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Website『読書アクセス』の運営者カズノリによる業界・事業の動向まとめ

国内エアコン市場

2017-06-26 22:03:07 | 一般
一般社団法人の日本冷凍空調工業会(パナソニックや日立なども加入している団体)の統計によれば、家庭用エアコンの国内出荷台数は
・2013年に約940万台
・2014年に約810万台
・2015年に約820万台
・2016年に約850万台
と、800万台超で推移していることが分かる。さらに長いスパンで見ると、2000年代には一度も800万台まで届いておらず、段々と増えてきている。
総務省人口推計によれば2016年10月まで総人口は6年連続の減少であるが、一人暮らしが増えており、日本の世帯数の推移は
・平成22年には約5200万世帯
・平成27年には約5300万世帯
と増加である。
日常から考えて、世帯数とエアコン台数は相関することが予測され、市場として増加していると思われる。

それでは、今後のエアコン市場の動向はどのように推移するだろうか。このまま増え続けるのだろうか。
市場と技術に注目すると、現在の延長で予想される変化のうち、ポイントになるものは次の通り。
①一人暮らし世帯の増加は都市部人口の増加傾向からいって続く
②家電の性能が向上するたび、例えば空気清浄やセンサー、省エネ機能が良くなると、買い替えが起こる
③性能の向上はデジタル技術の進歩が速くなっていることから、ますます頻繁になる。(例えばセンサーの向上が温度も湿度も空気の清潔さも自動調整するなどは容易に考えられる)

仮にこの変化が続いてエアコンの性能が過剰になった際には、イノベーションの法則から、「④必要機能のみに特化した低価格製品が発売され、出荷台数は高止まりを続ける」だろう。
これはローエンド型の破壊的イノベーションであり、その担い手は現在の大企業ではない可能性もある。

毎年の買い替えが必要不可欠ではないという製品特性から、消費者の購買意欲は短期的にはマクロの景気に左右されるだろう。そのため多少の上下はあるだろうが、①~④の理由から長期的に出荷台数は伸びるか横ばいとなるはずだ。

以上から、エアコンは今後も魅力的な市場として技術革新が進み、性能の向上or低価格化が起こるというのが僕の見解である。

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シンギュラリティの動向

2017-06-22 23:02:24 | IT活用
様々な事業の動向を考える本サイトからみて、事業の全てに影響を与えるだけでなく社会を変えうる技術を避けて通れない。
その技術とは意思決定を強力に支配する人工知能(AI)の可能性だ。僕からみて、その可能性は存在している。

ウォール・ストリートジャーナルの報道で、脳の神経シグナルを解析して手足を動かす技術を知った方も多いだろう。
これは義手に対するものだが、脳波と手足との関係性を制御しつつあることが伺われる。

次に、VRやAR技術のニュースサイト記事から、人を覆って行動を拡大することのできるロボットスーツの存在が確認できる。
また、最近の脳波とPCをつなぐ技術の研究は日経新聞の記事でも取りあげられているようにシリコンバレーの大企業が開発に向かっている。

つまり、脳波から体全体までの制御にAIの入り込む余地が作られ始めているのだ。仮に「本来の脳波を一定時間制御し、その間AIの制御に委ねる」とした場合、そこでは
・経済的に不合理とわかっていながらわき道にそれる余地
・論理的に正しいと合意された行動をそれる余地
が全くない。与えられた目的を達成するのに、とても合理的なのだ。

今後、装着することでそのような成果を得られるマシンが出来たとして、それはどこに使われるだろうか。
・教育熱心な親が子どもに勉強をさせるかもしれない。
・生産性向上を求め、企業で装着が決まるのかもしれない。
等がすぐに考えられるだろう。

これまでに、相手の意思決定を一切許さないくらい強烈に「自分の言うことを聞かせたい」と望んだことはないだろうか。
「最善の行動」を取らせてあげたいと願ったことはないだろうか。
或いは自ら意思決定することを放棄して「最善の行動」をとりたいと願ったことはないだろうか。

いずれAIは人々に集合知を提供出来るようになるだろう。集合知は人々の行動履歴の総体からくる知恵であり、多くの試行をもとにした提案は最善の行動に極めて近いはずだ。
最も経済的に優れた行動、最も特定の技能の習得に優れた行動、最も健康に良い食生活を導き出してくれるに違いない。

今後世界の支配権を人間からAIが奪い取る“シンギュラリティ”が起こるとして、それに向かう動きは人が人間性を放棄しよう・放棄させようとする心から出てくるだろう。
そして工業化時代のときに資本家が多くの労働者の人間性を抑圧したことからすると(ミヒャエルエンデ「モモ」のテーマでもある)、その歴史が繰り返される可能性はあるのだ。

このことから、「世の中の決定権が人間からAIに移っていく可能性は存在する、それは人々の心の働きによる」、というのが僕の見解である。悪いことなのかどうかさえ、多くの場面につき議論の余地が出てくるだろう。
間違いなく、今後社会の直面するテーマになる。

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クラウドサーバー運営事業

2017-06-14 12:48:18 | IT活用
クラウドサーバー運営事業は、レンタルサーバーと異なりどこかのデータ領域を特定の複数で共有したり或いは専有する体制ではなく、膨大な容量のデータセンターにつき、利用した分だけ料金がかかる仕組みである。
現在数多くの企業の参入が見られる。
個人であっても、画像や動画など多少大型のデータを扱うホームページを作ろうとする場合選択肢となるが、いざその業者を調べ始めると数の多さに驚くはずだ。

総務省の平成27年度情報通信白書によると資本金額の大きい企業を中心に普及が急速に進んでおり、
・2013年末には33%が利用
・2014年末には39%が利用
となっている。
また、その後もネットニュースを読み流す限りクラウドサーバーの普及は著しいように思われる。
クラウドサーバー運営事業の業務プロセスは、
①データセンターの設置
②仮想サーバー(VPS)を設置して料金設定と広告を行う
③サーバーを運用しつつ月額料金取得
というものだ。

ここで、①のデータセンター設置は参入企業の数から言っても、最低限商業の出来る規模のものは作れると考えられるので、競争ポイントがありそうなのは②③である。
ここで、②は料金と広告の分かりやすさが利用を考える人からの競争ポイントであろう。特に、知識から言って
・個人であれば料金も分かりやすさも
・法人であれば料金が格別に第一
ということになるはずだ。

また、③については運用のシステム的な性能、人的な丁寧さが競争ポイントになる。回収はネットでの金融がどこでも普及していることから競争と考えづらい。

それでは、現在の市場と今後の展開はどのように考えられるだろうか。
現在、世界でも特に大きいクラウドサーバー運営者は各種メディアでは料金が安いと言われているが、その見積りはシステムの展開にもより容易ではない。
ただ、「.com」ドメイン取得更新にかかる料金を国内業者と世界規模業者で比較したところ、その批評は正しく感じられた。

つまり、現在価格競争力は既に世界規模クラウドにあり、国内業者の競争力は顧客対応の丁寧さにある。
このとき、現在は例えば世界規模業者には一部日本語非対応のページがある他記載がそもそも専門的であるなど、国内業者に優位性が見られる。今時点で国内業者を選ぶ顧客は、(比較したとして)この点に魅力を見いだしたはずである。
また、世界規模クラウド業者のサイトを見る限り機能のさらなる充実に向けた開発へと力を向けており、顧客ロイヤリティは性能の優位性で得ていく考えであるように思われる。

以上から、今後クラウドサーバー運営事業は
・顧客対応を個人顧客にまで丁寧に行う方針を追求する国内業者
・規模からの価格優位性に加え、さらなる性能を追求する世界規模業者
という二極化が進んでいくというのが僕の見解である。

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定額制動画配信事業

2017-06-08 08:23:22 | IT活用
定額制動画配信事業は、今やアメリカ発のネット会社だけでなく、国内のネット会社、携帯会社、テレビ会社など様々なプレイヤーの参入する競争の激しいビジネスである。

総務省のH28情報通信白書によれば、定額制動画配信サービス市場の成長は世界的な兆候であり、世界全体で
・2014年には契約者約180万人
・2015年には契約者約240万人
・2016年には契約者約280万人
と推移している。
そして日本では、
数年前にはアメリカ発の配信事業が国内テレビ会社に売却されるなど苦戦が見られたが、今は国内番組も揃えて市場を拡大し続けている。このサービスは、今後どのように展開していくだろうか。
業務プロセスは過去も現在も

①映画配給会社、テレビ会社、番組制作会社からコンテンツ購入
②ネットで配信可能にする
③顧客に利用方法やコンテンツを宣伝して契約をする

というものであり、多くの企業が参入出来ていることをふまえれば②の技術的障壁は高くなく、競争ポイントは①と③にあると推測される。
それらは具体的には、
①: 消費者のニーズに応えるか
  安く仕入れられるか
③: 利用方法は広く知られているか
  コンテンツが理解されているか
となる。
ここでまず、最初に日本に来た動画配信業者は主に③で苦戦したであろう。洋画の市場は各種イベントを見ても日本が特別に少ないと考えづらく、日本のテレビが強かったという理由では片付けられない。
2011年のスマートフォン普及率は総務省統計で30%未満であり、
・ネット上の各種調査で20代までの半数近くが動画をスマートフォンで見ているとされていること、
・日常にその光景をよく見ること
からすれば、かなり③で不利だったことが予想される。

現在は60%を超えたスマートフォン普及率もあり、動画配信サービスというものの認知度も高い現在においては、競争ポイントは①に移ってきているだろう。
ここから考えられる展開は、
・動画配信サービスの認知のための広告費を、より良い独自コンテンツを作成するために振り向ける
・従来通りのコンテンツ水準で、値段を安くする
という2通りである。ただしYouTube等で映画が丸ごとアップされている現実を考えれば、後者はなかなか困難なものになることが予測される。

以上から、定額制動画配信事業はコンテンツの品質に資源を投入するようになり、差別化するために各サービスが独自の方向性を追求していく、というのが僕の見解である。

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ドローン活用事業

2017-06-03 16:33:46 | 一般
ドローンの活用が多くのイベントに見られ、ネットの記事も日増しに増えてきている。
この登場はビジネスの現場をどのように変革するだろうか?

まず、ドローンを飛ばすことにはリスクがあり、その法規制は国土交通省のサイトに詳しい。飛行禁止エリアが国土地理院の地図に示され、とても分かりやすいページ構成だ。
そしてその飛行禁止エリアは、例えば東京であれば23区内と周辺は含まれ、八王子辺りまでいってようやく一部解除されるなど、安全性を重視するものとなっている。
地方都市も多く含まれ、飛ばせる商業施設はサービスエリアなどに限定されるだろう。
また、イベントで見る限り、「運ぶもの」のほかに「遊べるもの」としてもとらえられる。考えられるビジネスモデルは以下の通り。
①高速道路で物資を地方拠点まで運搬したあと、山奥の宿泊施設や小型のサービスエリアといった物資運搬量が少なくリスクの少ない地点にドローン運搬を活用する
②ドローンを用いた競技を考え出し、屋内型競技場で遊べるようにする
③(空中の運航ルールが整備された場合には)人が乗って近距離移動手段として使う
④農業での耕作地管理ツールとして活用する

現在、ドローンの国内市場はネットで複数記事を見る限り200億円程度であると思われ、台数は調べることは出来ない。日常生活からすれば、ほとんど趣味か研究開発用、イベント向けでしか存在しないのではないか。
市場の実際のお金の動きも、ほぼ研究開発だと思われる。
日本で先行プレーヤーとされるプロドローン社の資本金が5億7千万円であることからは、ほとんど5億円は研究に使われるのではないか。
他に運搬業者やおもちゃメーカーも考えれば、研究開発費がほとんどであろう。本格的な展開はこれからだ。いつからになるか考えると、
①は、人が肉眼で見えない範囲まで操作を確実に出来るようになること
②(競技として楽しめるルールが考え出されて)安いプレイ料金を実現できるまで、製造コストが下がること
③人が乗るレベルの安全性を実現すること。おそらく一番遠い
④は、①と同じく操作性が高まり、農業に有用なセンサーも開発されて搭載されること

である。ニュースでは、それぞれの実現の目安やコストを考えることでビジネスとしての展開を読めるはずだ。

以上から、ドローン活用ビジネスは、見えないくらい遠くまでの正確な操作性の実現・製造コスト低減・安全性の高まりに応じて上記の展開をしていくというのが僕の見解だ。

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