担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

位相空間論の代数。

2016-11-12 00:00:08 | mathematics
位相空間論の基本的な事柄として,閉包写像と開核写像と呼ばれる概念がある。関数解析の入門書を読み返しているのだが,久々に位相のことを思い出しつつあるので,ここにまとめておく。

集合 X のべき集合を P(X) とおく。P(X) から P(X) への写像として,次のような性質をもった三種類の写像を考える。
なお,M, N は X の任意の部分集合とする。

写像 a:

(a1) M⊂a(M).
(a2) a(a(M))=M.
(a3) M⊂N ならば a(M)⊂a(N).

写像 i:

(i1) i(M)⊂M.
(i2) i(i(M))=M.
(i3) M⊂N ならば i(M)⊂i(N).

写像 c:

(c1) c(c(M))=M.
(c2) M⊂N ならば c(N)⊂c(M).

さらに,写像 a, i, および c の間に次の性質も課す。

(b1) i(c(a(M))=c(a(M)).
(b2) a(c(i(M))=c(i(M)).

ところで,かっこが増えると見づらくなるので,x(y(M))=xyM のように略記することにする。

集合 aM は集合 M を含む最小の閉集合のことで,M の閉包と呼ばれるものである。
集合 iM は集合 M に含まれる最大の開集合のことで,M の開核と呼ばれるものである。
集合 cM は集合 M の補集合である。

位相空間論のテキストを参照しながら上の公理を列挙したわけではないので,見落としがあるかもしれない。
この時点で気になることとしては,a と c を用いて,公理 (i1) から (i3) を満たすような写像 i を定義できるか,といったことであるが,とりあえず,

icM=caM

が成り立つことを示そう。


(a1) により,M⊂aM.

(c2) により,caM⊂cM.

(i1) により,icaM⊂icM.

ところが,(b1) により icaM=caM であるから,

caM⊂icM.


また,

(i1) により,icM⊂cM.

(c2) により,ccM⊂cicM.

ところが,(c1) により ccM=M であるから,M⊂cicM.

(a1) により,aM⊂acicM.

ところが,(b2) により acicM=cicM であるから,aM⊂cicM.

(c2) により,ccicM⊂caM.

再び (c1) により ccicM=icM であるから,

icM⊂caM.

以上により,icM=caM が成り立つことが示された。


ちなみに,この M を cN とおくと,(c1) により iN=cacN が得られる。

つまり,開核作用素 i は閉包作用素 a と補集合をとる操作 c とを組み合わせて書き表すことができるわけである。

あるいは逆に icM=caM の両辺に c を作用させることにより,aM=cicM が得られる。つまり a は i と c とで表せるわけである。

写像 a を一つ定めたら,写像 i が一意的に定まるのか,など,いろいろ気になることが出てくるが,iN=cacN の両辺に c を作用させて

ciN=acN

という,先に示した icM=caM と双対的な等式が得られることだけ指摘して,本稿の結びとする。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« Gordanの二者択一定理。 | トップ | 11月の雪景色。 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。