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ミューちゃん、安らかに・・・

雨降りの次の朝でした。
チェックアウトされたお客様が小さな猫を手に戻ってこられました。
「私の車の下で泣いていました・・・」
ずぶぬれで、よく見ると怪我をしているようです。
とにかく、受取り、タオルでくるんでカゴに入れました。
その子猫は野良猫ちゃんのようでした。
2カ月ぐらいでしょうか・・・
怪我をしている様子なので、ホテルの若女将が病院に連れて行くことにしました。

「ミュー、ミュー」
ネコちゃんは、病院へ向かう車の中でも泣いていました。
病院でレントゲンを撮ってもらうと、大腿骨骨折、胸も白くなり、片目が寄っています。
獣医の先生が注射器で水をくちもとに持っていきましたが飲もうとしません。
キャットフードのペーストを置くとどうでしょう。
力なく横たわってはいましたがペロペロとなめようとするではありませんか。
獣医さんがネコちゃんの様子を見ながら
「今日の夕方が峠でしょうが、この子に生命力があれば助かるかもしれません。」
とおっしゃり、入院させることにしました。

その2時間後です。
「ネコちゃんが亡くなりました。」という連絡がホテルに入りました。
病院に迎えに行くと、猫ちゃんはきれいな姿で横たわっていました。
ノミがたくさんいたようでその処理もしていただき、
点滴もして酸素室に入れていただいたようです。
その姿を見たときに、付き添った若女将は、思わず涙が流れてしまったと言います。
せっかく、この世に生を受け2カ月まで育ったのに、車に轢かれてしまったのです。
小さな命が絶たれた背景には、無責任に動物を飼う人間の姿があるのではないでしょうか・・・
ねこちゃんの亡きがらは若女将が引き取ることになり自宅のいっかくに埋葬したそうです。
名前のなかったネコちゃんは「ミュー」ちゃんと名付けられ、小さな墓標にその名前がきざまれました。
ミューちゃんとの関わりはほんの数時間、それでもホテルに来たのは何かのご縁でしょう。
ミューちゃん、短い生涯だったけれど、どうぞやすらかに・・・
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