版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

井上君のニセコ便り その3-1

2012-01-27 18:07:37 | その他 Other


ここ埼玉も今年はひどく冷え込んでいます。
今朝は -5~6°位あったようで 我が家の一部の水道が凍っていました。
こういう時は地球温暖化の話しはまったく出てきませんね。
どうせ暖かくなるのなら平等に冬も高めの気温にして欲しいものです。

しかし 埼玉なんかより 遥かに厳しい寒さの中でも
その寒さを楽しんでいるかの様な ニセコの井上君からのお便りが先日送られてきました。
今回から2回に分けてお送りします。

まずは 雪かきシーンから



「私は妻共々雪と格闘の毎日です。やはり、こちらの雪は半端でなく、
現在、我が家の庭で1.5m弱の積雪です(12月としては記録的な積雪があったためです)」



除雪車を操る井上君の勇姿
2年程前の夏 横浜のJazz Liveで共にした時の のんびりした彼とはとても思えません。




こちらは積雪量や道路の位置が判る様に立てたポールなんですかね。
軽く背丈くらいは積もっている様です。

でも 大変な日々にも羨ましいお楽しみもあるようです。

「とは言っても、週に1日程度は除雪が必要ない日があり、
そんな日には近くの温泉(我が家から車で30分圏内に10箇所以上の天然温泉があります)に骨休めに行きます。
一番のお気に入りは、写真にある五色温泉です。」



「こちらに来てからの畑の開墾作業や除雪作業等で体重が6kg近く減りました。
毎日、朝・昼・晩きちっと食事をして、夜はワインや焼酎を毎晩飲みながらの自然減量なので、
いかに健康的な(本来の人間らしい)生活を送っているかを実感しております。」


よりによって どうしてまた わざわざ厳しい環境の中に移住するのか いまいち理解が出来なかった私ですが
この様なお便りを貰うと 何となく 少しづつ 解る様な気がします。



つづく



 



笛とギターと版画のコラボ

2012-01-21 12:17:47 | 作品 Works


先日18日 東松山市のリンツギャラリーでの展示会が無事終了しました。

まず ギャラリーの様子から





入り口と内部
コンクリート打ちっぱなしの シャレたギャラリーです。
入り口の向かい側は Cafe & Bakery になっていて お茶やお酒 パン・お菓子などが楽しめます。

今回のメインは 何と言っても有料のコンサート
どの位のお客様が来ていただけるか 心配でしたが..... やはり 少なかったです.....

土曜の4時半過ぎから いよいよ始まりました。



期待していた人数には達しなかったものの 14人のお客様の前で 篠笛二人の演奏からスタート
合間に篠笛の解説や演奏者・曲の紹介を入れて順調に進みました。 

 
ギターとのトリオ演奏

日本はもちろん 南米・ロシア・中国の曲まで 幅広い演奏にお客様の反応は非常に良くて
最後はやらせではないアンコールもあって 会場はとてもいい盛り上がりでした。



背後の版画とも良く合った雰囲気で
篠笛の魅力とライブの楽しさを充分味わっていただけたのではないかと 身びいきではなく 感じました。
演奏後は皆さんと交流・歓談 2時間近くの楽しいひと時でした。
惜しむらくは もう少し多くの人に来てもらいたかったですね。

でも ギャラリーのオーナーも大変気に入った様で 
この先も定期的にこの様なライブを企画したいとの提案もありました。

都心ではなく このような地方都市での活動にも
これからは力を入れたいとの想いを強く感じた一週間でした。



次回は 「井上君のニセコ便り」です。

ブルーチーズに赤い酒

2012-01-14 11:08:33 | 食品 Food


発酵食品好きの私は 今冬ももちろん 「沢庵の糠漬け」「鰊漬け」「白菜漬け」を仕込みました。
今月末あたりから食べごろになりそうです。

発酵物には からきし目のない私なのですが
唯一 苦手なのが ブルーチーズ いわゆる青カビチーズです。
何度も挑戦してはみたのですが 青カビの粉が鼻の穴奥に広がるような
ねっとりした食感は どうしても旨いとは思えませんでした。

でも今回 かなりいい赤ワインをいただいたのを機会に 
またまた挑戦してみることにしました。

まず そのいただいたワインというのが 
フランスはボルドーのサン・ジュリアン村の「シャトー・グリュオー・ラローズ」1994年物

普段千円前後のワインしか飲んだ事の無い私には 猫に小判的なワインらしいのです。
調べてみると どうも 桁がひとつ 違っていました......

ならばこの際 貴重なワインと共にチーズも極めようと 奮い立った訳です。


極めるには ワインとチーズと固めのパン というシンプルなメニューが良かろうと 用意したのがこちら






オレンジのチーズは「ミモレット」
ブルーチーズはゴルゴンゾーラより 刺激が少なく 食べやすいというので
「フルム・ダンベール」にしました。 共にフランス産
娘手作りのチキンハムも 添えました。

なんだか いつもの私のざっかけないブログの雰囲気と違ってきています.....


すごい青カビです。
こんな発酵食品を作ってきた毛唐文化もたいしたものです。


さてその結果は.....

フルボディーのその赤ワインは 飲み始めは何だか独特の癖があって 素直に飲み込めず
正直「まいったなぁ」という 感じでした。
やはり安酒に慣れ切った私の舌には馴染まないんだろうとも思いました.....  が......

三分の一程飲み進めるうちに
 
あれっ? 

旨いかも..... 

いける! 

に変わっていきました。

不思議です。
独特の癖が 飲むうちに かえって口の中で柔らかく膨らんで いい余韻として残って行きます。
最初の抵抗感はどこへやら 刺激がありながら 心地よい飲み口 
もう一口 もう一口と..... 結局 全部開けしまいました。
相方も同様です。

やはり世界の評判を得ているワインはこういうものかと実感させられました。

で チーズの方は 
ミモレットは元々大好きでしたが 問題の青カビチーズ
これまた不思議な事に 食べられたんですね! 
素直に美味しいと感じたのは初めてです。
「ダンベール」だから良かったのか ワインのお陰か 判りませんが
これなら何度でも食べたくなる味でした。

とうとうブルーチーズも一応クリアーすることが出来た様です。



ワインとチーズ この絶妙な味世界にたっぷりとひたった一夜でした。


貴重なワインを送っていただいた 版画の大先輩中山正さんに 深く深く 感謝します。


今回のブログ 少しプチ自慢になってしまったようですので
最後に お口直しにNORIKO先生の画像を


2011年12月 大通り公園のイルミネイション




 


 




 

新作版画4点 その3 と お知らせ

2012-01-09 18:08:41 | 作品 Works


あっという間に松の内も過ぎてしまいました。
「ふぐの卵巣」を食べて具合が悪くなっていた訳ではありません。
風邪を引いていました。

ふぐの子は大丈夫なのですが 美味しくてお酒がはかどり過ぎるので
「酒の毒」の方を心配しなければならないようです.....


といったところで まずお知らせ

1月13日より18日まで 埼玉の東松山市で版画と篠笛の展示と演奏会を開催いたします。



14日(土)の演奏会はプロをお招きして
3人構成で1時間半程の演奏になるので チケット代をいただく事にいたしました。
リンツギャラリーは20~25人の収容スペースがあります。

場所的には少々遠いことと 初めて有料にする事で
果たしてどのくらいの人に来ていただけるか...... かなり心配です。

いずれそのご報告を。


で 新作版画の続きです。
花シリーズ1作目の「Calla」は グラデーションや色のバランス 艶やかさが充分に出せた
自分でも納得できた作品でしたので もう1作制作することにしました。

こちら


「Calla yellow」195×292mm ED 70

艶やかさよりも 優しさが全面にでたCallaになりました。

個展会場で花シリーズ9作を並べると やはりアピールの強い派手な作品に関心がゆくのか
地味目なこのCallaはいまいち注目を集める事は出来なかった様です。

もう一つ 季節柄 暖色系の作品が比較的よく出たので
この涼しげなCallaは 夏の展覧会に出品すると良かったかも知れません。


で 今回はもう1作の「SaKuRa」


「SaKuRa」 147×131mm ED 70

この作品 会場搬入日まで もう時間が無く 原画制作もそこそこに刷りに廻して
制作後も 仕上がり確認など無しに ばたばたと展示してしまった作品でした。
要するに ほとんど期待してはいませんでした。

ところが そういう作品に限っていい評価をいただけるんですね。
全作品中一番の売り上げでした.....

あれこれ考えずに夢中になって制作するのがいい 改めてそう感じさせられた作品です。






「謹賀新年」と「幻の珍味」

2012-01-02 13:31:33 | その他 Other




明けましておめでとうございます。

今年の我が家の年賀状 まだ着いていないところが多いと思います。
なにせ29日まで刷っていて 30日に出したものですから.....
一足先にこのブログで ご挨拶いたします。

さて 今年はどんな年になるのでしょうかね。
穏やかであれと切に願いつつ しかし 何となくまた大乱が起きる様な気もします。
いつの時代も いつの年も 安寧な時など少ないのが現実ですが
それでも最近の不安定さは殊に大きさを増している様にも思えます.....



といったところで
今日は 前回予告しました「極めて危険な食品」のお話。

危険と云っても市販されているので 充分安全ではあるのですが
なぜ安全になるのか 科学的に解明されていないので 
ひたすら伝統の製法を守って作っていると聞くと やはりちょっと気になります。

前置きが長くなりました。
その食品とは 「ふぐの卵巣」
ふぐの内臓は極めて毒性が強い事は皆さんよくご存知の事と思いますが
事もあろうにその内臓である卵巣を糠漬けにして食べる地方があるというのです。

こちら



糠に2年間漬け込むと 強い毒がどうゆう訳か 消えてしまうのだそうです。
いつの頃から作られてきたのかも判らず
なぜか 石川県だけでその製法が伝えられ続けて現在に至っているようです。

UP



もっとUP



そしてお味は.....

旨い!!!

糠漬けなのでしょっぱいですが  
魚卵の風味と糠による発酵が充分活かされて それはもう お い し い !
発酵食品大好きの私は虜になりそうです。

一切れで 二合はいけますね。
昨日は五合くらい いっちゃたようです......

暖かいご飯にのせても お茶漬けにしても良さそうです。

猛毒の卵巣をなんとか食べようとして いろいろ工夫を重ね 
多分犠牲者もきっと出たに違いない 古(いにしえ)の人の努力には頭が下がります。
それにしても 毒性が何故消えるのか 現代でも解明されていない というのが 怖くもあり 不思議でもあります。

そしてその「ふぐの子」は こちらで扱っています。

  http://www.ishikawaya.com/  「いしかわや」さんです。

私が買ったのは「ふぐの子 中 」¥924 意外とお安いです。

どうですか 皆様も試してみては。