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Kazuo Kawasaki Ph.D(増永眼鏡) その1

2006-06-27 13:00:31 | 増永眼鏡

僕はデザイナーですから、作品が商品であり、商品が作品ということになるんですが、
今回は僕がデザインしたサングラスについてブログでお伝えしたいと思います。




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僕は出身地が福井県なんですが、その鯖江市というところが日本の96%くらいを占めるくらい、眼鏡産業がすごく集中している地域でなんです。世界的な眼鏡の生産地というと、日本では“鯖江”というのがまっさきに出てくるくらいなんですよ。


その中で、Kazuo Kawasakiブランドの眼鏡を造ってくれているところが、眼鏡の地場産業を起した増永五左エ門という方が創業した「増永眼鏡」です。
1905年に創業して、もう100年以上経つ、日本で一番古い眼鏡メーカーなんです。そこで僕のブランドを創っていただきました。出だしはなかなか難しかったのですが。
コンセプトは「スマート&ハイテクノロジー」ということで、眼鏡に初めてインダストリアルデザインという考え方を取り入れました。従来だと、ファッションデザインの方だったりグラフィックデザインの方とかが眼鏡をデザインするんですけど、そういう眼鏡とは全く違います。



日本の眼鏡が世界に進出していくには、ある関門があります。それは世界的な見本市・ショーなんです。
パリで行うシルモ(シルモ・パリ国際眼鏡見本市)は、世界で最大規模の見本市なんですね。眼鏡だけじゃなく、いわゆるレンズもの、光学機械や光学機器全部の見本市です。そのなかの超目玉作品がサングラスなんですよ。サングラス部門というのは、その年の流行をも決定付けてしまうようなところがあって、それを日本のメーカーが受賞するなんてありえないと言われていまして。
それで増永眼鏡の社長と、「賞を狙うぞ」という話からKazuo kawasakiブランドは始まりました。



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それで僕が作ったのが「アンチテンション」という形です。(詳しい特徴はこちら
自分で調べてみても、どうしてもテンプルという耳かけのところの長い部分を持って広げると、レンズにひずみがかかるんです。ということはレンズの中心で、目と合わせるところは目の瞳孔なんですが、そこが何度も何度も使っているうちにずれてくるということなんです。だから眼鏡を長時間かけたりするとずれてくる。乱視の原因になるかも知れない。開いてかけているうちにレンズにひずみがかかると気づいたので、絶対ひずみがかからないものを創りたいと。それで、素材開発から生産まで考えて、4年かけました。



そうやって、20世紀の最後の2000年にシルモでグランプリを貰ったんです。それが世界的なヒット作になったし、超有名ブランドでも僕のデザインの考え方を真似るようになりました。また、それ以降は、次にKazuo Kawasakiブランドは何を出してくるのかと、世界から注目されるようになりました。



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