経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

2014年度税収上ブレ2.2兆円

2015年06月26日 | 経済
 今日の日経は、国の決算概要の早打ち。たぶん、税収上ブレが2.2兆円(前年度1.6兆円)、税外収入が0.6兆円(同0.6兆円)、不要が1.4兆円(同1.7兆円)で、合計4.2兆円(同3.9兆円)だろう。その半分の2.1兆円は公債金の減額に充てるのがお約束だ。残る半分の2.1兆円のうち、0.6兆円程は地方交付税になるので、あと1.5兆円をどう使うかになる。

 結局、2014年度は、8.1兆円の消費増税をしただけでなく、当初予算から3.9兆円も上ブレさせたことになる。地方税の上ブレは、その7掛けの2.7兆円程だろうから、日本経済に一気に14.7兆円ものブレーキをかけたことになる。経済成長率が-0.9%に転落したのは当然としても、よくぞ崩壊しなかったものだ。危ない橋を渡ったという感覚がないところが、危ういんだけどね。

 これで、「緊縮財政の愚行を雪ぐ道」(5/17)で示した図の緑線は、ほぼ確定した。この時の試算は、国の税収を1.9兆円上ブレと置いていたので、今回の報道に基づく修正は、GDP比を0.1だけ上にシフトさせれば良いだけである。2018年度の基礎的財政収支GDP比-1%という中間目標は、追加の歳出削減策なしに、税収上ブレだけで達成できることになる。

 まあ、そんな先のことより、問題は足元だ。4-6月期GDPはマイナス成長の公算が高い。これは今日から来週始めにかけての5月の経済指標の公表で明らかになってくる。税収上ブレの分け前を、少しは国民に還元してやったらどうかと思うよ。特に、2014年に出生率を落としてしまった若い世代にね。この国が次世代より財政を大事にしているのでないならば。


(今日の日経)
 TPP関税撤廃95%超。税収上振れ2.2兆円。経済教室・医療は量から質に・渋谷健司

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 6/25の日経 | トップ | アベノミクス・4-6月期消費は... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

経済」カテゴリの最新記事