経営者のための徒然草

企業経営者や社会のリーダー的立場にある人は、その心言行が大きな影響力を持っています。その質について考えます。

経営における「勇」について

2008-11-14 09:53:46 | Weblog
経営における「勇」について

                        中小企業診断士 馬島惟安

 「勇」とは、気力であり、精神的な強さであり、行動を踏み出す決断力であると考えます。また、新渡戸博士著「武士道」にあるように「勇とは義(ただ)しき事をなすことなり」であります。以前にこの欄に書きましたように、私は経営者が身に付けるべき徳目は「信・義・知・仁・勇」であると考えています。

 「信義」は守るべき基本理念であり、「知仁勇」はリーダーとしての行動指針となるものです。知・仁・勇の順序は優先順位ではなく、一体のものであり、それぞれが不可欠のものです。知仁勇は知情意でもあり、知は頭脳であり、仁は心であり、勇は腹であります。教育においては、知育・徳育・体育といい、「勇」気を鍛えるためには身体を鍛錬することが効果的なのでしょうが、真の勇気は強い信念から湧き上がるものと考えます。

 勇気ある人とは、どのような人なのか。最近では、メジャーリーグで活躍し、7月に引退を表明した「野茂英雄」投手がその勇気ある行動を称えられています。野茂が米国メジャーリーグに挑戦するまでは、メジャーの選手が日本に来ることはあっても、日本の選手がメジャーで通用するとは考えられない時代でありました。彼が道を開いたことによって、イチロー・松井・松坂のメジャーでの活躍が実現したのです。

 経済界では、『クロネコ宅急便』サービスの生みの親であるヤマト運輸元社長の小倉昌男氏こそ勇気ある経営者のトップに挙げたいと思います。一大イノベーションともいうべき宅急便システムを創り上げたのは、小倉社長の冷徹な洞察力・論理的思考力のなせる業でありますが、実現に至るまでの氏の勇気ある行動力こそ真の原動力と考えられます。宅配便の規制緩和を巡り、旧運輸省(国土交通省)、旧郵政省(日本郵政グループ)と対立し、1民間人として後に引かず、それを克服した勇気は敬服に値します。

 野茂選手や小倉社長に共通するものは、高い仕事能力を身に備えるとともに、志を高く持ち、困難な状況に対して勇敢な行動力を発揮できることです。
 経営とはリーダーシップであり、行動です。経営者として、経営理念を説き、経営計画を示し、率先垂範することは重要です。同時に、決断するべきときに逃げることなく、勇気ある一歩を踏み出す意志力こそ勝敗を決めるものです。頭で考え、心で分かり、口に出していても、実行する勇気が伴って初めて新しい道が開け、イノベーションを実現できると考えます。言うは易く、行うは難で、知行合一はそれ程簡単なことではないのですが、一方で案ずるより産むが易で、勇気ある一歩を踏み出せるかどうかにかかっているのです。
                                  以上
ジャンル:
経済
キーワード
メジャーリーグ 日本郵政グループ 国土交通省 ヤマト運輸 中小企業診断士
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