孤独死が怖いんや・・

そのお電話は、私が受けました。

「もしもし、きーぱ～ずさんですか？」

「はい？キーパーズでございますが？」

「そうか良かった・・、あんたの会社は、遺品を片付けてくれるんですな」

「はい、そうですよ。遺品の整理でお困りですか？」

「いやそうじやないが、ワシはずっと前から自分の荷物の片づけをどうしようかとかんがえていたんじゃよ、そうしたらテレビにおたくが出ていたんでテレビ局に電話して電話番号を聞いたんですわ。」

「そうですか、今おいくつですか？」

「それから息子はいるんじゃが、こっちには一年も来よらんわ、わかるでしょ！」

　　　”人の話聞いてないし・・・・”

「はい、最近はご兄弟も少ない方も多いですし・・」

「いや兄弟はおらんのだよ、息子一人だけでワシももう長くはないからのぅ～」

「いやまだお元気そうに見えますよ！」

「あんたにはわかるじゃろ、どうせ息子は手伝ってくれないし、お金だけ残せば文句はないいんや！」

　　　”いや、そうではなくて・・・”

「そんな事は、ないと思いますよ息子さんもお仕事で忙しいだけじゃないですか？」

「何であんたが息子の事知ってるんや？！」

「いやぁ・・知っているわけではないですが。。」

こんな状況のお話がずっと続きます。。。。。。。。。。

全くこのご老人とは言葉のキャッチボールが出来ません、しかし何を言いたいのかを知ろうと耳をダンボにしながら聞きました。。

しばらく話？をしながら私は言いました。

「”おとうさん”、今度無料で相談に乗りに行きますからいつだったらいいですか？」

「来るのか？いや来んでもええよ、大体わかったから。」

「そうですか？でもいつでも相談には乗りますので電話してくださいね。」

「あんたはええ人やなぁ・・」

「そんな事はないですよ、これもお仕事ですから。」

「いや、実はな。」

「はい？」

「最近、ワシの知り合いが死んでから１０日してからみつかったんじゃよ、そのときに見つけたのがワシで、今でもその時の事が忘れられんのや。」
「夢にまで出てきよる、お化けが怖いのじゃなくて孤独死をするのが怖いんじゃよ」

「・・・・それは、見たくなかったでしょうね。」
「でも、私もみんな孤独死する可能性はあるんですよ、一生２４時間誰かと一緒の人はいませんからね、あんまり考えない方がいいですよ。」

「あんたは、そういうけどな・・・・」

「だったら毎日公園に散歩に行ったりして下さいよ、特に朝がいいですよ。」
「出来れば２ヶ月以上は頑張って行ってください！毎日来ているお友達が出来るまで。」

「なんでや？」

「毎日来ている人が来なくなったら、友達が心配してくれるでしょ！今は携帯電話を持っている人も多いので、心配して電話くれるかもしれないじゃないですか？」

「そうか・・・。でも友達なんて出来るかな・・・・。」

「まずは始めないと本当に孤独死してしまいますよ！」

「わかった、また電話してもいいか？」

「どうぞ！」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

始めは、話にならずどうしようかと思いましたが、最後はキャッチボールがスムーズに出来ました。

高齢者になると遠慮があったりして、なかなか自分の気持ちを伝えられない方も多くなります、普段話をする機会も減り閉鎖的にもなるんです。
私は、よく高齢者と話をするときに”おとうさん””おかあさん”と言う言葉をかけるようにしています。
身近に感じてくださると結構お話は盛り上がり、素直にお話くださる方が多いのです。

ただし、お年寄りは話が盛り上がれば止まらなくなるので、話の途中で帰りたくても帰れなくなることもあります。
時間が無い時は、はっきりと伝える事が大事ですよ！！
そのほうが、遠慮しないで喜んでくださいますし。。