ときどき競馬新報

競馬ニュースとコメント

古豪安泰・南部杯

2016-10-11 11:32:04 | ニュース

10日月曜日に行われた秋のダートマイル王決定戦、第29回マイルチャンピオンシップ南部杯は、今春のGⅠ連勝で息を吹き返した6歳馬コパノリッキーが、このレースを連覇中の5歳・ベストウォーリアと人気を分ける中、1.8倍の人気に応える横綱相撲で、1:33.5という日本競馬史上第二位のタイムでコースレコード樹立のおまけもついてきた勝利により、通算8度目のGⅠ制覇を果たした。

 

稍重馬場とはいえ、このタイムは驚くべきものがある。

盛岡に来ると父ゴールドアリュールのスピード能力をそのままに体現するコパノリッキーという稀有な才能。

当地で2度目の大レコード更新。

また、金字塔たる「1:33.3」の伝説は、今年のビッグタイトル2戦を見る限り、永遠なるものではなくなった印象も受けた。

 

田辺騎手にとっても、同日に中央の開催があるという、南部杯特有の番組構成の影響で、昨年来手綱を任せられている武豊騎手がキタサンブラックに騎乗する日とバッティングしてしまったため、オーナーサイドの意向もあり、久々の騎乗機会を得て、大きな1勝を挙げることになった。

「2年ぶりにこの馬に乗りましたが、成長していて折り合いの苦労はなく、いつでも追い出せる感じでした」

 

以下、ベストウォーリア、ホッコータルマエ、アスカノロマン、レーザーバレットの順に入線し、極めて順当な力勝負でレースは決した。

 

今のダート路線で、武豊騎手の手駒は豊富。

日本TV盃快勝のアウォーディーも、弟ラニもいる。

完成した古馬ならば、手を戻してもいいのではないのか。

この次の手を考えた上での乗り替わりだったように感じる。さて、ユタカは誰を選ぶのか。

 

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海外初戦を快勝・ニエル賞

2016-09-12 11:16:09 | ニュース

ここまで日本ダービー優勝など、海外戦未経験ながら、5戦4勝と圧倒的な実績を買われて断然人気に推されたマカヒキが、日本時間11日午後10時発走予定から30分早く行われたニエル賞に出走し、GⅢ馬ミッドタームがライバルという極めて勝機濃厚の一戦を、中団から直線は外に持ち出し、最後は余力十分の反応で前を捉えきり、日本調教馬としては13年のキズナ以来2頭目となる、同レース優勝を決めた。

 

しかし、今年はこのクラスでは人気にすらならない可能性がある。

現欧州古馬チャンピオン・ポストポンドをはじめ、地元の3歳も日本馬同様ハイレベルで、アイリッシュチャンピオンSを前日制したダービー馬アルマンゾルに、恐らく、本番では中心視されることになるだろう無敗のオークス馬ラクレソニエールらが、日本のホースマンの夢を今年も阻む存在として、大きな壁となる。

 

日本馬の決め手は、オルフェーヴルの衝撃的な斜行や大外追撃のハープスターなど、屈辱的な結果ながら、大いにアピールされてきた。

 

突然、好位付けの形をとらざるをえなくなった父の凱旋門賞参戦の際は、ライバルのシロッコも先行して、前に行った組は総崩れという結果。

エルコンドルパサーも、相手のラビットを制して、道悪に可能性を求めて果敢に先手を奪うも、力及ばず2着。

少頭数の時にも逃げ切りなどまず決まらない欧州最高峰のレースに向け、シャンティイの馬場を、現地の競馬を馬が知ることの意味が、今回の参戦の意義だとすれば、自分が先行勢をマークする位置を取りに行く準備として、最高の価値を見出すに相応しい練習となったのではないだろうか。

これで馬が掛かる心配はない。

  


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メジャーエンブレムは秋全休

2016-08-16 13:31:32 | ニュース

NHKマイルCを優勝後、左トモの半腱半膜様筋を傷めたために経過観察中だったメジャーエンブレムに関し、ノーザンファームの吉田勝己代表は、

「秋華賞には間に合いません。年内の復帰も厳しいと思います」

と語り、今後の予定は全くの白紙であると明らかにした。

 

メジャーエンブレムは引き続き、ノーザンファーム天栄で放牧される。

桜花賞4着敗退後、自身初である中3週の競馬となるNHKマイルCに挑戦するというプランが浮上し、参戦して勝利したことで雲散霧消になってしまったが、そこまで守ってきた余裕あるローテーションのルールを破っての出走には、ファンも色々なことを考えたわけで、好結果だったとはいえ、反動の心配は少なからず燻ぶっていた。

 

桜花賞馬のジュエラーも春後半から初夏にかけては、レースに使える状態になかったから、もう1か月後に迫ったローズSに無事出てきてくれることを願いたいものだが、この再戦先延ばしの報に接し、残念ながら嫌な流れができつつある。

 

オークス馬のシンハライトが常に自分の持っている能力を安定して繰り出せるのに対し、母系にもう少し重い血の入ったマイルタイトルホルダー2頭は、競馬の内容にいつもリスクが付き纏う弱点も持ち合わせている。

2歳女王は速すぎて、ジュエラーはちょっと後方からの追走に慣れ過ぎてしまった影響が、騎手心理をより硬直化させてしまったようにも映る。

 

日本競馬は全体の時計が速く、特に、秋華賞は近年強烈なレコードが頻発している状況からも、マイルで速く走れる能力を示してしまった2つの才能には、まだ苦しい戦いが続く可能性を暗示するかのようなニュースである。

 

 


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職人あり

2016-07-20 16:04:03 | ニュース

緑の上着にプロテクターを纏い、黄色いヘルメットとズボンに、ちょっとくらい踏まれても大丈夫な安全靴を着用し、円滑なスタート業務を進行するのが、JRAの整馬係である。

福永騎手は語る。

「厩務員さんが引っ張ってもなかなか入らない馬でも、整馬の人にいいタイミングで引っ張ってもらうことでスッと入ることがあります」

 

開催日には12R行われるレースのスタートを取り仕切るこの仕事。

責任と危険が同居する非常にタフな役割を担っているから、こういうプロフェッショナルに対する競馬の主役たちの評価は、即ち、全体の質を反映する物差しともなる。

トップジョッキーの言葉には、説得力がある。推して知るべしだ。

 

ただ、この整馬係はゲート入りのサポート以外にも、放馬・故障・枠入り後の飛び出し・外枠発走等への馬場入り後のアクシデントへの対応を始め、発走4、5分前にはゲートのある地点への集合の合図や蹄鉄の打ち替えを除く馬装整備などなど、馬がコース上にいるときは現場責任者となる。

 

「馬取り扱い者として、整馬はやりがいのある仕事です」

思い入れのある馬と一緒にいるわけでもない整馬の仕事というのは、厩務員の持つスキルとは全く違う質のものが求められる。

美浦トレセンで朝の調教やゲート練習、その試験に立ち会う仕事をしているこの道20年のベテラン・岸俊光さんは、最後のゲート入りに携わるトレセン常駐の担当者。

馬の癖は大概把握しているから、それぞれに合わせた誘導も可能になるというわけだ。

 

負債の埋め合わせに馬を殺す生産者もいれば、レースの根幹を支える裏方の仕事人もいるこの世界。

馬と真摯に向き合わなければ、誰も幸せにはなれない。

 

 


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宝塚記念を復帰目標に

2016-06-08 14:35:47 | ニュース

4日の東京競馬で、ゲートを潜って放馬した際のブチコの動きによって、左第2中足骨骨折を負ったとされるクリストフ・ルメール騎手が、翌5日の騎乗を全てキャンセルしたのに引き続き、今週末の騎乗も取りやめることが、6日に判明した。

 

「(復帰までは)そんなに長くかからないと思っています」

本人談ではあるが、数か月の療養を要することも多い騎手の怪我としては、幸いなことに大きなものではなかったようだが、無理はできない。

といっても、まだGⅠシーズンは完全に終わったわけではないから、完治は待てない。

関節などの動きが複雑で替えの利かない部位の怪我ではないので、ある程度の無理は利くのだろうが。

ひとまず、26日の宝塚記念でラブリーデイに騎乗することが、第一目標となる。

 

日本で腰を据えて騎乗しようと思った後、京都で落馬事故に遭い、それを幸いとして、試験勉強に集中できた経緯がある。

ルメール騎手は、デムーロ騎手と齢がほとんど同じということもあって、否応なしに比較の対象とされてきた。

ダービーを既に勝っていたのと、昨年が日本ダービー初騎乗であったという差。

主役候補にお互い、今年も騎乗できて、両者とも掲示板に載ることにはなったが、結果の差はあまりにも大きく出てしまった。

 

ゴールの瞬間、川田騎手に祝福の言葉を誰よりも早く伝えたのだけれども、馬を下りてから、ずっと悔しい思いをしていたルメール騎手。

ミルコはよくあるけど、今週のクリストフはどうも元気がなかったなあ。

人馬とも、気落ちした中で…。

夏休みを取ることをお勧めしたい。

これから10数年の騎手生活の中で、今が最もタフな時期であるからだ。

 

 


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勇気をくれた敗戦

2016-05-09 22:38:14 | ニュース

「難しい環境の中で人馬ベストを尽くせたと思います。とにかく、他の馬のペースが速かった」

「直前の雨で馬場が悪くなってしまったのは残念」

武豊騎手、松永幹夫調教師、それぞれに思いはある。

端的に、それでも感情的にならず、冷静な分析をできた彼らの言葉に、経験をしている者の余裕を感じさせる。

 

敗者は敗者なりに、己の無力さと言葉には表しにくい後悔を噛み締めながら、また来たいと思うことが大切なのだ。

 

第142回ケンタッキーダービーは、現地時間の7日夕刻、日本時間の8日朝に行われ、ここまで7戦7勝、昨秋BCジュヴェナイル覇者ナイクィストが、好位抜け出しの万全の形で後続の追撃を封じ、ビッグブラウン以来8頭目となる無敗のダービー馬となった。

2:01.31の勝ち時計。

 

例によって、後方からの競馬となったラニは、途中から仕掛けて上がっていこうとするものの、騎手のコメントにもあったように、簡単に差を詰めることはできず、最後は大外から追い込むも20頭立ての9着が精一杯だった。

 

騎手、調教師とも、アメリカの競馬には口惜しい思いをさせられたという記憶ばかりが、傍から見ている人間からすると印象強く残っているのだが、馬に対する自信なのか、前田オーナーからも満足そうなコメントが聞かれた。

「ラニ本来のレースをしたので悔いはないです」

 

陣営の誇らしげな佇まいが、1万キロ離れた日本でもはっきり認識できるようになったことが、真の意味での、競馬先進国入りを実感できた出来事として、ずっと記憶されるのであろう。

あとは、結果だけだ。

 

 

 

 


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誰にしましょう

2016-04-21 09:28:58 | ニュース

「参ったな。馬の具合がいいから余計に参った」

特段、この人だというようなパートナーとは、未だ出会っていないようにも思えるフィエロだが、藤原調教師は、どうも今まで以上の手応えを、彼から感じ取ったようだ。

 

昨秋のスワンSから、新たに鞍上にミルコ・デムーロ騎手を迎えたものの、結果だけみれば、3戦未勝利。

2年前の春の阪神で行われた六甲Sで3連勝を決め、通算5勝目を挙げた後は、【0424】という歯痒い戦績であるから、今度こその勝機に、陣営が勝負気配を匂わせるのは当然のことだろう。

 

が、イケると思ったときに限って、予定通りにいかないのがこの手の勝ち運のない者の宿命なのかもしれない。

それにデムーロだって、天皇賞にも乗れなくなってしまった。

場合によっては、これでフィエロへの騎乗機会も失われてしまうかもしれない。

 

勝負の世界。流れを掴むか掴み損ねるかは、本当に紙一重のところ。

勝てると思っていた馬で丁寧に乗り過ぎて、全部惜敗に終わったルメール騎手のようなこともある。

 

「前が詰まらなければ、そこそこのところまでイケた」

香港マイルでは、安田記念同様、2度挑んで共に着外に終わっているが、どんな展開でも3着以内に入ってくる京都では、沙田以上の結果を必ず残せるという自信。

 

メジャーエンブレムはこれまでのリズムを崩して、中3週でNHKマイルCへ向かうと決めた。

一方、なかなか勝てない馬には、得意な条件の中で変化を与えることが特効薬となる場合もある。

マイラーズCの本命馬・フィエロ。サウンズオブアースの手戻りもう決まったのだが…。

 


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ダンスディレクターも

2016-03-24 10:16:58 | ニュース

変則開催の月曜日には、高松宮記念連覇に向け来日していたエアロヴェロシティが、競馬学校で疝痛を発症し、千葉県から出ることなくお帰りになるという残念なニュースが伝えられていた。

 

別に、そういうことはよくあるので、仕方ないと思っていたのだが…。

23日。今度は、シルクロードS楽勝で、レースのキーホースとして名乗りを上げていたダンスディレクターの出走回避が、陣営から発表された。

この2頭の争いがなくなるというのでは、ちょっと盛り下がってしまう。

 

笹田調教師の話では、朝の調教で左前脚の歩様に違和感が見られたため、無理に使うべきではないと判断したとのこと。

エアロヴェロシティ同様、直前のアクシデントとなれば、大一番ということもあって、慎重にならざるを得ない。

賢明な判断であり、素晴らしい決断なのは言うまでもないのだが、返す返すも寂しいニュースをまたしても見聞きすることになってしまった。

 

浜中騎手の怪我の影響で、ダンスディレクターには横山典弘騎手が跨る予定であったが、同馬の回避により、除外対象だったブラヴィッシモの繰り上がりでの出走が可能となり、そちらとのコンビでレースを盛り上げる一員に加わることが決定。

名手が2人欠員となる最悪の事態は、どうやら回避されそうだ。

 

スノードラゴンの復帰もあり、かなりメンバーの質が上がった高松宮記念。

ミッキーアイル、ビッグアーサー、アルビアーノetc…。

一度は狙うのを諦めた馬は多い。楽しみが、むしろ増えたのかもしれない。

 

 


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防衛か逆襲か

2016-02-25 10:29:34 | ニュース

一般のマスコミまでを巻き込んだ菜七子フィーバーが、競馬のひな祭りならば、2週連続中山で行われる豪華メンバーの集う超GⅡ戦は、前週のフェブラリーSから続く世界へ発信したい新春競馬情報であろう。

 

前週までは、どうなんだろう?というような陣営の弱気の声が聞こえてきたドゥラメンテ。

「動きは良かった」

現状、彼に跨ることのできる唯一のパートナーであるM.デムーロ騎手が、こちらも復活の待たれるゴールデンバローズとの併せ馬で掴んだ手応え。

終い勝負で、稽古ではあるが、実戦さながらの叩き合いでの先着だったから、鞍上も安心したのかもしれない。

 

栗東の坂路コースを、タイセイファントムとと共に駆け上がってきたリアルスティール。

「いくらか太いが、馬体は完成形に近づいてきたし、楽しみ」

福永騎手には、少し長めに充電期間を取ったパートナーが、いや、自分と同じくらいの休養と再鍛錬の時間を与えられた相棒が、2kg分の斤量利以上の成長したことによるストロングポイントを得たという感触があったのだろう。

ラストだけ追われた中での終い11.9秒、3馬身先着のデモンストレーション。

 

実戦での勝負勘は、トリッキーコースでは必須とのデータ。

過去20年で、4か月以前のレースから直接ここに出てきた馬で、かつ連対した3頭は、既にGⅠを勝っていたか、直後のGⅠを勝つ馬だった。

季節柄、休み明けの馬は多くなるが、持っている才能次第という点は見逃せない。

穴党の出番は、ちょっと望み薄だろう。

  


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新記録なる

2016-01-28 14:40:00 | ニュース

ホッコータルマエ、川崎記念制覇で5年連続GⅠ勝利を達成。

才能が一気に開花した4歳春シーズンにかしわ記念、帝王賞を2、3番人気でそれぞれ勝利して以来の地方戦・非1番人気での勝利。

三連覇には、有力なライバルが必要なのかもしれない。

ただ、馬の三年間は、夏・冬どちらかのオリンピック3開催分よりも長い時間とされる。素晴らしい。

 

一時期よりスパートのタイミングが遅くなったことで、長距離戦での安定感が増したのは間違いないだろうが、前に何頭か置いて、後ろにいるこの日のライバル・サウンドトゥルーよりは、川崎競馬場ならば、うまく立ち回れるだろうことを見越したゴーサインの出し方で、記念すべき未踏のGⅠ10勝目を達成できたとも言えなくはない。

 

GⅠで負けた数も前回の東京大賞典で10。

そんな馬は、日本競馬史上何十頭と存在するわけだが、同時達成はもう2度と見られないのかもしれない。

人馬の絆こそが、この偉大なる記録の最大の根拠となったことの証明として、サウンドトゥルーが絶頂期に入ったこの時期に川崎記念を勝てた、反転攻勢へと繋がったことも、また名馬物語のクライマックスに相応しいプロットとなったのである。

 

敗れはしたが、ついにGⅠ1番人気馬にまで上り詰めた6歳騸馬・サウンドトゥルーの実力を、安易に勝ち馬と同等との評価するのは、理論上は正しいかもしれないが、今回それをすべきではないだろう。

頭の差。

人気を背負うということの意味を、帝王たるホッコータルマエが後輩に実戦の中で伝えようとしているように感じた。

 

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