ヴァイオリンとフルートのRio

69歳、ヴァイオリンとフルートに取り組んでいます。

ヴァイオリンで不思議に思うこと(8)

2011年02月28日 05時12分25秒 | ヴァイオリン
 ヴァイオリンの形状はとても不思議です。胴や駒の形状、f字孔も独特です。これらは弓を使って弾く事に由来するものだそうです。

 最も不思議なものはスクロール(渦巻き)で、音色に影響を与えることが無い部分と言われているにもかかわらず、手間をかけて作られています。

 スクロールが無かったらどうなのでしょうか。日本の三味線にはスクロールは無く、海老尾という部分になっています。この海老尾は先端がとても欠け易いのだそうです。ヴァイオリンの場合、水平に置く際には裏板の膨らみとスクロールの裏側がテーブルなどの水平面に接しますので、置くだけで欠けることは無さそうです。従って、先端にヴォリュームを持たせると共に丸みを帯びさせて欠けを防ぐ目的がありそうです。

 それなら、わざわざ渦巻き形状にする必要は無さそうで、現に動物や鳥の頭の形状のものや様々な形状の異形ヴァイオリンもあるようです。

 一方、ルネサンスやロココの家具には、猫足や渦巻きの彫刻を有するものがあるそうで、家具にヒントを得た可能性もありそうです。家具の製作とヴァイオリンの製作は似通った分野ですから、二つの分野間での兼業や転業もあったと聞きます。こんなところがスクロールの起源かも知れません。

 ヴァイオリンの胴は複雑な曲線形状を有していますから、デザイン的な統一感の点で、渦巻きがあるとマッチすると考えられたのかも知れませんね。

 なお、スクロールの製作目的ではないかもしれませんが、この部分を利用すれば、ヴァイオリンを安定に吊り下げることが出来て、塗装の際の乾燥や、製品の一時保管などに便利でもあります。

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ヴァイオリンで不思議に思うこと(7)

2011年02月25日 09時30分07秒 | ヴァイオリン
 ヴァイオリンは温度や湿度の変化にデリケートと言われます。私が通った教室でも、実際にある生徒さんの楽器が夏場の温度上昇により板がはがれたと聞きました。でも、こういう事故は、頻繁に起こるのでしょうか?

 温度上昇により板がはがれるのは、接着剤が軟化し接着力が低下することもありますが、材木の反る力との関係もありそうです。ヴァイオリンの側板は熱で曲げて作るのだそうで、歪が残っていると元に戻る力が働きそうだし、表板や裏板が温度上昇により反って来れば、はがれやすくなりそうです。

 側板などの曲げ加工については良く知りませんが、曲げた状態で長時間保持すれば、歪が除かれるでしょうし、板の反りは、十分に寝かせた材木を使うことにより避けられそうですから、注意深く作られた楽器なら、板がはがれる事故はあまり起こらないのではと思います。

 湿度の影響もよく言われます。ヴァイオリンは湿度が高い日本には向かないという説もありますが、空調を利用し、不使用時にはケースに収納すれば、大丈夫そうです。また、逆に冬場は乾燥によるトラブルがあるとも言いますが、湿度が下がっても、木材が持つ水分は一定以下にはならないと聞きますので、乾燥のために板がパリンなんて言うことはめったに無さそうに思います。

 温度や湿度以外に光の影響もありそうなのが、表面の塗膜の経年的劣化です。ヴァイオリンの塗装に使われる塗料は、恐らく、伝統的な家具の塗料と似たもので、樹脂としては天然樹脂が使われ、着色には染料が使われているのだろうと思います。いずれも、長期的には劣化が避けられませんが、家具と同様、日光に当てて使うものではありませんので、ふつうの使用であれば、差し支えが無く、とは言え、経年的に色は褪せるし、塗膜は摩耗して薄くなります。

 ヴァイオリンを弾く人はおおらかで、むしろピッカピカの新作は肩身が狭いくらいであり、多少変色しようと摩耗しようと、貫禄とみなされて価値が上がるというものです。

 ヴァイオリン以外の分野の塗装は今やスプレー塗装が主流で、塗料も合成樹脂系の塗料、中には紫外線硬化性のものもあります。塗料の設計の自由度も大きいですから、塗膜の硬度、耐光性、耐候性などの向上も図れますが、伝統的なヴァイオリンからは離れてしまいそうです。量産品の場合なら新しい塗料も使えそうな気がしますけれど。

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ヴァイオリンで不思議に思うこと(6)

2011年02月23日 04時45分28秒 | ヴァイオリン
 イタリア製のヴァイオリンの人気は高いようです。人気先行とも言われますけれど、製作の伝統があるでしょうし、良い木材の入手も容易なのではと言う気がします。

 ストラディヴァリなどの歴史的な製作者が用いた木材は、北イタリアのスプルースとメイプルだったそうで、クレモナや周辺の都市でヴァイオリン作りが盛んになったのも、適した木材の入手が比較的容易だった事もあるようです。

 現在では、北イタリアだけでは良材の調達が難しいらしく、クレモナのホールマークでも、木材の産地については規定が無いようです。

 スプルースはドイツなど、メイプルはボスニアという話も聞きます。中国製のヴァイオリンの場合には、ヨーロッパの材以外にも、中国産の良材が手当てできるそうですし、南米でも調達が可能と聞きます。従って、現在では、木材の点に限っては、イタリアの優位性は無さそうです。

 なお、日本でヴァイオリンを作る場合には、日本の松や楓は樹種としては似ていても、ヴァイオリン製作用には適していないそうで、イタリアなどからの輸入材を使うようです。

 と言うことで、木材の話に限れば、イタリアの優位性はあまり無さそうです。

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ヴァイオリンで不思議に思うこと(5)

2011年02月21日 09時41分01秒 | ヴァイオリン
 ヴァイオリンを選ぶ決め手は音ですから、自分で弾くにしろ、他の人に弾いて貰うにしろ、音を確かめて買います。

 試奏のためにお店を幾つも巡り、多数の楽器を比較するのは楽しい反面、大変なことで、郊外や遠方に住んで居る場合にはなおさらです。楽器店のホームページを眺めても、作者の経歴や楽器の写真だけでは、実際にどんな音の出る楽器なのかは分かりません。

 こう言う場合、ネットで音を試聴できるようにしてあると有難いです。お店にとっては面倒だし、技術的な問題もあるのでしょう。でも、新たな客を掘り起こすことにつながると思います。

 こうした試みを行っているお店は意外と少なく、不思議な気がします。それでも幾つかの例があります。楽器の音を紹介する際、出来れば、同じ曲を同じ演奏者で、勿論、その他の条件も揃えておくことが理想で、その点も満足しているお店もあります。そのお店では新作やモダンを同じメロディーの演奏で比較できるようにしてあります。

 先日、期間限定で公開された音を試聴して見ました。目玉のが新作としては普通の価格ながら、Corrado Belliに次いで深みのある音で、なかなかのものと思いました。

 と言うように、録音を聞いてみると見に行きたい気がわいて来ます。勿論、圧縮された音ですから、これだけで判断することはできませんが、楽器の広告には楽器の写真以上に音を付けることも必要なのではと思います。

《3/23追記》
 Corrado Belli、Simeone Morassiの音は宮地楽器さんが特別企画用にアップされ、企画終了後に姿を消したようになっていましたが、「Corrado Belli 宮地楽器」、「Simeone Morassi 宮地楽器」で検索すると試聴できます。もう一人のJan Bartosはホームページから探せます。

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ヴァイオリンで不思議に思うこと(4)

2011年02月18日 09時45分13秒 | ヴァイオリン
 楽器ではなく弓についてです。弓は楽器の付属品なのか、それとも楽器の一部と考えるべきなのでしょうか。

 弓の値段はピンキリ、年数の経過した名品なら数千万円の物もあると聞きます。国産の市販品なら2万円前後から100万円くらいです。何がどのように違うのでしょう。

 本質的な事ではありませんが、外観の違いならあります。弓の金具にはニッケル、銀、金などが使われ、フロッグには黒檀、珍しいものでは象牙や鼈甲も使われます。良い弓にはそれなりの金具とフロッグが使われる慣習と聞きますから、一応の目安になります。ただ、ある程度から上の弓は銀・黒檀か金・黒檀ですから、決め手にはなりません。

 弓で最も重要なのは棹の材料だそうですが、ほとんどの弓の棹にはフェルナンブーコという木が使われていて、見ただけでは良し悪しの区別が付きません。

 想像するに、原木から木取りを行なう際に、木のどの部分から取ったものかによって性質が違うでしょうし、実際に弓を製作する人が見て、持って、曲げたり振ったりしての判断もあるでしょう。物理的な測定も参考にするかも知れません。

 私の経験では、初心者用セットに付いていた弓は先端が曲がっていましたし、棹の強度も弱いものでした。テンポの遅い童謡くらいを弾くなら問題ありませんが、多少とも速い曲や弦から他の弦に移る際の反応が不十分な気がします。

 一概には言えませんけれど、棹は硬いものがよく、これはスクリューを回して見れば分かります。そして弾いて見て弾き易いものを選ぶべきで、今、練習していて苦労している箇所を弾いて見れば、誰でも分かると思います。

 買うかどうかは別にして、100万円を越える高価な弓を試して見ると、弾き易い弓がどんなものかが分かりますので、遠慮せずに高価な弓を試して見ることをおすすめします。楽器は主に音の良し悪しを決め、弓は弾き易さを決めるものと思いますので。

 弓は楽器とは別の付属品と思いがちですが、楽器の選定以上に弓の選定は重要で、むしろ「最初に弓ありき」であり、極論すれば、弓は楽器の一部とも言えそうな気がします。

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