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趣味のハナシ 筆記用具 その1

2007-03-05 22:31:33 | 過去のBlog記事

いままでは、作品の話やモノづくりについての僕の考えを書いてきましたが、
ちょっと気分をかえて、僕の趣味についてお話しようとおもいます。
モノが大好きですから、たくさんハマっているものがあって、どれを話そうかな~って迷います。
そこで、はじめは鉛筆や万年筆など筆記用具についてお話しようと思います。



まず、自分で言うのも何ですが、字がきれいなんですよ(笑)。
今、僕は教育者をしていますが、今の子は本当に字がヘタクソです。
ひらがなにしろ、カタカナにしろ、漢字にしろ「字をきれいに書く」というのは
日本語での必須条件だと僕は思うんです。父が厳しかったこともあり、
幸い僕は子どもの頃から字の書き方に関しては、厳しくしつけられてきました。



職業がデザイナーなので、まず鉛筆には格別な思い入れがあります。
筆やボールペン、ガラスペンのコレクションもむちゃくちゃ多いけれど、まずは鉛筆ですね。
鉛筆って、「どこで寿命を終わらせてあげるか」が難しいですよね。


僕は、ある程度の短さになったら、名刺ケースの長い方に合わせ並べます。
それよりも短くなったら、今度は名刺ケースの短い方に合わせる。鉛筆にしろ、色鉛筆にしろ、
ケースがいっぱいになったら、それは自分のデザイン活動の歴史そのものだと思うんです。


デザイナーになって35年。鉛筆のつまった名刺ケースがいっぱいあります。
それを学生たちにも見せています。この「お亡くなりになった鉛筆たち」(笑)を見せると、
彼らの「筆記具に対する気持ち」を引き締めることができるのではないかと思っています。



僕らデザイナーの職業は、白い紙の上にラインを1本書くことから始まる。
そのライン1本、最初は1円。続けているうちに、1本が10円になり、100円になり、
やがて10万円にもなるかもしれない。白い紙の上に1本の鉛筆で自分のアイデアを出し、
何本かの鉛筆を使いながら、やがて結婚をし、家を建てて……と人生を歩む。
「その覚悟は出来ているか?」ちょっと浮かれているな、と思う学生やデザイナー志願者には、
そう問いかけるようにしています。



僕はフリーランスになってから、紙に1本の線を書いては、
「あ、やっと1円分描いた」と思うところから始めました。時を重ねるにつれ、
これが鉛筆からボールペンに変わってくる。東芝時代には、上司が海外出張に行ったお土産に、と
クロスのボールペンを買ってきてくれました。細い金無垢のボールペンです。
つい最近壊れてしまってとてもショックでした。このボールペンをすこぶる大事にして、
「このボールペンを使いこなしてやろう」と誓ったのが、東芝時代の僕でした。
それから、ボールペンの世界にどんどんのめり込んで行ったのです。


01_pencil

(次回につづく)