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経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の心

一足早い2015年度の税収予想

2015年07月05日 | 経済
 2014年度の決算概要が公表されたことによって、2014年度決算の予想に2015年度決算の予想を積み重ねる「二段予想」をせずに済むようになった。その結果、2015年度の税収の予想は57.8兆円となり、予算を3.2兆円上回ることになる。2014年度は、補正予算からの2.2兆円の税収上ブレによって、1.6兆円の決算剰余金が発生したが、2015年度は、これを超える額となろう。

 2015年度の税収の予想の手法は、単純なものであり、2014年度の決算額を、政府経済見通しの名目成長率で伸ばし、税制要因を加減した上で、法人税だけは、証券各社の企業業績見通しの経常利益増加率を用いて、加算してある。企業業績が高まれば、配当を通じて、所得税も伸びると考えられるが、そこは省略した。数字は、下表に示したとおりである。

(表)



………
 2014年度決算概要と2015年度税収予想に従い、政府の「中長期の経済財政の試算」を上方修正したものが下図である。国の税収の上ブレに加え、7割規模の地方でも、同様の税収上ブレがあると想定し、シフトさせてある。結果は、5/15に示したときと、ほとんど変わらない。2014年度実績を踏まえるだけで、2023年度には基礎的財政収支ゼロの目標に到達し、2015年度の経済が順調なら、2021年度に早まることが分かる。

 日経によれば、政府は「試算」を見直すものの、2014年度の国の税収上ブレ2.2兆円すら反映させず、うち1兆円は特殊要因として差っ引くようである。実績を土台に名目成長率で伸ばすという明解な手法をとらず、恣意的なことをすれば、議論のベースとなる資料としての価値を下げることになる。特殊要因は注記で説明するのが筋ではないか。

 いずれにせよ、今回の2.2兆円の税収上ブレによって、財政再建目標には9.4兆円の歳出削減が必要という論拠は脆くも崩れ去った。もし、そんな歳出削減策を決定していたら、目標を上回る異様な緊縮財政になり、肝心の成長を阻害しかねないところだった。足元の税収をチェックしない財政論がどれほど虚しいか、反省すべきだろう。

(図)



………
 今後は、2014年度の決算剰余金や2015年度の税収上ブレを、秋以降の補正予算で、どう使うかが焦点となる。アベノミクスは再失速しているので、まあ、公共事業とか、TPPで農業対策とかが順当なところだろう。むろん、筆者は、いつものことで、低所得層の社会保険料の軽減に使って、還元したら良いと思う。たった1.6兆円で「130万円の壁」を撤去でき、「女性活躍」に決定的な影響があり、社会を変えることになるんだがね。


(昨日の日経)
 東芝の不適切会計1500億円超も。税収剰余金1.6兆円どう使う。基礎収支の赤字額縮小へ、上振れ2.2兆円のうち1.2兆円に限定。中国株、弱気に雪崩。住宅を水素工場に。

(今日の日経)
 国際協力銀の高リスク投融資解禁。中国が株価下支えに2.4兆円。
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