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大雨の夜でした。

その日は叩きつける様な雨で、外を歩いている人は殆どいません。

雨の日が好きではない私にとっては、憂鬱な夜でした。

時間は21:00を回った頃でしょうか、電話がなりました。

「もしもし、今から大阪市の○○町に行ってあげてくれませんか?」

葬儀社さんからの紹介のお電話です。

内容は、死後20日で発見された方のお宅へ行って倒れておられたトイレの清掃と死臭を取ってほしいという物でした。

私は気合を入れて、準備をして向かうことに・・・・。

現場に到着すると、マンションの管理人さんや隣の部屋の方が突然私に

「遅いじゃないか!早くしてくれ、みんな迷惑しているんだから!」
「吐き気がしてめしも食べれないし、部屋にじっとしてられない・・・・!」
「病気になりそうだ!完全に臭わない様にしてくれよ!」

・・・・・・・・・そんな言い方までしなくても!

と言われ私は正直少し腹立たしさを感じましたが。

「分かりました、今からすぐに取り掛かるのでもう暫く我慢して下さい。」

と言い作業用具を取りに車に戻りました。

マンションの影に人影を感じふと私の横を見ると、老夫婦が二人立ってこちらを向いておられます。

「ご遺族の方ですか?」と声を掛けました。

「はい、兄弟のものです・・・・」

どうも東北の方らしく、言葉に特徴がありました。

先ほどまで散々ご近所にクレームを言われ、怯えている様におろおろされています。
お部屋には入りたくないようで、マンションの入り口で傘をさしながら待っているということでした。

私は一人でお部屋に入りました、トイレの天井についている水槽の根元にビニール紐がぶら下がっており、床一面に蛆虫が数千匹も這い回っていました。
見るだけで、体中が痒くなってしまうほどその数はとんでもなく酷いものでした。

さすがに暫くは手をつけることが出来ず傍観していましたが、蛆を殺す薬品を散布し、手袋をしてちり取で蛆虫を掬いだしました、45Lのゴミ袋に約半分もの量になり袋を3重にしてダンボールへ、それから腐敗物の付着した床を洗剤を使いながら洗い出しました。

その時でした、大きな雷が鳴り電気が全て消え真っ暗になってしまったのです。


私は、汚れた手袋のまま手探りで部屋の外に出る訳にもいかず、ただじっと死臭のトイレで電気が点くのを待つしかありません。
廊下では、他の部屋の人や管理人がバタバタと電気の復旧のために走り回っているのが分かります。


・・・・・・・・・・・・・・・・なんでこんな時に限って雷が落ちるの?


30分ほどで電気も復旧しました、その後消臭作業をしてご遺族の待っている玄関に戻りました。

ご遺族は、心身ともに大変疲れておられました。
ご夫婦は共に75歳のご高齢で、突然降って沸いたようなクレームの嵐を受け、大雨や雷の停電などアクシデントも重なったのですから見ていられないほど憔悴しきっておられます。

私はホテルまで送って行く事にしました。

車中でのお話で少し落ち着かれたようですが、今朝大阪に来てからは自分たちが倒れそうで、死んじゃうのではないかとまで思ったとお話になりました。
実際に自分がお客様の立場だったら、逃げ出したくなったと思います。

このような突然の出来事に悲しむ暇もなく、頭を下げっぱなしで途方に暮れてしまう方の為に、「もっと喜んで頂けるようになりたい!」と考えると先ほどの変死現場の作業の苦労は感じなくなりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この家主は、リフォーム代をご遺族に請求すると仰っていましたが、現実には支払い能力は厳しいと思われます。

独居老人が孤独死した場合、色々な人たちに多大な迷惑を掛けてしまう事を周り人たちも知っておく必要が有るのではないでしょうか?
他人事ではないのです。

せめて1両日中に発見されれば、問題は半減します。

ご意見ご提案をお寄せくださいませ。










コメント ( 15 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
はじめまして (yoshino_bue)
2006-01-30 01:36:44
keepers_realさん、はじめまして。
Yahooブログの方で、「KPの小間使い」という環境・エネルギー系のニュース・リンクブログをやっているものです。
keepers_realさんのブログは、私のブログと全く関係がないテーマなのですが、あまりにも興味深いブログですので、時々拝見しています。今日は、私のブログの方で登録できる「お気に入りブログ」に登録させていただいたので、そのご報告をさせていただきました。今後ともよろしくお願いします。
 
 
 
Unknown (新・元銀行員の探偵ライフ 中村)
2006-01-30 12:02:46
こういうお仕事に携わっていらっしゃると、人間の本性をよく知る機会に接することが、多いでしょうね。

どんな大変な場面でも、最低限の常識だけは失うことのないような人間でありたい、と感じます。拝見していると。
 
 
 
ありがとうございます。 (管理人)
2006-01-30 12:10:10
中村様 
そうですね、私も最低限の常識については意識しています、この様な現場に行くと勉強させられます
 
 
 
考えても考えても・・ (相談員)
2006-01-31 18:34:13
確かに、独居老人は周りに迷惑をかけたくないと
言いつつ、現実にはこういうことになってしまうのですね。(私だって、独居老人予備軍です)。

自分の死後を自分で、きちんと始末をつけるためには
どうしたらいいか、それは死ぬまでのプロデュースではなくて、死んだ後のプロテ゜ュースがもっと大切・・ということなのでね。

ここにきて、それらを考える時、生きている自分と
亡くなった人たちを思い出すことがあります。
みんな、死後の自分をどう考えていたのでしょうか。。

私たちは、どうしたらいいのでしょうか。。。
 
 
 
勉強になります。 (JP Nojima)
2006-01-31 20:02:12
色んな意味で勉強になります。
今後とも宜しくお願いします。
 
 
 
悲しい (こま)
2006-02-01 21:34:09
読んでいてすごく悲しくなりました
本当に悲しくてしばらく唖然としてしまいました

大家さんも、近所の人も
人が亡くなったのに、、、亡くなっているのに
失礼な発言だと

訃報を聞いてやってきた親戚にもなんて失礼なんだと
東北から大阪だなんて70代の人にとっては決して楽な距離じゃないのに
ねぎらいや、悲しみへの言葉をかけてもバチはあたらないのに、、、
ひどい言い方

世知辛い世の中

けど、管理人さんの言葉かけと、行いにきっとその老夫婦は救われたでしょうね
これからもお仕事頑張ってくださいね。

亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
 
 
 
はじめまして (daidaii)
2006-02-01 23:27:19
TBありがとうございます。
以前読んだ<納棺夫日記>というのを思い出しましたが、そのような仕事をされてるのでしょうか?
キツクない仕事はないと思いますが、特にきつそうですね。
読んでいて、頭が下がる思いです。
 
 
 
こまさんありがとうございます。 (管理人)
2006-02-02 08:44:04
遺族の気持ちになると、たまりませんでした。

これからも頑張ります。
 
 
 
ため息が出てきます。 (ティク)
2006-02-02 10:47:36
管理人さんのやられている仕事は、本当に大変なお仕事ですよね。お疲れ様です。
 それにしても、ひどい話ですよね。マンションの住人の方は、もう少し人のことを考えて発言してほしいですね。自分がそういう立場になってみないと分からないものなんでしょうか?そんなことを考えると、すごく辛くなってきます。
 
 
 
終を考えますね (シャンク)
2006-02-02 14:12:34
数年前、痴呆老人の集合ホームを作ろうとおもっていました。別件で兵庫県の介護老人ホームのオーナーの奥様と施設長の方と3人で宝塚ホテルへ知人の兵庫県県会議員のパーティーにご一緒します。

安心した終の庵を確保できる方は、一握りなのかもしれませんね。。。核家族、少子高齢化が進む中。。

問題は拡大するばかりですね。

昔の隣近所付き合いは無くなる一方ですし。。。

本当に社会現象としてもっとクローズアップされないといけない時代がきましたね。

必ずやってくる、【老い】をまるで【臭いものに蓋】をするかのごとく、世間の隅っこに追いやられてしまってるのも残念ですね。!!
 
 
 
興味深く拝見致しました。 (amerio)
2006-02-04 18:46:55
nifty古河社長のブログから飛んできました。
amerioと申します。
大変興味深く拝見させていただきました。
私などには想像もつかない仕事があるものだとショックを受けるとともに、そういった業務に従事しておられる事への尊敬の念にたえません。

ただ1点、当該記事は古河社長の記事にトラックバックするには内容に関連がなく、不適当と感じました。
内容の濃い記事であるだけに、spamまがいのトラックバックをされていることをとても残念に思います。
 
 
 
ありがとうございます。 (管理人)
2006-02-04 23:35:38
amerioさんの仰る事も分ります。
まだブログに対する認識や知識が薄くご忠告を参考にさせて頂きます。
有難うございました。
今後とも宜しくお願いいたします。
 
 
 
Unknown (gskay)
2006-02-13 17:52:32
興味深く拝読しました。トラックバックを頂いて辿りつきました。ちょっと、拙ブログのテーマに合わないような気がしたので、TBを削除してしまいましたが、ご容赦下さい。ただ、とても、大事な問題提起をされておられるので、今後も読みたいと思います。頑張って下さい。
 
 
 
Unknown (ドリアン)
2006-11-16 18:03:44
はじめまして。mixiの方からまいりました。
ITメーカーで開発系の仕事をしております。
日経BPの書評で「遺品整理屋は見た!」のご紹介がありましたので、購入をし、一気に読んでしまいました。
孤独死のことは、常盤平団地のお話など、色々なところで伺って存じてはおりましたが、ご著書を拝読するまで、自殺の場合も含め亡くなられた方の部屋の後片付けを、警察や葬儀社の方がお手伝いすることが一切無く、ショックを受けて呆然としている遺族に任せるとは衝撃でした。
私も高齢の親と共に、新興住宅地に住んでおりますが、ご近所づきあいは本当に希薄ですし、かつての下町のような人間関係は何処にもありません。
改めて、孤独死という現実が誰にでも起こりうることを実感してしまいました。

今、子供でも、大人でも自殺が相次いでいます。
生きるのが辛くなると、どうしてもすぐに死というものを考えてしまいがちな昨今の風潮ですが、そのような方々にも、ぜひ「遺品整理屋は見た!」を読んでいただければと思います。
そして、命を粗末にしてはならないこと、後に残された身内や友人、ご近所の方々に迷惑をかけたり、悲しませるようなことをしないで欲しいと思いました。

本当に大変なお仕事の現実を知り、ただただ頭の下がる思いですが、「1両日中に発見できるような仕組み」というものを、私達の仕事の中でもご支援できるようにしていきたいと今、切に感じております。
寒くなってきましたので、どうか皆様、お身体に気をつけてください。
応援しております。
また、立ち寄らせていただきます。
 
 
 
(ドリアン)さま (管理人)
2006-11-16 19:51:19
コメント有難う御座います。

本当に、自殺の話題が多いのには参ってしまいますね。
このブログや本がお役に立てれば幸いです。。

当社の仕事は、社会的にも責任重大な役割を担っていると自覚しています、小さな事しか出来ないかもしれませんが頑張っていきますので、その時は是非ご支援のほど宜しくお願いいたします。

今後とも宜しくお願いいたします。
 
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