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武術の秘伝

2016-05-01 23:49:58 | 武術、大東流合気柔術、圓功禅拳




https://www.youtube.com/playlist?list=PLKFdW6e8h_hYIaFgJ3HldO3kxHIsXiaee

2月に行われた、サンフランシスコセミナーの時の17件の映像集です。
岡本真師範がその秘伝を公開してくれております。

一般的に、武術を習う場合は、型を習ったり、チカラとスピードをつけるためのウェイトトレーニングを行ったり、習い覚えた技や型の完成度を確認するために試合をして実践力を養うことになっております。

そして、多くの場合、いやほとんどすべての場合は「試合で勝つこと」が目的になってしまうので、どうしてもチカラとスピードが主になってしまい、畢竟、若い者、体が大きい者、手足が長いものが勝つことになります。要は、いわゆるラッキーパンチが当らない限り、強い人が必ず勝つということになってしまいます。ましてや、組打ちになったら、力のないものは絶対に負けてしまいます。

もちろん、リングに上がって勝敗を決めるスポーツ化した格闘技は、まったくそれでよいわけで、若くて力強い、スピード感のある選手がわたくしたち観客を楽しませてくれるのです。

しかし、ひとたび己が稽古をする「武術」ということになった場合、若くない者、弱いものは去れということではいけません。
むしろ、「小柄な老人が屈強な大男をいとも簡単に投げ飛ばす。一見不思議としか思えない達人の技(武術、奥義の科学より引用)」というものに憧れているからこそ、永遠の少年少女である武術家はたゆまぬ稽古を積んでいるのです。

でも、単に稽古を続けるだけで本当にこのような達人になれているのでしょうか。残念ながら多くの方々は、憧れにその実力がついてゆきません。どうしても力任せの技で終ってしまっています。
私がまちがって経験してしまった米国式詠春拳もしかりです。

米国の合気道なども、「一般的にアメリカの合気道セミナーは、参加者は5着も道着を着替えなければいけないほど汗をかくのです!」とハリウッドで合気道の道場を経営する筋肉隆々のマッチョな体で自慢げに語っていました。
確かにそういう稽古法もあってよいのですが、何かピントがずれている。。。
同じ合気道でも、丸道場のレイ師範は、この矛盾に大いに気が付いていて、本来の武術の稽古を求め続けてきたのです。

そこで、岡本眞師範の登場です。
上記の動画における岡本先生の動きは、ある意味大変な秘伝といえるものです。空手や古武術、剣術の中の精華ともいえる内容です。
こういう秘伝は実は古来の型の中に含まれているものです。しかし、多くの場合その指導者も含めて、型の中に秘められている微妙な掌の使い方、軸の操作、意識の使い方などを知らないで高段者になってしまうわけです。

だから、米国の武術では、試合のトレーニングと型のトレーニングは別物で、試合のためには筋肉とスピードと持久力をつけて、型は段をとるときの必須科目として稽古をするので、型ダンスということになります。

私自身も、岡本師匠のご指摘で、圓功禅拳の動きの中に、わたくし自身が気づいていなかったとても大切な身体操作が隠されていることを気づかされ、目からうろこがぼろぼろと落ちたものです。
結果、私の指先にちょんと触れただけで、相手が吹っ飛んでしまって、「ちゃんと意味を理解して型の稽古をするということはこういうことだったのか!」といまさらながら驚かされたものです。
ま、そういう現象をいつでもどこでも起せる様になることが、わたくしの修行ということでしょう。。まだまだ道は長いですね。

岡本師匠に、「Youtubeでこんなにたくさん秘伝を公開してもいいのですか?」と尋ねたところ、「確かに秘伝ではあるのですが、これらは秘伝の基礎です。まだまだ上の秘伝があります。まずはこういうことを公開していかないと、真伝が途絶えてしまいます。きちんと公開すると、その武術をもっと昇華させる人も出てくるのです。」とのことです。

ご説もっともでございます。頭が下がります。ありがとうございました。

前述の「武術、奥義の科学」ブルーバックスには岡本眞師範の技を科学的に解析した内容が載っています。

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