ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

二葉鮨 (2) @東京・東銀座

2013年10月15日 | 東京都(老舗)

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新装なった歌舞伎座からほど近い、創業が明治10(1877)年の老舗「二葉鮨」。東銀座のビルの谷間に現れる2階建ての古い木造建築はここだけ異空間のよう。前回訪問からはずいぶん久しぶり。以前から是非とも食べてみたいと思っていた(が、ついつい握りにしちゃう)ばらちらしを注文しようと昼時に訪問した。

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相変わらず風格のある建物は中に入ると「いらっしゃいましっ」の声がかかる(東京の老舗は「いらっしゃいませ」ではなく江戸言葉の「いらっしゃいまし」と声掛けするところが多い)。電球色に照らされたつけ台は弧を描いた珍しいもの。壁には昔盛り込みに使ったであろう大皿が何枚も飾られている。もちろん建物が古いので傷んだり、傾いだところも目につくが、大切に扱われているだろう店内の全てが歴史を感じさせる。たしか建物は昭和26年の建築だと主人に伺ったことがある。つけ場では主人が、そしてお運びは若い衆がてきぱきと動き回る。

ほどなくして運ばれた鎧櫃(よろいびつ)のような蓋付きの塗りの入れ物に綺麗に敷きつめられたばらちらしは、海老の赤色、玉子の黄色、さやえんどうの緑色、椎茸の茶色、そしておぼろの桃色ととても華やか。その下には、白身、こはだ、まぐろ、かんぴょうなどが小さく切りつけられ、どこから食べても楽しい。タネは全て手が加えられていて、切った刺身を載せただけのその辺のちらし寿司や海鮮丼ぶりとは似て非なる本物の江戸前の鮨。タネを少しづつつまみにしてお酒をいただきたい欲求と戦い、なんとか自粛した(笑)。これだけ手がかかっているものをこの空間でいただく事が出来て値段は3,000円に満たない。とても贅沢な気分に浸れる旨い鮨だった。(勘定は¥2,620)

以前の訪問はこちら

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二葉鮨

東京都中央区銀座4-10-13

(二葉 ふたばずし 銀座二葉鮨)


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