泡盛なかゆくい

第一期・泡盛マイスターがお届けする、沖縄やアルコールに関する日々雑感。

ザ・グレンリベット ナデューラ16年

2010年02月07日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
自分の誕生日が近づいていることもあり、今年はどんな酒を買ってもらおうかと物色がスタートしています。ふと気づけば、昨年の誕生日に買ってもらったシングルモルトについて、まったくブログで紹介していないということに気づきましたのであわてて1本のレビューを書こうと思いました。

・グレンモーレンジ シェリーウッド フィニッシュ
・グレンリベット16年 ナデューラ
・クラガンモア12年
・ダルモア12年
昨年の誕生日プレゼントにこれら4本を買ってもらったわけですが、この中で最も私の評価が高かったのが「グレンリベット16年 ナデューラ」でした。

歴史ある実力派の蒸留所として知られるグレンリベットですが、ナデューラ16年は、2006年にリリースされたファーストフィルのバーボン樽のみからボトリングされたカスクストレングスです。ナデューラとは、ゲール語で「ナチュラル」という意味です。ナデューラは英語読みで、ゲール語だと「ナータラ」と読むのだそうです。バニラや蜂蜜等のフレーバーが前面に出ているのは、ファーストフィルのバーボン樽のおかげだと思われます。

カスクストレングス以外に、「ナチュラル」を示す情報がラベルにあります。ノンチルフィルタード、つまりチルフィルターをしなかったという情報です。同じ蒸留酒である泡盛と同じですが、蒸留した原酒は冷却すると溶けこんでいる油性成分が飽和状態になって白濁してきます。この白濁を防ぐために、あらかじめ冷却して濾過してしまうことをチルフィルターと言います。泡盛なら米、ウイスキーなら麦といった原料に由来するのが油性成分ですので、チルフィルターをしてしまうと軽い風味になって、旨味やコクが薄れてしまいます。このナデューラ16年は、ノンチル、つまりグレンリベットそのままの濃厚な香味を感じることができるというわけです。

ナデューラは、バッチナンバーによってアルコール度数が異なるようで、私が手にしたのは57.6度。もともとのグレンリベットが、やわらかくさっぱりしたシングルモルトであるのに対し、ナデューラ16年はバランス良く、本来のグレンリベットの持つポテンシャルをアンプリファイアした商品に仕上がっています。しかも度数の高さは、まったく感じられません。フレッシュな花蜜にオークの芳ばしい香り、さわやかで上品なハチミツのような甘みと、押し寄せてくるナッツとスパイスのフィニッシュ。いつまでも味わっていたくなるような余韻の長い香気は、わずか一杯で十分に満足させられる完成度の高さです。しっかりと香りが堪能できるテイスティンググラスで味わうと、もっともっと満喫できることでしょう。

バーでナデューラを注文するときは、最後の一杯にすることをオススメします。先にナデューラを味わってしまったら、他のシングルモルトに浮気できなくなっちゃいますので。
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仲村征幸の泡盛よもやま話

2010年01月10日 | 泡盛
昨年12月に那覇を訪れたときの話の続きです。

2年ぶりの沖縄本島への訪問ということは、つまり「古酒BAR&琉球DINING カラカラとちぶぐゎー」を訪れるのも2年ぶり。同時に店主の長嶺夫妻にお会いするのも2年ぶりと思えば、ずいぶん不義理してるなぁと反省しつつも、到着した日の19時に顔を出すもご本人はお店には居らず。なんでも原稿〆切に追われていたらしく、お店に顔を出す時間は21時過ぎになるとのことでしたので、それならばと腰を据えて飲むことにしました。何せこっちは旅行者で、帰りの電車も気にしなくてよければ、宿泊先は目と鼻の先です。仕事も終わってるし〜と思いたかったのですが、実はその日、会社では緊急事態が発生していまして、オフィスに残された女性社員が私の代わりとして奮闘してくれていたのでiPhoneで指示を飛ばしたり、作業の進捗を追いかけながらも、久しぶりの「カラカラとちぶぐわー」を堪能することができたのでした。

何を飲んだりしていたかというのは、この次のエントリーで書くとしまして、今日は別の話を。

医者からも注意を受けたことがあるので身体にはあまりよくないと思うのですが、何かに集中しはじめるとトイレに行くことも忘れてしまう性分な私なのですが、やはり飲み始めるとよほどの状況でない限り、トイレに席を立つということがないわけです。飲み会が始まったら、家に辿り着くまでトイレに行かないことも珍しくありません。しかし、この日は何故か、飲み始めて早い時間にトイレに入ったわけですが、そこで用を足しながら貼ってあったポスターに目が吸い寄せられました。そこには「仲村征幸の泡盛よもやま話」限定発売中との告知が!! トイレを出るなり「まだ在庫ありますか?」と聞いたのは言うまでもありません。いやはやトイレに行くことは、とても重要な行為ですね。

「泡盛よもやま話」とは、月刊誌「うるま」に連載されていた泡盛コーナー。沖縄病を発症している方なら、一度は目にしたことがあると思います。連載回数は100回を超えていたので、まさに「お化けコーナー」と言いますか。残念なことに「うるま」は休刊してしまったので、連載も終わってしまったのですが、私も数年ほど定期購読していましたから「泡盛よみやま話」はしっかりチェックしていたコーナーでした。執筆されていた仲村征幸さんは「醸界飲料新聞」編集発行人として、泡盛好きなら知らない人はいないという有名人です。仲村征幸さんには、私が泡盛マイスターになった日に一度だけお目にかかったことがあります。今ごろはおいくつになられたのでしょうか。

これまで部分的に読んできた「泡盛よみやま話」ですが、1冊の本にまとまったものを読み返すと、戦前・戦後の泡盛がいかなる存在だったのかを知ることができる泡盛史とも言える内容です。主に戦後の話が中心ですが、沖縄がまだ米軍統治下であった頃の泡盛の存在が生々しい言葉で綴られているのが、まったくその時代の泡盛を知らない私にとっては実に新鮮であり、そこから想像を働かすだけで非常に勉強になります。泡盛の発展に寄与した酒造所の先達との会話や出来事は、優しさのあふれる文章を通じてリアルに伝わってきます。泡盛マイスターで(もしくは、今マイスターを目指している人も)、まだこの本を読んでいない人がいたら、必携の一冊と言ってもいいかもしれません。

定価は1,500円。普通に本屋さんで売っていないみたいなので、欲しいと思った人はどこで買えるのかな。「カラカラとちぶぐわー」に少量残っていたのは知っていますが、それ以外の在庫は発行元の「醸界飲料新聞」に確認してみるしかないかもしれません。東京での販売分として何冊かまとめて買ってくればよかったなぁ。

ちなみに「醸界飲料新聞」は昨年で創刊40周年だったそうです。1969年創刊と言うことは、私が「オギャー!」と生まれた頃に創刊されたことになります。創刊40周年記念号では、当ブログでも取り上げたことのある「サントリー角ハイボール」の攻勢について取材をされていて、沖縄県内で泡盛の販売が伸びやんでいる様子を憂いている記事が、一面から二面に続いて大きく取り上げられていました。
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2010年 新しい酒器を入手

2010年01月02日 | 泡盛
あけましておめでとうございます。本年も泡盛なかゆくいをお願いいたします。
前に勤めていた会社の同僚たちが、このブログの更新頻度を見て「忙しすぎて死んでるのか」と心配してくださっているようですが、いたって普通に生活しておりますのでご安心ください。更新ペースは落ち気味ですが、相変わらずの飲みっぷりは引き続き書いて行こうと思っております。

さて、もう昨年になってしまいましたが、12月25日から3日間ほど那覇に遊びに行ってきました。沖縄にはなんだかんだと年に2度は訪れているのですが、本島に行くのは2年ぶりのことです。今回はレンタカーも借りずに、ゆいレールとタクシーと徒歩で移動できる範囲をウロウロするだけの沖縄滞在となりました。本土出発のときは厚いコートを着込んでいたのですが、那覇空港に到着すると気温20度、もうTシャツの上にちょっと厚手のシャツ1枚着たら充分という気候でした。

「もうカラカラはたくさん持ってて置き場ないでしょ」と初日から妻にたしなめられっぱなしの私でしたが、いろんな店に立ち寄ると、やはり目移りするのはたくさんの個性的なカラカラたち。「そうだよね、もう置けないよね。だから今回はカラカラは買わないよ」と言いつつも、大嶺實清さんの作品となればもうトキメキ度がまるで違います。2年ぶりに出会ったペルシャブルーの六角形の酒器には、わずか3秒で惚れこんでしまいました。しかし、初日にいきなり買っては、予算はもちろん、このあといかなる陶器に出会っても検討すらままなりません。「陶器は一期一会だから、気に入ったものを見つけたら買っておきなさい」とは、他界した私の母の名言。もし再び戻ってきて、誰かに買われて無くなっていたら、それは縁がなかったのだと、あきらめる決意で店を離れました。

翌日に壺屋周辺を半日かけて散策して、さまざまな陶器を見てまわりました。とある陶器店で、かっこいいカタチ、いい焼き締めの一斗甕を発見するも、これを買って帰っても約18リットル分の泡盛を別途買う予算もなければ、甕の置き場もないという事実に気がついて冷静に。その陶器店のオバちゃんは目で「買いなさい」と強力な念を送ってきましたが、18リットルもの泡盛を詰めてしまったら、甕はもはや独りで移動させることもできないでしょうし、とても今の住宅事情では所有できないと判断するに至りました。

妻とひとしきりの陶器を眺めた後、再び大嶺實清さんの六角形の酒器を見に行きました。カラカラは注ぎ口がすぼまっていて、いまどれぐらい入っているのかが見にくいものが多いのですが、この六角形の酒器は注ぎ口の部分がやや広めに取られていて、注ぎながらあふれさせてしまう心配もありません。また、空気に触れやすいことから、この酒器で泡盛を開かせることも容易いのではないか、いろんな言い訳を考えながら気持ちがピークになったところで、クレジットカードを財布から出してしまいました。「カラカラはもう買わないから」と言っていたわけですが、妻は陶器の買い物については少々甘いところもありまして、しょうがないなぁという顔をしておりました。

大晦日の酒宴では8年古酒をひっぱりだしてきて、この酒器になみなみと注ぎ、古酒の香りいっぱいの幸せな気持ちで年越しをすることができました。今年2010年は、私は大厄の年。日々いろんなことがありますから、多少の波風はあたったとしても、大事に至るような出来事が起きませんように...。
このブログをご覧の皆様も、平穏無事に過ごせる2010年でありますように!
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球磨焼酎 遊木ー高田酒造場

2009年12月13日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
12月8日、昨年に引き続き日本経済新聞社の主催による「本格焼酎・泡盛の夕べ」という大試飲会に参加してきました。夕方16時から19時までとあって、普通に仕事をしていたら参加ができないと思い、午後半休をいただくことにしました。といっても、16時までブラブラしているのも面倒だなと思い、結局15時半まで会社で仕事をして、それからの出発となったのでした。

聞けば今年は2,800人ほどの応募があり、抽選で800人が招待されたとのことです。私は今年で3年連続で入場ハガキをいただいたので、申し込んだら全員ハガキが届くんだろうなと呑気に思っていたのですが、お友達が当選しなかったんだと仰る参加者もいまして、今年の最後の運を使い果たしてしまったのではないかという気持ちになりました。そういえば、まだ年末ジャンボ宝くじを買ってない...。

今年の「本格焼酎・泡盛の夕べ」は、ブース出展31社、商品出展7社でした。沖縄県からは、久米島の久米仙、瑞泉酒造、比嘉酒造、そして酒造協同組合のブース出展でした。瑞泉の梅酒が美味いという評判をあちこちで耳にしたので、初めて瑞泉の梅酒を試飲してみたら、これが実に美味い。他にも梅酒を持ってきている酒造がいくつもあり、参加していた女性たちの多くは、焼酎そっちのけで梅酒ばかり飲んでいるように見えました。

そんな試飲コーナーで、今年一番とも言える酒との出会いがありました。
熊本県から出展されていた高田酒造場さんの球磨焼酎「遊木(ゆき)」です。

写真にもあるように、高田酒造の十二代目のお父さんと、将来に高田酒造を継ぐために東京農大で醸造学を勉強中の娘さんと、お二人でブースを切り盛りしていらっしゃいました。十二代目の啓世さんも同じく東京農大のご出身のようで、親子二代に渡って同じ教授にお世話になられているそうです。酒造所の方が東京農大で勉強されたという話をこれまでにも聞いたことがありますが、親子二代に渡って同じ師を持つ...というのは珍しくないのでしょうかね。

「出展されている酒造さんはみんな大手で、自分たちみたいな小さい蔵が出て来ちゃってスミマセン!」ともの凄く控えめな発言をする十二代目でしたが、立ち居振る舞いは芳醇な澄み切った香りの完全手造りの焼酎たちを引っさげて自信に満ちあふれているように見えました。聞けば、日経新聞社の方が高田酒造の酒をとても気に入ってくださって、熱意にほだされての出展だったとか。その方のおかげで、私は高田酒造さんと出会うことができたわけで、これも今年の最後の運とも言えるかと。

さて「遊木」ですが、球磨焼酎の原酒を5種類の樫樽で貯蔵したものです。夏場でも涼しい石蔵に、ホワイトオーク樽、リムザンオーク樽、コニャック樽、シェリー樽、スコッチ樽の5種類の樽で寝かせ、最終的にはブレンドして出荷されているのだそうです。まさに樽の「木」で「遊んだ」酒というわけです。ブランデーのようなバニラフレーバーに包まれた米焼酎で、やわらかさを感じる25度はストレートで味わうのにちょうどいい。手で少し温めながら香りの変化を待つとマーマレードやチョコレートのような香りがうっすらと表に出てくるようです。同じく樽貯蔵に「Oak Road」という37度の銘柄もあるのですが、こちらはよりブランデーっぽさが強く、米焼酎としての存在感をマスクしてしまっているように感じました。私個人的には「遊木」の方をお勧めしたいです。

長期貯蔵とのことでキレイな琥珀色をしていたので「かなり色出てますけれど、国税庁の審査は大丈夫だったのですか?」と聞いてみると、娘さんと二人で「そーなんですよ。これ、ちょっと濃いかなーと話をしてたんですが、審査はちゃんと通ったので大丈夫です」とのことです。出荷量も限られているようですが、東京なら日本橋と玉川の島屋なら買えるそうです。ぜひ機会がありましたら、皆さんもお試しください。
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NO MUSIC, NO LIFE. NO MUSIC, NO WHISKY.

2009年11月14日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
冷たい風がときおり吹くようになったこの季節、街の居酒屋では「角ハイボール」旋風も一段落したかのように思われます。ハイボールが与えてくれる清涼感が恋しくなるのは夏の気候であり、今の気候にはあまりしっくりこない印象があります。角ハイボールのプロモーションを成功させたサントリーは、これからの季節にどのようなプロモーションを投入するのか。その答えが出ました。

NO MUSIC, NO LIFE. NO MUSIC, NO WHISKY

サントリーとタワーレコードのコラボレーションによる「ウイスキー×音楽」をテーマにした企画。まさに「音楽なければ、ウイスキーじゃない」。寒くなってインドアになりがちな夜に、個性あふれるアーティストの音楽を聴きながら、シングルモルトを楽しんでみては?という提案です。

アーティストとシングルモルトの組み合わせは、以下のとおり。

山崎まさよし × 山崎
Port of Notes × 白州
坂本龍一 × ザ・マッカラン
斉藤和義 × ボウモア
The Ska Flames大川毅&Oi-SKALLMATESワタル・バスター × グレンフィデック
EGO-WRAPPIN’ × ラフロイグ

各々のアーティストが自身で指名した銘柄なら、もの凄い嗅覚というか、自分の素性をよく分析している芸術家だなぁと思いますが、仮に「企画」としてアーティストとシングルモルトの個性を組み合わせているのだとしたら、すばらしい企画人です。まさに秀逸なマリアージュです。

タワーレコードと言えば、もともとアメリカのレコード専門店ですが、私のようなアラフォー世代にとっては輸入レコードの老舗として学生時代から散々お世話になったショップのひとつです。すでにアメリカでは廃業になってしまって、日本では完全にアメリカ法人から独立した法人として経営されているのも知られるところです。タイトルにある「NO MUSIC, NO LIFE」はタワーレコードのキャッチコピーで、通販サイト@TOWER.JPを運営しているその会社の社名は、その頭文字から株式会社NMNLとなっていたりします。

サントリーとのコラボレーションでは、NO MUSIC, NO WHISKYと変化球になっているわけですが、確かに音楽とシングルモルトというのは、非常に相性がいい。泡盛なら、仲間でワイワイ語り合いながら飲むのが似合います。ハイボールも同様。一方、シングルモルトというのは、みんなでワイワイ飲む酒にしては、少々、酒自体が語りすぎる気がします。内にこもると書くとちょっと語弊があるかもしれませんが、どちらかと言うと、私などは自分に向き合うときの酒になっています。音楽ならBGMとして「流す」のではなく「聴く」という行為に似ているというか。過去にミュージシャンとウイスキーという組み合わせの広告もあったかと記憶していますが、それぞれの個性と個性をぶつけた企画は、なかなか新しいのではないかと思います。

さて、泡盛だったら、何とコラボレーションするのが相応しいでしょうかね。
懐かしい写真がつまったアルバムをめくりながら、古酒をちびちびと飲んだりするのをイメージしてみたのですが、そうなると何だろう、やっぱり古くからの友人や仲間の顔が浮かんできますね。泡盛には、孤独が似合わないのかもしれませんね。

NO MUSIC, NO LIFE. NO MUSIC, NO WHISKY @サントリー
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宮の華酒造 うでぃさんの酒

2009年10月18日 | 泡盛
昨年に宮古島に行った際に、伊良部島に渡りました。宮の華酒造に立ち寄るもちょうど年末出荷分の繁忙期とのことで、勝手に問題のなさそうな範囲でちょっとだけ中を覗かせてもらった後、事務所の売店で手にしたのが、無肥料・無農薬・無たい肥の原料米を使用した泡盛「うでぃさんの酒」でした。最初、この独特の字が読めず「うでーさんですか? うでっさんですか?」と聞いてみるも、事務所の女性に迷惑そうな表情で「うでぃさんの酒です」とピシャリと言われてしまい、本当に忙しいときにお邪魔してしまったのだなと。ホントすみません...。

30度で容量500mlほどの泡盛にしてはいい値段だったので買うのをためらったのですが「滅多に来られないからねー」という理解ある妻の一言で、財布の口が心地よく開きました。過去に飲んだことがあれば、あと数年寝かせておきたいところですが、初めての銘柄でもありますので、ずっと寝かせておいてもあとで比較もできませんから開けてみることにしました。

原料米に相当こだわっていることが特長の銘柄ですが、普通に食べる米でも無農薬というのはよく見かけても、無肥料・無たい肥と3つの条件が揃った米を見た記憶がありません。化粧箱の中には、その思い入れたっぷりの米の生産者を紹介する紙が入っていました。この米農家がどこの地域で米作を営まれているのかまでは記されていませんが、さきほどネットで検索してみたところ、熊本県の米農家のようです。

濃紺の特徴的なボトルの封を開けると、もろみの香りが立ち上ってきます。やや繊細な甘い吟醸香で、上品な泡盛といった感じ。甘い香りとは打って変わって、味わいはとってもシャープ。切れ味のよい、泡盛にしては辛口の部類に入るようです。ロックにして、ちょっと薄まったぐらいで飲むのに適しています。この日、私は味噌だれをかけたキュウリに合わせて、食中酒としていただきましたが、食前酒としてもかなりイケると思いました。「うでぃさんの酒」は、もう少し寒くなってくるまで飲みきらないように残しておいて、お湯割りもやってみたいと考えています。きっと相当に美味いはずです。

「うでぃさんの酒」を手に入れた日、伊良部島は快晴で風も穏やかでした。隣接する下地島では、ちょうどジャンボジェット機のパイロット訓練の真っ最中で、時間を忘れるぐらい夢中になってタッチ&ゴーの様子を間近で眺めることができました。帰宅後にデジカメの写真をMacに取り込んだら、もう恐ろしい枚数の「ジェット機とエメラルドグリーンの海」の写真が!! いい歳してかなりはしゃいでいた様子が記録されていたのでした。
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十九年めの萬座

2009年10月12日 | 泡盛
もうこのためだけにブログを続けているといっても過言ではありません。今年も無事に妻の誕生日を迎えることができ、同時に甕で寝かせ続けている萬座のチェックを行うことができました。我が家の萬座は、今年で19年ものになりました。人間なら来年は成人式を迎える歳です。

まずは厳重に封印している甕の蓋を開けて、液面をチェックです。液面の低下も浮遊物も、見当たりませんでした。次に今年は小さいカラカラが満たされる程度の量を抜いてみました。度数は調べる装置を持っていないので、この時点で何度ぐらいあるのかわかりませんが、舐めてみるとアルコール独特のピリピリ感はほとんどなくなりました。もともと男性的でスパイシーな泡盛でしたが、いい感じに枯れているのか、やわらかく芳ばしい香りに深みが増してきていて、甘みは少しおとなしくなったようです。飲み干したチブグワーをしばらく置いておけば、いつまでも嗅いでいたくなるような麦チョコっぽいミルキーないい香りを放ちます。この萬座は、豆腐ようなどの味がはっきりした濃いつまみはぶつかりそうです。むしろこの季節ならサンマの塩焼きやアジの開きのほうがしっくりきそうな気配を感じます。脂ののった焼きたてのサンマに、シークワーサーを絞って、醤油を垂らさずにいただくときに、この萬座をチビリと飲りたいものです。

昨年の反省でもあるのですが、これまでに試飲といいながら毎年少々抜きすぎたようで、甕口から液面までに隙間が広がっています。来年の20年めには、少しこの隙間を埋められたいいなぁと思っています。甕の上部は口に向かって窄まった形状になっていますが、しっかり窄まった部分まで液面が上がると甕内の上下対流がうまく行われるようになるだろうと考えています。これを実現するには、いよいよ仕次ぎとなるわけですが、さて何年ものの萬座で仕次ぎをすべきでしょうか。先人のアドバイスを頂戴しながら、1年かけて悩んでいきたいと思います。

2008年10月12日のエントリー「十八年めの萬座」
2007年10月8日のエントリー「十七年めの萬座」
2006年10月8日のエントリー「十六年めの萬座」
2005年10月8日のエントリー「十五年めの萬座」
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新幹線ホッピー

2009年09月23日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
シルバーウィークは、みなさんいかがお過ごしでしたか。
私は久しぶりに妻の実家に帰省しておりました。

行きの新幹線がちょうど昼どきだったこともあり、東京駅に隣接する大丸デパートで帰省土産を買いつつ、お弁当や飲み物を仕入れることにしました。例によって「よなよなエール」でも買おうかなと思っていたわけですが、なんとホッピーセットが売られているではないですか。ホッピー瓶2本+合同酒精の甲類焼酎とプラコップ2個がワンセットで約500円。しかも何故かプレミアムホッピー(55ホッピー)。デパートで売るからには、ノーマルホッピーではいかんということかなぁ、だったら焼酎はなぜキンミヤにしないんだ? このキッティングを企画した人はホッピーを愛していないな! などと思いを巡らせつつも、物珍しげにこのホッピーセットを購入することにしました。

ひとしきりの買い物を終えて、まもなく引退がささやかれる500系のぞみに乗車して数時間の新幹線移動です。後半はどうせ居眠りだと思いつつ、横浜を通過したあたりから酒盛り開始。テーブルにホッピーセットを並べたあたりで、隣のおじさんの目線が気になります。プラコップには、ちゃんと焼酎を注ぐ目安の★じるしが印刷されていてありがたい。一応、冷蔵コーナーにあったとはいえ、十数分持ち歩くだけでも温度があがります。ホッピーは三冷が美味しいわけですが、こういうときは雰囲気、雰囲気とばかりに、ちょっとヌルめのホッピーを片手に、猛スピードで流れて行く景色を眺めながら一杯。RF1で買ったお惣菜をつまみに「ん、いいじゃない」と言うと、妻はちょっとあきれ顔をしていました。

プレミアムホッピーは、通称「白ホッピー」と「黒ホッピー」の中間に近い色みで、ふっくらとしたロースト香で、ホッピーシリーズの中でもっともビールっぽい仕上がりに感じます。ラベルにはわざわざ麦芽100%、海洋深層水仕込と書かれているあたり、こだわりのホッピーのようです。その昔、ビールは贅沢品で、ホッピーは安価な代替え品としての位置づけで飲まれていたようですが、いまどきのホッピー好きはビールの代替えとして飲んでいるのではなく、ホッピーが好きだから飲んでいる人が多いと想像しています。あえてビールに近づける必要もないのになぁと思いつつも、あっという間に1本空いてしまいました。

近いうちに「ちゃんとしたホッピーを」飲みに出かけよう、という気持ちになりました。

結論その1:ホッピーは、やはりきっちり冷やしてから飲むほうが圧倒的に美味い。
結論その2:新幹線は意外に揺れるので、プラコップは不安定で危ないから、ホッピーセットは新幹線移動には向かない。
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ゆがふ島と泡盛なかゆくい4周年

2009年09月13日 | その他
更新頻度がすっかり落ちてしまっておりますが、なんとか元気に生きております。今日でブログ「泡盛なかゆくい」がスタートして、ちょうど丸4年になりました。ひたすらに酒呑みの酔いどれブログではございますが、いつもご覧いただいている皆様、本当にありがとうございます。最近、気軽さと手軽さを兼ね備えたtwitterなんぞを始めてしまったせいで、ブログの更新頻度がスローダウンしているのですが、同じようなブロガーさんは他にもいらっしゃるようで、妙な安心感のまま本日より5年めに突入いたします。

さて、話は変わりまして、閉店してしまった大宮の沖縄料理店「波のうえ」で2001年頃に料理人をされていた栄昇さん(保坂尚輝に似ているイケメン!)が、2008年12月にたった独りでお店をオープンされました。私の自宅から彼のお店まではちょっと距離がありまして、自転車ならダラダラとこぎ続けて45〜50分、電車なら数駅ほど通勤定期と逆方向に乗ってからJR宇都宮線の東大宮駅を降りて6〜8分ほど歩きます。そんな近いような遠いようなところにお店がありますので、なんとか月に1〜2度のペースで出かけては、美味い料理をごちそうになっています。店の名前は「Private Dinning ゆがふ島」。満を持してご紹介させていただきます。

「ゆがふ島」は、沖縄料理を中心としたメニューで、どの料理もかなり丁寧に手間ひまかけて調理されています。特に中身やテビチなどの下ごしらえが聞いたことのないほどに丁寧で、モツ系独特の臭みをほぼ感じないほど。内臓系の料理が苦手な人にも「ゆがふ島」なら美味しくいただけること間違いなし。料理に使う野菜類も、基本的にはオーダーが入ってからカットして調理するというこだわりぶりです。まだ全部のメニューを制覇したわけではないですが、ゆがふ島の「てびち汁」は、ダシの効かせ方といい豚足の下ごしらえといい、恐らく沖縄で食べたそれよりも完成度が高いのではないかと、かつての食べ歩き「てびちマニア」な私は思っています。あえて料理の写真は小さくしか載せません。ぜひご自身の目で舌で、味わってみてほしいです。

栄昇さんと私の縁をもたらしたのが「波のうえ」でしたが、「波のうえ」をお辞めになった後、西表島のペンションで料理の腕をふるったり、都内・県内各所でいろんな料理店を経験をされてきたとのこと。かつて軽井沢では、彼の作るオムライスが評判になって行列を作ったこともあるそうです。残念ながら私は、彼の沖縄料理以外の活躍をあまり存じ上げないのですが、お通しで出される前菜には、フランス料理などの洋食料理が採りいれられていたりして、その本格的かつ多芸ぶりは「ゆがふ島」の料理全般を通じて窺い知ることができます(写真の右下は、デフォルトメニューにはないデザートにいただいたクリームブリュレ)。

「波のうえ」でもそうでしたが、栄昇さんの料理は、とにかく泡盛とぴったり合うのが特長です。泡盛の品揃えは店の規模にしては良いほうだと思います。近々「ゆがふ島」で扱っている泡盛のテイスティングチャートを私が制作することになりました。きっと私のテイスティングノートを写すだけでは読んでも面白くないでしょうから、料理メニューと連動させて、栄昇さんの料理が決まったあとに「この料理に合う泡盛って何かな?」「この銘柄はどんな泡盛なのかな?」など想像が膨らむようなチャートにしたいなぁと、勝手に企んでいます。

「ゆがふ島」は全部で14席(4名テーブル座敷席2つ+カウンター6席)ほどのこじんまりしたお店ですが、自宅でくつろいで飲んでいるかのような気にさせる空間は、栄昇さんの工夫やこだわりが満載。「ゆがふ島で過ごす時間は、とにかくリラックスしてください」と言われて、ついつい長居するクセがついてしまいました。調理からお酒から、すべてを独りで切り盛りしているせいもあって、料理が目の前に届くまでの時間がちょっと長めになる傾向がありますので、できることなら早い時間からスタートして、ゆっくりとのんびり過ごされることをお勧めします。

混雑する日と空いている日の差がとにかく激しいのと、満席で入れなかったときの代替えとなりそうなお店が周りにないので、行かれる際は、必ず電話で確認をして、できれば予約してから行くと安心です。電車で行かれる方は、終電にもお気をつけください。実は先日もつい長居をしてしまって、ぎりぎり終電で帰宅したのでした。危ない危ない。

◎Private Dinning ゆがふ島
埼玉県さいたま市見沼区東大宮6-30-34 Tel. 048-685-3672
不定休ですが、だいたい月曜日にお休みするようです。
※特典情報※ ゆがふ島で「泡盛なかゆくい」を見たとお伝えいただくと、不肖、私めがオススメの泡盛をグラスで1杯プレゼントになります。ぜひ足を運んでみてください。土曜日あたりは、私と遭遇する確率が高いですよ。
Private Dinning ゆがふ島「マイタウンさいたま」
お〜り と〜り ゆがふ島ブログ

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秩父蒸留所 ベンチャーウイスキー

2009年08月23日 | スピリッツ/リキュール/ウイスキー/焼酎
お盆休みと言えば、いつもなら普通に仕事をしておりましたが、今年は珍しくお盆に少しだけ休暇を取りました。社会人になってお盆に休むのは、初めてのことかもしれません。社会人18年目にして、やっとサラリーマンらしくなったということでしょうか。

休暇の日程が一緒になった妻が、埼玉県は秩父にある阿左美冷蔵の「天然氷のカキ氷」を食べに行きたいと言いました。そのカキ氷は、テレビでも紹介され、フリーペーパーのR25でも紹介され、しかもお盆期間とくれば大混雑だろうと思ったのですが、秩父なら「イチローズモルト」で有名な秩父蒸留所があるな、よし行ってみるかと、帰省渋滞に巻き込まれるのを覚悟で秩父までドライブすることになりました。

一杯のカキ氷(うまかったですよ)を食べるためだけに、泣きそうになりながら炎天下に2時間ほど行列に並んだ後、秩父蒸留所がある「みどりが丘工業団地」をカーナビにセット。2008年に稼働したばかりの新しい蒸留所なので、ナビに電話番号を入れても、住所を入れても目的地として見つからないのですが、そこは田舎道ですからなんとかなるだろうと工業団地だけを目印に行ってみることにしました。

工業団地入口の信号を曲がると、いかにも工業団地らしい大きな建物が並びちょっと不安になります。数分ほど車を走らせると、すぐにキルン塔らしき建物を見つけることができ、無事に秩父蒸留所に到着です。受付らしき建物の前に車を止めると、数名のスタッフが仕事をしている様子。お盆は休みかもしれないな、カキ氷が主目的なので到着時間も読めないしと、連絡もせずに行ってしまったため、見学はさせてもらえないと断られてしまいました。小さい蒸留所なので、見学に同行してくださるスタッフさんは仕事をやりくりせねばならず、あらかじめお願いしておかないといけないとのことです。せっかくなので、建物の外からでもいいので覗かせてくださいとお願いして、窓越しにデジカメで撮影したのがこのポットスチルの写真です。

スコットランドのフォーサイス製のストレートヘッドのポットスチルが2基、いずれも2000リットルの容量だそうです。左が初留釜で、右が再留釜です。「小ぶりながら実にセクシーだ!」と興奮しながら、窓越しにポットスチルを撮影していたら、妻が「まったく酒呑みの趣味はよくわからない」と呆れていました。ウイスキーは貯蔵されるエリアの自然環境の影響を直接に受けます。秩父は山に囲まれた盆地で、四季の気温変化も激しいですし、朝晩の寒暖差も大きい地域です。そんな自然環境にある工業団地で熟成される「秩父の」ウイスキーは、はたして一体どんなウイスキーになるのでしょうか。

いま流通している「イチローズモルト」は、ベンチャーウイスキー社長の肥土伊知郎氏の実家である「羽生蒸留所」が経営が傾いて廃棄するはずだった400樽の原酒をなんとか引き継いで育てたもの。国産ウイスキーが水割りでの飲みやすさを追求したものが多い中、イチローズモルトは、高級なお香を思わせる香りに、ほのかな甘さが感じられる個性的でしっかりした味わいのウイスキーです。2008年2月にはイギリスの専門誌「ウイスキーマガジン」主催のコンテストで、21年以上熟成部門などの2部門でベストシングルモルトに輝いた実績があります。

私の住むさいたま市と秩父はちょっぴり離れていますが、同じ埼玉県つまり「地元のウイスキー」です。地元に蒸留所がある、というのは、酒呑みとしては何はともあれ応援したくなるというものです。今回、秩父で美しいポットスチルを見ることができて、やっと沖縄に住む泡盛愛好家と同じ気持ちになれた気がしました。将来、秩父蒸留所からどのようなウイスキーが誕生するのか、今から楽しみにしたいと思います。
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