ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(フィクストインカムの専門家)

「証券会社が売りたがらない米国債を買え」ダイヤモンド社刊
電子版も販売中

トランプ弾劾はあるか

2017年05月19日 | トランプのアメリカ

「トランプは弾劾されるの?」
「弾劾されたらアメリカはどうなるの?」


という難しい質問が何人かの友人たちから寄せられました。タイムリーな質問なので、今回はそれに対する私の見方を書くことにします。


  トランプの支持率を毎日フォローしているいくつかのサイトがあります。例えば世論調査では老舗で信用のあるギャラップ社や、多くの調査のおまとめサイトで、ギャラップ社の結果も含むリアル・クリアー・ポリティックスなどです。


Gallup社;http://www.gallup.com/poll/201617/gallup-daily-trump-job-approval.aspx


Real Clear Politics社;http://www.realclearpolitics.com/epolls/other/president_trump_job_approval-6179.html


  それらのサイトでのトランプの支持率がこのところのトランプを巡る混乱発生と同時に大きく低下しています。多くの調査で支持率は30%台に突入しました。日本の首相は3割台になると危険水域だと言われます。はたしてトランプはどうか。


   今回の弾劾騒ぎの直接の原因は大統領選の最中のロシアによる選挙介入疑惑で、キャンペーン最中に大統領の関与があったか否かです。しかしその後FBIによるマイケル・フリン元補佐官への調査が進む過程で、トランプが最近解任されたFBI元長官コミーに対し「追求から手を引け」と逆襲した疑惑が持ち上がりました。コミー氏の面談メモがそれを示していました。議会はまもなく彼を証人喚問します。


  最近に至ってもロシア疑惑への追及の手を緩めないコミー氏を大統領は10日ほど前に解任しました。それが逆に大統領による司法への不当介入だという疑惑も生じ、これには共和党内からも非難の声があがっています。解任劇がニクソン元大統領による特別検察官の解任と重ねあわされ、ウォーターゲートならぬロシアンゲートだとマスコミの追及も一段と厳しさを増しています。

  とまあ、サイコパスの特徴の一つである異常人格ぶりをいかんなく発揮しているかわいいトランプちゃん、ここでもまた自己弁護=墓穴堀りを連発しています。


墓穴その1.司直の手が迫ると解任し、ヤバイことを自ら認める


墓穴その2.「解任は自分の判断だし、就任前から考えていたことだ」と声明を出し、「解任は司法長官のすすめだ」という補佐官や副大統領の説明を完全否定
司法省は急きょ作成した「解任のおすすめ」文書をソデにされ、怒り狂い、「その文書は大統領に要求されて出した」と、自らの意志でないことを内部告発しています。


墓穴その3.「オレ様ほどマスコミからひどい扱いを受けている大統領ないない。歴史上最悪の扱いだ」と演説などでブチまくった。その言葉自体、自分が史上最悪の大統領であることを認めていることになるのをわかっていない(笑)


  とまあ、相変わらず墓穴を毎日掘ってどんどん深くしているのですが、ではいったい弾劾される可能性はあるのでしょうか。


  こんなニュースが流れています。昨日のロイターによると、PredictItという賭けサイトでは17年中の弾劾確率が3割程度となり、ロンドンのブックメーカーでは早期辞任を56%の高率だと報道しています。

  では弾劾とはどういうプロセスを経るのでしょうか。これも最近のロイター記事から引用します。

<米国大統領弾劾のプロセス>

「米下院」(議席数435:共和党238、民主党193)

1)下院議員あるいは特別検査官の助言などで下院が弾劾を発議
2)司法委員会、議事運営委員会が訴因調査を決議
3)司法委員会が調査、過半数の指示で弾劾勧告
4)下院全体で協議後、過半数(218議席)の賛成獲得で訴追が決定し、上院へ

「米上院」(議席数100:共和党52、民主党48)

1)上院で審理開始。最高裁長官が裁判長、上院議員は陪審員、下院調査担当者が検事役、ホワイトハウス法律顧問が弁護士役となる
2)公聴会を開催後、上院全体で審議
3)上院の3分の2(67議席)による賛成で大統領は罷免される


   以上を簡単に要約すれば、下院の過半数と上院の3分の2の賛成が必要だということになります。


  私自身は、弾劾は長期にわたる大変なプロセスだし、決定的証拠をロシア側に頼ることにもなるため、かなり難しいと思っています。


  しかし彼にはもう一つ、アキレス腱があります。それは「自分から投げ出す」というやりかたです。

  トランプが就任してしばらくして私は、脳科学者中野信子氏による「トランプはサイコパスである」という文芸春秋の記事を紹介しました。彼女の結論が「飽きて投げ出す」でした。


  まずサイコパスに関する一般的説明を復習します。サイコパスとは、

「一般的に正常とされている人格から逸脱しており、その人格が原因で自分自身や社会を悩ませる人と考えられています。具体的には、他人に対して冷淡、共感することができない、良心を失い罪悪感が全くない、自分の行動に対して責任を持つことができない、嘘をつくことが当たり前、非常に自己中心的、口が達者で表面だけで見ると魅力的に感じられるなどといった特徴があります。」

  彼は100%該当します。


  そして中野氏の指摘を引用しますと、サイコパスならではの弱点とは以下の2点だと述べています。


1. エサを与えれば人心をつかめると信じていること
人は彼の与えるエサだけでコントロールできるものではなく、裏切る可能性があるが、サイコパスにはそれが理解できない


2. 飽きて投げ出す
サイコパスには飽きっぽい人が多く、利害のみが物事の判断基準となっているため、長期的人間関係を築くことができない。大統領職が自分の価値を発揮できないとみれば、躊躇なく辞任する

   私も中野氏の投げ出し説に賛成します。


  弾劾にしろ投げ出すにしろ、早いにこしたことはない。それが世のため人のため!

   トランプが辞任したらアメリカはどうなるのかについては、次の機会に。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 大丈夫か日本財政17年版 そ... | トップ | 大丈夫か日本財政17年版 そ... »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。