









今月のひとこと2017年8月号

2017-08-02 15:38:50 | Weblog




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2017年8月2日
梅雨も明け蒸し暑い夏になって来ました。 加計問題はとうとう政権を揺るがすまでに、大きな政治問題に発展しました。 元々は国家戦略特区の意思決定過程の問題であったのに、防衛省の日報問題と同時進行で安倍政権の問題となり支持率が急落し危険水域まで悪化しました。

加計幸太朗氏が、いかにも悪そうなイメージの写真になっていて、どんどん想像による悪印象が強くなっているのも原因でしょう。 ちょっとマシな写真を掲載しておきました。 首相の「1月20日に知った」問題も加計氏の国会招致を避けようとしているような印象があり、それで無ければ過去の答弁を修正してまで、1月20日に拘るのかが意味不明です。 説明すればするほど、疑問点が出てくるのも良くないです。

藤堂高虎の今治。 市職員の官邸訪問も、官邸側に記録が無いと言うことになって、また疑問が深まります。 今朝の新聞では、この時には愛媛県職員も同席していたと言うことですが、これだけ多くの関係者が居るにも関わらず、官邸側の対応者が不明というのも解せないところです。 一説では、対応したのは安倍総理本人では無いか、と言う見方もあり、確かにこれなら隠したくなると言う気持ちは分かりますが、もしそうなら、いずれはバレるのではないかと思います。 その時の衝撃は北朝鮮のミサイルの比ではないでしょう。

報道しない自由と言うのがあるらしく、加計問題の国会中継で、加戸元知事や青山議員の質問が、全くなかったように報道しないマスコミもあったようで、たまたま国会中継をずっと見ていて非常に違和感がありました。 どうも従来型のマスコミは、トランプ大統領では無いですが、消極的なフェイクニュースだと言うことです。

結局頼りになるのは、玉石混淆のネットの複数の記事です。 ニコ動やYouTubeなどの映像はもっと役に立ちます。 いずれにしても、情報とくに新聞記事は当てにせず、自分で事実を確認しなければならない時代になったと言うことでしょう。 事実をありのままに伝えると言うマスコミの機能はほとんど無いと言っても良いと感じました。

いずれにしても、アメリカでは毎日史上最高値を更新しつつあるにもかかわらず、せっかく2万に到達した日経平均株価も、膠着状態となり、さらに問題が出てくれば、如何に日銀やGPIFが買い支えようと暴落の恐れは多分にあります。

最近のITの話題の一つはビットコインでしょう。 NHKの番組でも取り上げられ、億万長者に成れると言う感じです。 少し流行ってきたと思ったら、やはり問題はブロックチェーンのブロックの作り方にあります。 小人数で細々とやっている分には良いのでしょうが、これだけメジャーになってくると、ブロックを生成するマイナーの処理速度やブロックの大きさ、また各ノードで保持する全ブロックのサイズなど問題が顕在化しています。 今までの取引の全ブロックは1Tバイトに収まっているようですが、これからどんどん増えると思いますので、容量が2桁も多くなると、普通のPCと言うわけにも行かずに、だんだんとヘビーになってくるのでは無いでしょうか?

たしかに初期のインターネットを想起する状態です。 初期のインターネットもせいぜい9600Bpsの電話回線で結ばれていただけで、ネットの上でサウンドやましてや画像や動画がハンドリングできるとは、夢にも思わなかったです。 ビットコインの中核技術のブロックチェーンも似たような状況で、これからどんどん改良が加えられて行くのではないでしょうか。 今回のビットコインの分割も、基本はシステムの更新方法の異論にあるわけです。 いずれにしても、ブロックチェーンは、インターネットの上の更なる大発明ですので、ますますネットが重要になってくるのは間違いないところです。


今月の読み物は、「反資本主義の亡霊」(日経プレミアシリーズ) 新書 原田 泰 著
\880

オススメ度 ★★★ 是非読むべし

どっかの書評にもありましたが、もう資本主義はアカンとか経済はこれ以上向上しないととか、後ろ向きで自虐的な本がたくさん出ていて、私も何冊か読みましたが読後は何となく気分が落ち込みましたが、この本を読んで溜飲が下がる思いです。 ちょっと筆が走りすぎで、話の筋が少し飛ぶところはありますが、なかなか良いです。 *野さんなんかどっかに行ってと言う感じです。

特に大恐慌辺りからの歴史は再読する必要ありです。 こんな人が日銀の政策委員会に居るなんて、それだけでもビックリ。 本当はビックリする方がおかしいのですが。

内容紹介

資本主義が格差、貧困、戦争をもたらす!? 
――なぜわが国では、資本主義は悪者扱いされるのか?

資本主義の生み出す豊かさこそが、格差を縮小し、環境を保全し、労働条件を高め、福祉や文化を発展させているのである――日本に根強く残る“反資本主義”の誤りを歴史的・思想的な観点から指摘、資本主義の再評価を試みる!  
<本書の目次より>
・資本は格差の原因か
・アメリカの所得格差は労働所得の格差による
・江戸の人びとはトリクルダウンの天才だった
・金融危機の原因は経営者の報酬制度にもある
・アベノミクス格差論には根拠がない……







今月のひとこと2017年7月号

2017-07-01 11:37:48 | Weblog




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2017年7月1日
やっと梅雨に入ったようで雨模様になりました。 政権も長くなると緩みというか内部疲労を起こしているような気がします。 森友に始まって加計、豊田暴言、ついでに女性差別発言、極めつけは防衛大臣資質問題と加計ヤミ献金問題。 これに対抗できる交代可能な与党内外の勢力が見当たらないのが一番の問題でしょう。

私の見るところ森友問題は財務省の引渡価格の決定過程を明確にすること。 要するに廃棄物が埋まっていることで、担当者が将来の訴訟などを嫌ったせいで必要以上に査定価格を下げたのが原因だと思うので、その辺を説明する事。

しかし森友関連の学校のデザインは素晴らしいですね。 どれ見てもスッキリ綺麗に出来ています。 お金もかかっているようには見えない。 あの2人のうちにこんなセンスがあったのか、と感心しています。 建物は残して保育園なり小学校は開設すべきですね。

加計問題は確かに加計ありきで話が進んだと思います。 やはり何かネタが無いと特区など出来ないわけで、もし特区をぶち上げて誰も応募が無ければ面子丸つぶれです。 しかし総理のお友達との関連が深いので、ここは念入りにその関係を否定する論理を作っておかないと行けなかったと思います。 要するに脇が甘かった。

豊田暴言は個人的な事なのでドウしようも無い。 これだけの経歴を持っている人がおかしいとは言えず、まあ田中真紀子も似たようなモノでしょう。

現防衛大臣発言は根が深いので深刻。 以前から資質に問題があると感じてましたので、地が出たと言う感じですが、こういう人をキチンと見抜けない総理大臣と言うのに信頼が無くなりました。 世論調査の結果でもこう言う傾向がありますが、この発言問題の後の世論調査がミモノだと思います。 形式上で無い本質的な任命責任が生じます。 せっかく70年かかった憲法改正もこれで風前の灯火になった感があります。

元文科大臣の加計ヤミ献金問題も、限りなく黒に近い。 加計の元秘書が11件(笑)のパーティ券購入をとりまとめたとのことですが、法律上のあっせんにはならないようで、逃げ切れると思っていると思いますが、実態はあっせんなので、いくら11に分けてもダメだと思います。 この調子で行くと、どんなにまとまったパーティ券でも20万に分ければOKと言うことになります。 まあ政治家が作った政治資金規正法なので・・・と言う論調もありますが、あまりにも有権者を馬鹿にした話だと思います。

株価も日銀の買い支えで高値維持ですが、方向性に欠けてぱっとせず、 アメリカの第2のサブプライムローンと言われている低所得者用のオートローンの問題と自動車そのものが変革期を迎えていることで需要が減っていること、これに絡んで安全機能が付いていない中古車の価格が下落するなど、一時は我が世の春だった自動車業界にも暗雲が垂れ込めています。

サスガに最近は政府の債務を家庭の借金に例える論調は無くなり、あの騒ぎはやはり財務省のヤラセだったと言うことが明確になりましたが、日銀が買うべき国債が市場から枯渇してきたり、ETFの購入を通じて、日本の株式会社のかなりの部分が日銀が最大株主になってきたりして、その副作用が顕在化してきています。

安倍政権が終わりオリンピックが終わった後が恐ろしい。 全てのツケが回ってくるようで、大激震のそれまでにいろんな事を整理して置いた方がよいかも知れません。

先月買ったビデオレコーダーの番組を離れたTVで見たかったので、試しにDNLA対応と書かれたTVスティックを買ってみました。 送料込みで\1,406なので、あまりきたいしていませんでしたが、やはりそれなりでした。 中国からの直送。

AnyCast M2 Plus Mini Wi-Fi ディスプレイドングル レシーバメディアTVスティック

ハードウェア仕様:
CPU:シングルコアARM Cortex A9 Rockchip RK2928 1.2 GHz。
GPU:3D GPU 1 xマリ400。
OS:Linux 3.0.8。
DDR3:256MB
Wi-Fi:802.11b / g / n 150Mbps 2.4GHz

ポータブルDLNA AirplayミラキャストHDMI
WiFiディスプレイドングルテレビ受信機アダプタ
HDMI 1.4、1080PフルHD出力をサポート
RAM:256MB
HDMI 1080Pスマートフォン用マルチディスプレイ共有

マニュアルは簡単な英文のみで、非常に分かりにくいです。 仕組みが分かれば理解できるのですが、それがなかなか分からない。

EZCastのコピーみたいで画面が似ています。 スマホをWifi接続して設定しますが、スマホからルーター接続して、さらにこのドングルが本来のWifiでネットに接続します。 この辺は洗練されていて使いやすいです。

Airmirror、DLNA、Airplay Miracastをサポートします。となっていますが、結局スマホ側にアプリを入れて、スマホに表示して、それをドングルを経由してTVにミラーすると言うことで、ドングル自体に機能があるわけではないです。 従って機能の大半はスマホ側のアプリで決まります。 EZCastのコピーらしいので、EZCast用のアプリはみな使えるようです。

元の目的のTV視聴は、どうなったというと、操作が面倒になるので、アキラメました。 まずスマホのWifiをドングルにつなぎ直して、スマホのアプリを立ち上げて、ビデオを表示して、それをTVにミラーすると言う手順を毎回行わないと視聴できないようです。

今月の読み物は、「黒部の太陽」 木本 正次 著
Kindle版 ¥ 800

オススメ度 ★★☆ この閉塞の時代に再読すべし

先月紹介の、吉村 昭 「高熱隧道」の続編として読みました。 詳しくは説明不要でしょうが、重なる逸話が出てくるので、全体の状況が良く分かりました。 それにしても当時の日本にはガッツがあったのですね。 元気が出てきます。 単なる1つの民間企業の関西電力がここまでやるとは素晴らしいと思いました。 昨冬にカニを食べに行った城崎温泉にあった、太田垣翁資料館も思い出して、興味深く読みました。

内容紹介
21世紀によみがえる黒部ダム建設工事の苦闘。 北アルプスに山中を貫く関電トンネルの掘削―。 破砕帯と呼ばれる脆弱な土壌、冷たい地下水の大量噴出。 トンネル貫通までの苦闘と葛藤を描く、人間ドラマ。 映画『黒部の太陽』(1968年、三船敏郎・石原裕次郎主演、熊井啓監督)や、フジテレビ開局50周年記念ドラマ『黒部の太陽』(2009年、香取慎吾主演)の原作文庫版。 --このテキストは、文庫版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)
昭和三〇年代。電力不足の日本を救うため、人跡未踏の地で、巨大ダム「黒四」の建設が始まった。だが工事はトラブルの連続で、ついに「破砕帯」に遭遇、大出水に襲われる。もしこのまま工事が進まなければ、黒四ダムは完成しない。そのとき男たちは、いかにして困難に立ち向かったのか?徹底取材で描かれたノンフィクション・ノベルの傑作。






今月のひとこと2017年5月号

2017-06-02 11:51:41 | Weblog




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2017年6月2日
やっと6月になりました。 5月の長かったこと。 2ヶ月分に感じました。 毎日が同じ事の繰り返しだと短く感じ、異なることの連続だと長く感じるようです。 以前に新規事業を立ち上げたときは、それこそ1ヶ月が3ヶ月にも感じましたし、1週間も長かったです。 日曜日に助走体制に入って、月曜日の早朝会議からスタートするのですが、途中の日にああヤレヤレ週末かなと感じても、大概は水曜日でした。

トランプ大統領の本領発揮で、G7会議もほとんど何もまとまらなかったようですね。 最古参メンバーの安倍首相にはもう少し頑張って欲しかったが、メルケル相手ではなかなか思うようにならないですね。 結局トランプ対メルケルの構図になってしまって、日本は入る隙間もなく、あまり出番も無かったです。 パリ協定も風前の灯火。

これを反映しているのか、2万円の大台を前に株価も冴えず、一進一退になっています。 これを書いている金曜日の朝の時点ではまだ2万円に届いていませんが、これで終値が2万円を超えるのかどうかが関心事だと思います。

今朝の日経には、日銀の資産がGDPに並ぶ500兆円に達したと言う記事があり、将来的には一時的に債務超過になるとの見方があり、しかし日銀本体は意外に問題にならないと言う見方が強いと書いてありました。 通貨発行権のある日銀が債務超過になったとしても、何が問題として出てくるのかは誰にも分からず、日銀内部でも心配する人は多いと思います。 いずれにしても壮大な経済実験には変わりはないと思います。

長年使ってきたビデオレコーダが、ディスクの不具合か、よくダウンするようになって来たので、後継機を購入しました。 癖はあるが豊富な機能で有名だった東芝のレコーダーはどうかと思ったのですが、癖だけ残って、後はあまり進歩していない様子で、後の候補はパナソニック、シャープ、ソニーとなります。 結局、原状の機械に不満はたくさんありますが、連続性を買ったのと、ネットの評価が悪くないので、パナソニックにしてみました。 これで4台目となりました。

高機能機でも5万でおつりが来る値段で、この前に買ったのは、これの3倍以上はしたと思うので、コスパ的には大進歩です。 問題のチューナーは、地デジ3ch、BS3chと一番多いのを選んで、これで録画の時の制約は大分マシになりました。

もっとも全番組録画の機種は20万近くしますので、しかし以前のレコーダに少し上積みするだけで、全番組を1ヶ月録画出来るマシンを買えることになります。

機能面でもっとも進んだと思うのは、ネットを経由してスマホなどで外部で視聴できる事です。 従来もDNLA対応であれば、ローカルのLAN経由で使えたのですが、今回からは外部から使えるようです。



仕組みはイマイチ理解できていないのですが、以前よりパナソニックは、ローカルの機器を外部からアクセスできる技術、つまりルーター越えが可能でした。 今回はそれにストリーミングを組み合わせて外部からの視聴が可能になったと言うことでしょう。 スマホなどは無料、PCは有料と言っても1ヶ月200円程度です。 外部アクセスは理論的には可能なのですが、特別の設定を全く不要にしている点が非常に良いと思います。 今流行のIoT機器にも十分応用が可能だと思います。

セキュリティが心配になりますが、まだ総設置台数が少ないので、問題にならないのでしょう。 その内に、意外なセキュリティホールが見つかるかも知れません。

今月の読み物は、「高熱隧道」 新潮文庫 1975/7/29 吉村 昭 著 Kindle版 ¥ 520 文庫 ¥ 562

オススメ度 ★★☆ 立山アルペンルートに行ったことのある人は読むべし

宇奈月温泉からトロッコ電車に乗って鐘釣駅まで往復したときに、この小説を思い出して、早速読んでみました。 トロッコ電車と言っても、京都の山陰線のトロッコと似たようなモノだと思っていましたが、実際は大違い。 よくまあこんな所に小規模とは言え鉄道を敷設して、ダムまで建設するとは、ビックリです。

ここに来たことが無かったときは、あまり興味も湧かなかったのですが、来た後に読むと俄然興味が湧きます。 本題の高熱隧道は、この辺りの遙か上の方ですが、この下の辺りだけでも、その状況は推測できルくらいです。 鉄道は黒部第3ダムや第4発電所まで通じていて、トロッコ電車の終点である欅平から、200mのエレベーターで上がって、さらにバッテリ電車で第3ダムまで行けるようです。

ビデオはこちら。

サスガに、欅平から先は、予約制で抽選だそうで、平日にもかかわらず結構な競争のようです。 この欅平から先が、本題の高熱隧道で、触るだけでもやけどするくらいの高熱の中を掘り進んだと言うことです。

黒部第三発電所――昭和11年8月着工、昭和15年11月完工。人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の、岩盤最高温度165度という高熱地帯に、隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であった。犠牲者は300余名を数えた。トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威とが対決する異様な時空を、綿密な取材と調査で再現して、極限状況における人間の姿を描破した記録文学。






今月のひとこと2017年5月号

2017-05-06 15:50:43 | Weblog




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2017年5月6日
毎年の連休周辺は忙しくて、最近は動作が遅くなり作業に時間がかかるせいか、例年にも増して時間がなくなり、本欄の予定も大幅にずれてしまいました。  

トランプ政権も、政権そのものは体制がなかなか安定しませんが、原状では軍関連が方針を決めているらしくて、内政はガタガタですが、外交はやっと本来の共和党らしくなって来ました。 大統領自身も、学べば学ぶほどみたいな、何処かで聞いたような事を言っているようです。 いずれにしても、韓国は大統領選挙、日本は森友問題にかまけている間に朝鮮半島はきな臭くなってきました。

まずシリアをトマホークで攻撃、その後もカールビンソンを派遣するわ、B1を2機もとばすわ、原潜を韓国に送るわの上での中国との、これぞ外交と言う見本みたいなやり方で、完全に中国を押さえ込みました。 国務省の体制が未完成のままですが、ティラーソン国務長官は、想定よりしっかりしていて、評価が高いです。

安倍政権の安全保障対策は、結果的には非常にうまく行っていると思います。 良いタイミングというか、ギリギリと言うか絶妙のタイミングで、安全保障関連法案が通って、ちょうど実施できるドンピシャのタイミングになりました。 更には、他国に先駆けて、いち早くトランプ大統領との個人的な関係を構築できたのも絶妙でした。

最近ではロシアにも行って、いくら若いと言っても結構大変なスケジュールで、しかしこれだけ使うと政府専用機も値打ちがあると言うモノです。 以前の首相なら、定期便のファーストで行ったら? と言いたくなるスケジュールが多かったのですが、大型プラ-ベートジェットを駆使する現首相は、確かにトランプ氏とも波長が合うのでしょう。

北朝鮮問題は落とし所すら見えませんが、圧力と対話で探っていかないとダメなのでしょう。 トランプ政権が中国を押さえ込んだのが大きく、あの手この手で中国をけしかけているようで、しかし中国もだんだん手が無くなってきたのが原状ではないでしょうか。 TV番組で誰かが言っていましたが、北朝鮮内部で軍クーデターが起きて、金一族を追放し、中国も、韓国も、日本もロシアも安心するような、安定的な政権が出来るのが、もっとも現実的な解ではないかと思います。 当然、アメリカや中国では十分に検討されているはずです。

北朝鮮のミサイルの失敗はアメリカのサイバー攻撃の結果だと言う噂が流れています。 あまり刺激的にならないように、自爆したのでは無いかと思っていましたが、アメリカはイランのウラン濃縮施設をサイバー攻撃で動作不能にした実績もあり、サイバー攻撃の信憑性も高まっています。

もっともこのサイバー攻撃が本当だとしても、それは、前のオバマ政権の時代に仕込まれたモノなので、トランプ政権としてはあまり認めたくないと言う心理だと思います。 また、北朝鮮のネット環境は非常に貧弱で、逆に攻撃しにくいし、ハイレベルのハッカーが何千人も居ると言うことなので、サイバー攻撃はにわかには信じられません。 ネットが無くてもサーバー攻撃は可能ですから、時間を掛けて、部品レベルで仕込んで居たのかも知れません。

最近のITの世界ではAIが大流行です。 リクルートテクノロジーズがAI「A3RT」を無料公開したことが、少し前に話題になりました。 しかも実際に使われて居るサービスですので、性能的には優秀だと思います。 私は不得意ですが、得意な方は、これを試用してみては如何でしょうか?

AIが仕事を奪ってしまうとか、AIに仕事をさせれば、人間は遊んで暮らせるとか、悲観的やバラ色の未来が描かれていますが、やはり機械には限界もあります。 状況が限定的な将棋や囲碁の盤面とか、ある一定のデータの処理とかには実力を発揮するでしょうが、それ以外の情報、人間なら常に受けている様々な外的な情報を総合判断しないと行けない場合は、AIは、無力となるでしょう。

私の持論は機械-人間系で、ある条件の下での答えを速やかにAIに出させる。 さらに条件を少し変えて、また出させると言うことを繰り返しながら、正しい答えを得て行く事が最良だと思っています。 この時に必須なのは、答えが出るまでの速度です。

多少不正確でも、すぐにAIが答えを出すことが重要で、全ての条件を入れて、延々と計算して、やっと答えが出てくるのを待つのはあまり得策では無いと思います。 デカルト的な西洋の考え方では、全ての条件を入れて正しく判断したら、正しい答えが出ると言うことですが、そもそも全ての条件と言うのを入れるのが困難です。 質問している方にも分かっていない場合もあります。

人間が考えている間に、その条件に気がつく場合も良くあり、この点でも素早い反応で、答えが得られるのは必須だと思います。 この様にAI機械と人間が共同して、分かっていない事も埋めながら、最終結果に向かうと言うのがもっとも良い解決方法だと思っています。

今月の読み物は、「生物はウイルスが進化させた 巨大ウイルスが語る新たな生命像」 ブルーバックス 武村政春 著 Kindle版 \1,058
オススメ度 ★☆☆ 興味があれば読むべし

自分ではウイルスもしくは類似のものが、試行錯誤で出来たとは思えない、眼球などの部品を部品レベルでゲノム移動したのではないかと思っているので、興味を持って読みました。 巨大ウイルスのウイルス工場が真核細胞の細胞核の元になったと言う仮説は面白かったです。 ウイルス粒子はウイルスではなくて、ウイルスが感染した細胞が、本来のウイルスであると言う、新説も紹介しています。 卵子と精子の類似からの発想みたいですが、まあ確かに言われてみれば、そうかもしれないと思いました。

文章は読みやすく、単語の定義も適宜されているので、斜め読みは無理でも、ささっと読めます。

【内容紹介】
数十億年前、いま最も注目を集めるあるウイルスの祖先が誕生した。ヒトや細菌とは遺伝的系統を異にする彼らが、私たちの〈共通祖先〉に感染し、生物の発展・繁栄に不可欠なDNAや細胞核をもたらした!?そして、その子孫たる「巨大ウイルス」が明らかにする、生命と進化の知られざるからくりとは?日本初の巨大ウイルス=トーキョーウイルスの発見者が語る、生物進化のアナザーヒストリー。







今月のひとこと2017年4月号

2017-04-03 10:36:39 | Weblog




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2017年4月3日
トランプ政権もとうとう化けの皮が剥がれてきて、当初一部にあった議会との摩擦の見方が現実になって来ました。 共和党もなかなか一枚岩でもなく、超保守から民主党に近いところまで結構幅が広く、オバマケアの見直しでは、この双方からの反対があったようです。 単に大声で主張を叫ぶだけでは、政治の世界は前には進まないと言うとこですね。

トランプ政権の失速で、市場の反応も悲観的になって来て、最近ではズルズルと下がってきています。 サスガにダウ平均は2万ドルを維持していますが、日経は早々と19000円を割り込み、この先が見えなくなりました。

国内は森友一色になり、何処が本質的な問題なのかもハッキリせず、野党が久しぶりに見つけた政権攻撃目標を攻撃するだけの展開になっています。 最近では、野党の方に飛び火して、先がますます見えにくくなってきました。 首相の「関係あれば首相も議員も辞める」、「忖度は無かった」、「ゼロ回答」等の強気過ぎる発言や、首相夫人の奔放な行動で、ますます混乱している感があります。

第一次安倍政権の、「お友達内閣」、「政権投げだし」などのキーワードがふっと頭をよぎった人が多かったのではないでしょうか。 せっかく世界で一番安定した政権と言われ、世界をリードする役割がやっと回ってきたのに、このたいした問題ではない森友問題に足を引っ張られるのは、非常に残念です。 混乱の原因の一因が、首相夫妻にあるのも残念な点です。 支持率をもう少し下げて、警告を与えないといけないのかも知れません。 既に海外投資家は、このリスクを考えて、投資を引き上げにかかっているようです。

それにしても籠池元理事長は腹が据わっていて、しっかりしていますね。 下手な政治家や経営者は完敗です。 しかも付いている弁護士との連携も良くて、この弁護士もなかなかのものだと思います。調べてみると山口弁護士で、米国でも弁護士資格を持っているそうで、その後の対応を見てても、アメリカらしい突っ込みだと感じていました。 ネットでも評価が高いみたいです。

とうとう棋界のタイトル保持者が初戦とは言えAI将棋に敗北したことです。 将棋や囲碁と言う盤面で非常に限定された情報の中でのAIは無敵だと思います。 現実の世界では、この直接情報だけでは無くて、いろんな外部の人的な情報も計算に入れないとうまく行かないので、決定的な結果にはならないと思いますが、ゲームの世界はルールが全てですので、最強になると思います。

AIが全ての仕事を置き換えると言われていますが、実際には全ての外部情報をインプットするのには無理があるので、一番良い使い方はアシスタントだと思います。 一つの仮定の元でその結果をAIが最短時間で結果を出し、それを見てまた別の仮定の設定をして、その結果を得る。 この繰り返しで最終的には人間が最適な結果を得ると言う方法だと思います。

エクセルでシミュレーションをして、初期値を少しづつ変えて結果を見てみると言うのは良くやられている手法ですが、これをもっとAI的に行えば良いと思います。 AIが人間かと言うような二者択一ではなくて、両方が共同作業をすると言うイメージになると思います。

今月の読み物は、「京都の洋館」 単行本(ソフトカバー) 2016/12/5 石川祐一 (著)、 神崎順一 (写真) ¥ 3,024

オススメ度 ★★☆ 京都に居た人は読むべし

主に京都市内の文化的価値のある洋館を収録しています。 特に内部の写真が多いのが良いです。 トップは、おなじみ京都府庁舎で、次が京都市庁舎。 京都府庁舎は会議で行った時には、冷房もなく、剥き出しの無粋な蛍光灯がそこら中に露出配管されていて無残でしたが、その後綺麗に改修されたようです。 町の中でも無意識に見ていた洋館が、実は歴史のあるモノだと今更ながらに気がつきました。 他には、駅前の関電ビルや長楽館、駒井家住宅などもあり、既に改装されている中央電話局なども収録されています。 もっと小さなしかも敷地の中にあるものは、未収録ですが、思い出しながら眺めるのも一興です。

【内容紹介】
京都は近代建築の宝庫である。本書では「洋館」と呼ばれる西洋建築を収録。京都府庁や市役所など公共施設の建造物から、京都大学や同志社などの学舎、静謐な雰囲気の教会、三条通に今も遺る商業施設、豪奢な個人邸宅まで。外観から内部まで詳細に撮影した美しい写真と、京都市文化財保護課・文化財保護技師の石川祐一による簡潔な解説とともに、その魅力に迫る



今月のひとこと2017年3月号

2017-03-02 16:31:57 | Weblog




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2017年3月2日
トランプ騒動も先日の一般教書演説で大分落ち着いてきました。 スピーチライターが歴代大統領の演説を切り貼りして仕上げて、後でトランプが手を加えた所がハッキリして、面白かったですね。 しかし、確かに大統領らしい演説になっていたと思いますが、これなら今流行の性能が大幅に向上したAIでやって、後で手直ししてもあまり変わらなかったのではと思います。

米国憲法を読んだことありますか? しょっちゅう憲法修正何条とか言う表現が出てくるので、不思議でしたが、よく考えると1787年と言う江戸時代中期に成立した世界最古の成文憲法なんですね。 従ってエラく細かいこともかかれていて、如何に法律をつくる議会を最初に作るか? と言う観点で書かれているようです。

お手本にする憲法も無いので、最初に手探りで作って、後から修正を加えているんです。 明治帝国憲法は今見てもなかなか良く出来ていると思っていましたが、米国の憲法に遅れることほぼ100年後の1889年に公布されていて、良く出来ているのは当たり前かと思います。

経済面では日経平均も確かに長期的には上昇だが、当面はどうするかで迷っている感じがします。 個人の投資家は塩漬けにした損失含みの株式を大量に持っているので、株価の戻り待ちの売りが結構出ているのでは無いかと推測します。 塩漬け株は統計には出てこないので、その影響はなかなか分かりません。 まあ恐る恐ると言う感じです。

金正男暗殺事件にはビックリしました。 VXガスと言うあんなに効く毒と言うのは現存するのですね。 まるで殺虫剤みたいやなと思っていたら、やはり1950年代初期にイギリスで殺虫剤を開発していて発見されて、人間にこれだけ効くのなら兵器に白太良いと言うことになったらしいです。 VXと言うくらいで、Vシリーズの毒ガスがいっぱいあるようです。

VXガスとは猛毒の神経剤(V剤)の一種で、サリンなどと同様、コリンエステラーゼ阻害剤として作用し人類が作った化学物質の中で最も毒性の強い物質といわれています。 揮発性(蒸気圧)が低いため残留性が高く、そのうえサリンなどと異なり化学的安定性も高いので、温帯の気候においては、散布から1週間程度は効果が残留するそうです。 水で洗浄しただけでは取り除けないため、安全な状態にするためには化学洗浄が必要。 木材や皮、布などに付着した場合には長期間毒性を維持したまま留まるため、VXガスに汚染された物に触れただけでも危険。

VXガスの作用機序はアセチルコリンと言う神経伝達物質が無尽蔵に増えてしまって死に至る経過をたどります。 なぜこうなるかというと、VXはアセチルコリンを分解するコリンエステラーゼを無効にするコリンエステラーゼ阻害作用があるためです。 シナプス間隙においてアセチルコリンが適量あれば、人体は脳が発した命令に対してスムーズに機能します。 しかしVXによってアセチルコリンが大量に存在してしまうと本来の脳が発した命令はうまく伝わらず、肉体的にも精神的にも大混乱に陥ってしまいます。 大混乱の結果、身体には痙攣(けいれん)、麻痺(まひ)、呼吸困難、錯乱といった死に至る症状が現れてしまうのです。

新聞記事で触れているような解毒剤は存在するのかと言うことですが、プラリドキシムヨウ化物PAM(パム)と言われるもので、コリンエステラーゼにくっついて、そのはたらきを邪魔しているVXを引きはがしてくれます。 ただ症状が現れてからでは遅くて、症状が出る前に服用しないと行けない様子です。 今回の暗殺事件では、最初からこの様な薬を服用していたと思われます。 しかし完全には解毒できないので、多少の症状は出たものと思われます。

以前から怪しかった先日のMHK「試してガッテン」はとうとう一線を越えてしまって。トンデモ番組になってしまいました。 テーマは糖尿病で、ある種の睡眠薬を服用すると糖尿病が治るというかマシになると言うことで、突然「デルタフォース」が出てきた辺りからトンデモになって、たまたまTVを見ていたので、これはヤバいなと感じました。

その後PCでメールを見ていたら、Twitterの記事が飛んできていて、それを見ていると、この番組を本気にして医者に睡眠薬を処方するように要求してきたと言う記事が出てきて、ウチにも来たと言う医者ばかりで、結構な騒動になっていました。 薬には認可された薬効があって、その薬効に合わない症状に対しては処方はできないのですが、患者はどんどん言ってくる。 睡眠薬には糖尿病と言う適用はないので当たり前ですので、NHKの勇み足です。 さらにNHKが推奨したのが新しく2014年ぐらいに認可になった、新しいタイプの機序をもつ睡眠薬だったのも、混乱を増長する事になりました。

昨夜の「試してガッテン」の番組の冒頭でアナウンサーが謝っていましたが、誤解を与えるような番組内容で申し訳ありません、と言う意味で、誤解した方が悪いと取れるような釈明でした。 もともとこの番組はもっとマシだったのですが、途中から少しトンデモに傾斜してきた傾向がありますし、ごく簡単な話題を延々と引っ張って番組を作るような所が出てきて、最近ではほとんど見なくなりましたし、見ても最初から疑わしいと思うようになりました。

今月の読み物は「世界最強だった日本陸軍 スターリンを震え上がらせた軍隊」 PHP文庫 ¥680 福井 雄三 著

オススメ度 ★★★ 是非読むべし

タイトルからして多少陸軍を買いかぶっているところもありますが、海軍善玉陸軍悪玉説に一石を投じる読み物です。 海軍はあれだけ派手に真珠湾をやって、その後はミッドウェーで大敗北をしてるのですが、確かに陸軍はこれと言った敗戦はしていない。 シンガポール侵攻は真珠湾に匹敵する戦禍だがあまり評価されていない気がしました。 ノモンハン事件は日本側の大敗北だと思っていましたが、これは半藤一利と司馬遼太郎による決めつけで、本当は日本側の大勝利で、スターリンはこれを非常に気にしていたと言うことです。

歴史にIFはないですが、太平洋戦争はしょうが無かった必然だと言うようには思っていましたが、別の選択として、あの時に日本が海軍説の南進をせずに陸軍説の北進していたら歴史は変わった、と言うのは目からウロコでした。 南進したためにスターリンは日本との不可侵条約を締結し極東軍を西部戦線に投入し、負けかかっていた戦争を盛り返し、ドイツが負けてしまい、最後はソ連の不可侵条約破棄で満州侵攻で戦争が終わったのです。

あの時に日本が北進していたら、少なくともソ連は無かったでしょう。 ロシアとして残り、原状と変わらない状態にはなったと思いますが、少なくとも冷戦は無かったと思います。

【内容紹介】
日米戦争における日本の最大の悲劇は、日本が戦争に負けたことではなく、アメリカから一方的にやられっぱなしの、あのようなぶざまな負け方をした、戦闘内容のレベルの低さだった。これがいまだに日本人の潜在意識の底に尾を引いている。──本書「序文」より

旧ソ連の秘密文書公開によって、ノモンハン事件がじつは日本陸軍がソ連軍を圧倒した勝ち戦だった事実が明らかになった今日、昭和史は大幅に書き換えられなければならない。

……スターリンは恐怖に震え上がった。じつはソ連はすでに日本に停戦を申し入れていたのだが、日本から回答がないのを見て、焦慮のあまりついにドイツに泣きついたのである。日本が「恐ソ病」にかかっていたのは事実であるが、ソ連はそれ以上に「恐日病」にかかっていた。──本書「第一章 ノモンハン」より
当時世界最強だった日本陸軍が、なぜ太平洋戦争に敗れたのか。その答えにこそ「昭和史の謎」を解く鍵がある。






今月のひとこと2017年2月号

2017-02-02 09:35:06 | Weblog




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2017年2月2日
相場格言・申酉騒ぐの酉年ののっけから、トランプ騒ぎで大揺れの証券界です。 ゼロサムの典型的な投機市場である外為市場も大揺れで、日替わりで大きく円ドルが変わります。 相場の変化は上がるにしろ下がるにしろ投機的には大歓迎ですが、サスガに最近の動きにはついて行けないようで、ミスワタナベも消極的になっているようです。

それにしても良い意味でも悪い意味でもアメリカ的で、あれだけ大騒ぎした過去の通商交渉もほとんど忘れていたのを思い出しました。 よく考えたら、過去の政権も無理難題を次々とふっかけてきましたので、それが再燃しただけと思えば、トランプ節に惑わされて、とんでもない災厄が降って湧いたと言うほどではないでしょう。

この間のTPP交渉で見たように、日本も交渉テクニック的にはそれなりに強力ですし、譲るものはほとんど無くなってましたので、粛々と交渉に臨めば良いのではないでしょうか。 西側世界で、トップ2同士ですから、それなりの摩擦もあり交渉が必要だと思います。

この中で出てきたポイントは、日本の非関税障壁です。アメリカの自動車関税は最小2.5%もあるのに、日本の関税はゼロで、しかもアメリカ車には優遇措置まであるのです。 これだけドイツ車が氾濫している日本にアメリカ車が入ってこれないのは、単にアメリカ車の出来が悪いと言うか、日本向けのものではないみたいで、フォードのCEOも問題は為替だとしか言っていません。 まあ為替の問題もあるでしょうが、ドイツ車も同じで、問題のすり替えとしか思えません。

しかし非関税障壁の最たるものは消費税だと言ったら、すぐに理解できるでしょうか?

トヨタなどの大手自動車会社は、輸出時に1000億円単位の消費税の還付を受けます。 これは一種の輸出補助金みたいなものなので、WTOのルールではいけないのですが、消費税の還付だけは例外事項として認められているようです。 問題は、双方の国が同じ消費税で、料率が同じなら問題にはならないでしょうが、アメリカのような消費税を採用していない国とでは、不公平だと言う見方が出てきます。

アメリカには消費税が無い代わりに、売上税があります。 これが最終消費者に売るときに限り1回だけ課税するもので、これも輸出の時は免税になりますが、単に免税と言うだけで還付はありません。

消費税が理屈の通りに各段階で預かり的になって、最終的に最終消費者に転嫁されると言うのであればよいのでしょうが、消費税は途中の段階では価格の一部に暗黙的に埋没してしまい、最終の還付だけが明示的に行われると言うのが問題です。 消費税は難しく判例でも価格の一部と言う判定がなされています。

いずれにしても消費税率が低い場合は、それほど問題にならないでしょうが、8%、10%となってくると問題が顕在化されてくるでしょう。 ヨーロッパは元々消費税率が高かったので、アメリカとの間での消費税交渉は厳しく行われたとのことですが、日本ではほとんど報道されていません。

TPPであまり問題にならなかったのは、多国間交渉であったためで、この辺もトランプが不利だと思っているかも知れず、2国間だと特に自動車の非課税障壁の原因に挙げられるかも知れません。 消費税にはいろいろ問題があり、アメリカが頑として受け入れず、シンプルな売上税しかないのも、それなりの理由があるのだと思います。

しかしアメリカは超大国であるためか、身勝手なものです。 未だにインチ・フィートや華氏を使い、つい最近まで特許も先願主義で無く先発明主義を取っていて、突然もの凄く基本的な特許が出てきて巨額の賠償金を請求されるようなこともありました。 消費税/売上税も同じ事だと思います。 どっちが良いとか悪いとかは思いませんが、世界統一基準に合わせて欲しいと思います。


今月の読み物は、「アメリカは日本の消費税を許さない 通貨戦争で読み解く世界経済」 (文春新書) 岩本 沙弓 著 新書¥810 Kindle版 ¥800

オススメ度 ★★☆ 隙間時間に読むべし

前述のような事をずーっと頭の片隅にあったものですから、この本がTVの番組で紹介され、ほとんど売れなかったと聞いたので、真っ先に購入しました。 やはり同じような問題意識を持っている人がいたので、あっという間に読了しました。 私が癌が得るよりもっと整理されていました。 もっとも本の後半は、自己主張というか、愚痴というか、同じ事がずっと繰り返されていたので、斜め読みしましたが、なかなか面白く、目からウロコでした。 トランプ以前( 2014/1/20)に書かれたものですが、トランプアメリカの逆襲を受けて、今だからこそ読んでみないと、いけないと思いました。

消費税、TPP、量的緩和、為替……。これらの諸問題は日米間の通商政策の歴史から見ると一つの道筋で繋がっていることが分かる。