Kei's Page

 
 世の中のニュースへの意見や、サムライの仕事はどういうものかなど、自分の興味あるものについて書いてるよん。

 法の適用、

2017-02-02 |  サムライの業務について

 2月、さすがに寒い。
 それでも北海道のマイナス20度とかに比べればまだ全然いいものだが、やはり寒い・・。

 今回はひさしぶりのブログ投稿ではあるけど、1月はこれまたてんやわんなまま終わってしまった。
 いろいろあって何をしてたか、自分でも思い出せんくらいでもあるけど、特に後半はいろいろ大変だった。
 そうこうしてる月末も一気に電話があり、2月上旬で訪問するアポが数件入ったり。
 ひさしぶりの会社とか紹介で話をもらった会社とかからの連絡でありがたくもあるけど、ホッとする間もなく2月・・。

 ・・ある会社の「労使トラブル」の話を聞いた。

 これまた紹介で俺に連絡があり、そこの社長の話を聞くと、その時点ですでにちょいモメてる状態であった。

 「解雇」に関することではあるんだけど、まあ、状況としては、会社側としてもその従業員を邪険にして一方的に対応してるわけでもない。
 ちょっとその女性の従業員がヒステリックになってたり、おそらくその背後で(笑)誰か吹き込んでるのか、法的なことやら労基署うんぬんなんてなことも言ってるそう。

 俺はまだそこの社長からしか話は聞いてないんだけど、その従業員がその職種、職場で非常識なかんじでやってるらしく、また、取引先からもクレームがすでにあったそう。
 社長も「それが改善できんのならやめてもらわなあかんなあ、解雇ってなるで」と言うと、その従業員が「解雇なんですねっ?」ときたらしく。

 で、さらにそんな法的なことやらをその後言ってくるようになった、と。

 その社長もちょい軽はずみでその「解雇」という‟ワード”を使ったことを後悔もしてたり、また、始末書をとるでもなく「指導してる」流れでそう口走ってしまったがために、その従業員から揚げ足をとられるようにそこだけ突いてこられ困ってる。
 それでも、「解雇ってのも、実際会社の事業に支障をきたしてるから、改善されなければ、だ」ということでフォローの意味もあって従業員にも説明はするも、その従業員もその時は聞いてはいるものの意固地になってて「解雇された、不当だ、しかるべき対応を」となってるようで。

 やれやれ、だ。

 ほんで、後日、郵送で、「労基法第何条の~」とかってことも書いてきつつ、解雇の予告手当を申請する、と、その振込先の口座まで書いてきた書面を送ってきた、と。「即時振込」とさらに添えて。

 まず、その人個人として、まっとうに働く義務、モラルを守っての正当な主張、権利の行使なのか、ってのがひとつ。
 その社長とのやりとりからこじれたことはあれど、すでに取引先からも苦情が来てる以上、そら、会社にとっても損害うんぬんやら信用失墜やらも関わる、で、周りの従業員へもマイナスの影響もあるわけで、そんな従業員を雇ってることで支障あるならその従業員への処遇も会社としては当然考えなあかんわけで。
 その会社は人数も少なく規則などもない、でも、それでも、法律以前に、常識的に考えて雇うのが厳しい状態になれば、雇用主として対応はせなあかんようにもなる。
 それが懲戒というコトバを使おうと使うまいと、現実として「解雇せざるをえん」、それも「改善の見込みもなく、本人も働き続ける意思もない」となればなおさらでもある。
 規則がないからとそういう「モンスター従業員」の雇用まで保護せなあかんことはないわけで。

 ふたつ、社長は、解雇らしき表現を出しはしたものの、人数も多くない会社で、ひとりひとりの従業員に頼ってもいるわけで、そんな、従業員を粗末に扱ってるわけでもなさそう。
 「おまえなんかおらんでも代わりはおんねん」みたいに言ってるならまだしも、「改善して、これまでどおり普通に働いてくれ」という意思はある。そして、本人にはそう打診する意味でも社長から伝えてる。そして従業員本人もそれを直接聞いている。

 みっつ、その従業員がよこしてきた書面、法律の条文なんかも出してきたようだが、俺もそんな話を聞いて「労基法の20条って、なんや?」というかんじで(笑)、条文を見てみると解雇予告手当のことだった。
 それを、「(その従業員から)申請します」と書いてきてるんだが、予告手当は従業員から申請するもんでもなかろう。
 解雇する場合に会社が守らなあかんというきまりなだけであり、従業員個人からの申請がなかろうと会社は出さなあかんよ、ってもんだ。
 そんな「法の適用や解釈」がズレてる内容でもあった。
 それはひとつの例で、他にも条文から引っ張ったことをあれこれ書いてて、それを具体的にはここでは書けないけど(笑)、話を聞いてるかぎりではその書面の内容は、もっと言えば稚拙でもあり、第何条~とか、労基署、法的うんぬん、というコトバを使って会社側にプレッシャーをかけてきてる(つもり)ような書き方でもある。
 それが「労働者の権利だ」として主張してきてるんかもしれんけど、経緯も、また、その書面の内容もズレてるから哀れでもある。
 その書面は他にも突っ込みどころ満載なんだが、なんにせよ労基法やら労基署やらというコトバを出して、要は、自分は働く意思がない、それを「解雇」という言葉尻をクローズアップしてそこだけを突いてきたい、で、法でそう決められてるから、あとは、もらえるもんもらってやめたい、タダではやめない、というような、姑息なような印象もうかがえる。

 労働者は守られるべき・・、それはそうだ。
 しかし、どんな状況でも、ってわけでもない。
 会社としても「解雇する権利」あるし、すでにその従業員についてクレームが他からきてる状態で放置もできんし、その従業員が改善できんなら会社としても雇い続けられるわけもない。
 で、従業員本人は改善する意思がないのはもとより、もう働き続ける意思もないとうかがえる。
 そこをトンチンカンな、自分に都合のいい「法の解釈」をして訴えてても説得力も効果もない。
 でも、そういう従業員はそこに気付かない。
 そこが哀れでもありみじめでもある。
 本人はいたってまじめに、ホンキでそう訴えてきてるんだから。
 そういう人は法律でも労基署でも守れません、となる。

 それでそういう従業員の意図がうかがえるようなかんじなら、もはや、会社の問題ではなく「その従業員が働きたくないから」とも受け取れる。
 俺が社労士として会社側についてるから、とかではなく、客観的に見ても、だ。
 社長が話すことがすべてで鵜呑みにしてるわけでなくても、そういう状況や経緯でさらに正当性をもって反論できる材料がその従業員にあるのか。
 「義務」をまっとうしてての「権利」でもあり、その自分の義務をまっとうしてきて正当に権利を主張して訴えてきてるのか。
 従業員個人が働きたいのに理不尽に解雇されたってなれば、不当解雇だと訴える余地もあろうけど、少なくとも今回はそうじゃない。

 社労士は、会社からカネをもらうから、会社側でもあるにはある。
 でも、それは会社があかんことをしてるのをねじ伏せて、困ってる従業員を黙らせる意味では当然ない。
 そもそも、そんなことして逆に社労士がねじ伏せられたらカッコ悪いわけで(笑)。
 会社があかんならあかんで、対応することはする、守ることは守る、払うもんは払う、と会社(社長)を納得できるように諭すのも時に社労士の役割にもなる。
 かたや、こういうケースでは、会社のそういう‟巻き込まれた”ような不運なことにどう穏便に、無難に対応するかのアドバイスをすることになる。

 そんなわけで、まあ、会社にとって(俺が聞いたかぎりでは)致命的とか不当という要素はなさそうでもあり、しかし社長は、「不当解雇になるんだろうか」、「そのあと誹謗中傷のネット上への書き込みやら、あることないこと言われんやろか」と、俗にいう従業員の「逆ギレ」を心配してる。
 ま、そうなったらそうなったでまた別の対応にもなろうけど、今の段階では、そこまで会社側にとって不利とかダメージになるもんではない。
 それでいてそういう従業員をムリに雇い続けること自体、理不尽でもあり、事業をやっていくうえで不可能でもあり。

 それよか、現実として、会社も事業を回していかねばならず、他の従業員もいることから落ち着けて今後やっていかねばならないわけで、社長としてはそんな従業員がやめるにしても早急に解決はしたいはずだ。
 そこまでこじれてると、「雇用の継続うんぬん」よりは「解決」が優先になる。
 また、今回の社長にとっては、「解決」イコール「解雇しかない」ってわけでもなく、「改善して働き続けてもらう方向で解決する」のも「解決」できる選択肢でもある。
 そうなると、そう社長が譲歩しつつ提案してる以上、あとはその従業員のその選択次第、ともなる。
 そこでその従業員自身が意固地になればそうするだけの責任も自分で負わなあかん。

 そんなんで、社長が会社から解雇する方向で意固地になってるわけでもなく従業員に「改善してくれたら働き続けてほしい」とも伝えてはいるんだから、そこも要は、「その従業員が働き続けられるのか、ただやめたい一心なのか」というとこだ。
 ま、そこは前述のその従業員からの書面でその思惑、意図はうかがえるとこでもあるが。

 かたや、その従業員にとって致命的なのは、その郵送でよこしてきた書面に「解雇と言ったのを社長がフォローしてきてはいても、解雇と言われたことは変わらない」というようなことをあえて書いてきてること。
 一応でも社長がそのあと「フォローしてきたこと、譲歩して改善を求めたこと」を本人も自覚しているわけだ。
 そこで会社からの強引で理不尽で一方的な解雇でないことも自らわかっている、認めているとも受け取れる。
 社長いわく、「その解雇というコトバを出したのは、自分もその時は軽はずみな話の流れで一部感情的になったのもあって、(その従業員に)謝った」とも言ってたし。

 それでももはやその従業員には通用せずそういう事態になってる、と。
 俺も社長からそんな話を聞きつつ、従業員が送ってきたその書面でも労基法の条文も出してきてて、もはや第何条がなんの内容だったか覚えてるわけもなく(笑)、ひさしぶりにカタイ法律条文を見て、一応のその従業員が言わんとすることを理解する。
 それだけで疲れた(笑)。
 よくもまあ、その従業員もそういう書面をがんばって作ったものだ、と。

 それにしてもしかし、やはりその従業員の周りの人が、なんか、その人個人の言い分だけで「それなら会社に訴えろ」とけしかけてるような、そういう印象もある。
 やたら法律の条文をあれこれ書いてきて強引な‟適用の仕方”をしてるとこに、当然その従業員(あるいは、もしかしたらその背後にいる連中)は法律に絡む知識がないというのもアリアリとわかる。
 それに、そういう従業員のような人は、おおよそ自分に不利になることは周りには言わないだろう。
 自分が被害者だ、解雇された、という立場で突き通すしかないから、周りにも自分が不利になることは言わず、それを聞いた周りも当然それに同調するわけで。

 今の時代、そういう一従業員でもネットやらなんやらでそういう情報やいろんな事例を見ることもカンタンにできる。
 確かに、よからぬことはよからぬことで記事になったり書き込みになったりもする。
 しかし、それが自分自身のケースに当てはまるか、自分が不備なく正当にそう主張できるかは別問題でもある。
 まして、取引先からすでにクレームがきている時点で最初の最初のきっかけはその従業員自身なわけで、で、さっきも書いたけど、そうなれば会社としてもその従業員を叱るなり改善させるなり、さらには雇い続けることが難しくなって次の対応を迫られることにもなる。

 解雇となれば理由はどうであれ予告手当は払わなあかん、でも、それが‟目当てで”間違った「法の適用」で押してこられてもなんか幼稚にも思える。
 予告手当のことは法で決まってはいる、でも、どういう状況で自分がその「法の適用ができるか」、「法の保護を受けられるか」、そういうのを安易に持ち出すと自分がしっぺ返しをくらうことにもなる。
 大のオトナがそういうのでビビッて、さらにそういう従業員が言うまま「不当解雇になる」と受け取ると思ってるのか。
 ま、予告手当すら、事情や程度によっては払わんで済む対応もあるけど、そんな幼稚な、やっかいな従業員に関わって時間割くほど社長もヒマではなく、どうやらパートの人なので、その平均賃金で出す手当の額すら全然大したことないようで、社長も「何を現実的に優先すべきか」というのがわかってて、おのずとそういう従業員にどう対応しこの事態を解決すべきかもわかってきてる。
 俺も話を聞いてて、「その従業員もそこまでのカネのためにそこまで印象悪くしてそこまで書面をよこしてくるんかー?」とも思う。

 ちょっと屈折してるような、それか、ホント、背後で誰かがけしかけてたり知恵を吹き込んでるんかもしれんけど、どうにもそこが噛み合ってないまま主張してきてるんで、会社としてはそこまで深刻そうでも不利なわけでもない。
 ただ無用に時間を割き対応する手間をかけさせられてるようなかんじ。

 それでも俺は俺で一応でも時間割いて話を聞かなあかんし、ま、今後のこともあり俺の仕事にはつながりそうでもあるけど(笑)、それにしても人はさまざまいるなかで、運悪くそういう人に当たってしまうと、会社としても変にこういうことに‟巻き込まれる”ことにもなる。
 だから、俺もその社長に言った、「社長も、その人と縁があってがんばってほしいと思ってたところ、こうなってしまって運が悪かったと思わないといけないかも、ですねー」と。
 変にヒトゴトで言ってるわけでもなく、社長も電話で大笑いしながら「そうやねん、まいったわあ」と答える。

 社長も感情的になるでもなくホンキで怒ってるわけでも当然なく、むしろあきれていたりで、一応でも冷静にその状況を見てるから、まあ、俺も話を聞いてて大丈夫だろうと思うし、変に俺らがお互いに笑いながら話せてくだけていけるきっかけになったことに、俺はそのトラブルの元になった従業員に感謝したいくらいでもある(笑)。
 別の人からの紹介ではあったけど、そんなトラブルがなかったら俺にはその話は来なかっただろうし、その次のその会社での仕事の話もなかったんだから。

 あまり詳細までは書けないけど、そういうこともあってそういう俺の仕事につながることもある、と。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿