テラじいさんの魔法 その35

やることなすこと気分次第。

夢と魔法のテラじいさん。

変態老人の自由奔放グラフィティー。

どうぞー。





やっ！　ワシじゃ！

あれからもうずーっと夢中で魔法のリハビリを続けておる。



だって忘れてた魔法を少しずつ思い出していくのが楽しいんじゃもんっ！



じゃがそろそろMPが尽きそうじゃ……。

いい加減休もうかの。

ほいっ！



MPの回復にはいくつか方法があるが、ワシの場合はこうして　すっぽんぽんになってリラックスすることじゃ。

難点はファブリーズの減りがやたら早い……。


◆◆◆



ちょっと町の連中相手に思い出したばっかの魔法を試し打ちしに行くでのっ！



ここならオバケとかオオカミとか変なの多いから大丈夫じゃろ。



……あの　……ちょと魔法をかけさせてもらってもいいですかね？



いや　だーいじょぶだーいじょぶ！　痛くしないからっ！



ちょ　あんま動かないで！　冷えるだけだからじっとしてて！



ブリザドッ！



うほっ！　効いとる効いとる！

鼻水がつららになっとるｗｗｗ



どうもありがとう。

しばらく寒いの続くけど、なんかあったかいもんでも飲んで治して。


◆◆◆



はい失礼しまーすっ！　魔法でーすっ！



ブリザラッ



ゲッ…………！



……ちょっと　……効きすぎちゃったかな？



ヤバいヤバいｗｗｗ　ずらかろｗ



……や　待て。

さっきから視界にムカツクもんがチラチラしよる……。



おい貴様。　今 公共の区画でイチャコライチャコラしとったな？　しとったよなぁ？

アツアツじゃな？　火照っとるな？



よーしっ！　そしたらワシがお仕置きクールダウンしてやろう。

いいか？動くなよぉー。



ブリザドッ！



ポンッ！



………………あ　……ゴメン　……リンゴ出ちゃった……。



ちょもっかい！　もっかい　いい？



いっくぞぉ～！



ブリザｄ　って　あらぁ～！？　やたらレインボーｗｗｗ


◆◆◆



あ……　さっきの娘……　戻ったか……



……なにその　一皮むけた感……

ブランニュー私　デビュー！　うるせぇｗｗｗ



……しかしこれよこれ。

なんでリンゴなんて出よったんじゃろ……。



ワシそういう方面の魔法使いじゃないんじゃけどなぁ～……。



まぁいいや。　せっかくじゃからとりあえず食べてみよう。



あ～ん



んっ！　わりかし甘みがあって、ほどよい酸味とマッチしｔ…………



ふぇ……



あ　やだ……　スゴく口の中がワキガの臭いする……



ワキガのガってそういえばファイガのガみたいなｍ……



ひゃっ！



…………あ～　わかった。　あれ毒リンゴだ。　絶対そうだ……。



ワシが元々ワキガじゃなかったら、きっと普通の毒リンゴが出るはずじゃったのに……

ワシが元々ワキガなばっかりに…………。



……でも今のでなんとなく毒リンゴの出し方わかった気がする。


◆◆◆



……え？　あれ……　お前……

まさか……　さっきのオオカミ？



うわぁ～！　見違えるほどの真人間じゃないのっ！

あれか！？　虹か！？　虹のやつ食らったからか！？　なぁ？



虹のやつなぁ……　あれもなんで出たんじゃかわからんのが困っちゃうよなぁ～……。



んっ！　いい感じだ。



ポンッ！

……なっ。　出たじゃろ？



つかんだ。　もう完璧に毒リンゴ出せるよワシ。



ここに置いておけば誰か食べるじゃろう。　デュフフｗｗｗ

みんな口の中ワキガになればいいのよ。



ん～……　ちょっとこの距離でも臭いがキツいな……。



少し焼き目入れて　焼きリンゴ風にしとくか。



焼き毒ワキガリンゴな。

それっ！　ファイアッ！



ボワッ！

……あちょなんか違っ



焦げた……？

違う？　なにこれ？　石？



もっかいじゃ！



ファイアッ……って違ぁ～うっ！



…………種になっちゃった。



これで最後じゃ。　しっかりキメるでのっ！

ほっ！



ビーーーッン！

…………ち、違いますぅー　ワシの熱烈おちんちんが光ってるんじゃないですぅー！



…………ちょうちょか。

…………ん？　待てよ。　……実はこれってスゴい魔法なんじゃない？



わぁ～っ！　ヤバいヤバい！　絶対そう！　ワシ天才っ！

黒魔法だの白魔法だの　あんなもんにこだわってたのがバカみたいっ！

これさえできれば賢者とかいう肩書きなんてどーでもいいわｗｗｗ



おい坊主。　今これは夢なのか現実なのかを確認させてくれ？！



……痛い？

……あ、痛いんだ。　じゃー現実じゃな。


◆◆◆



ただいまーっ！



お前ら　ちょっと聞いてくれ。

ワシな、偶然なんじゃけど、スンゲェ魔法を覚えてしまったのだよ。



毒リンゴを好きなものに変えられる魔法……

……え？　「毒リンゴじゃなきゃダメなのか」って？

…………多分。

その毒リンゴ自体ワシが出すんじゃけど……　そしてワシがワキガじゃから毒なんじゃろうけど……



もうね、錬金術とか目じゃないよ。

お前らなんか好きなもん言ってみ。　出してあげるでの。



よしっ。　そしたらまずは毒リンゴを……



出すっ！

って　あら？！　普通のリンゴが出たっ……！

ふふふ。　このへんがワシの天才たるゆえん。



ほんでそれに魔法をかけるっ！



ふんっ！



ポンッ！

…………あゴメッ　それ失敗のやつ。



もちっと広いとこでやろう。

ほっ！



ポワッ！



…………や　違う！失敗じゃない！　これが基になるんじゃ。



これに重ね掛けをして、と。

ハッ！



ボワワ～ンッ



ッシャーーーッ！

キタキタキターーーッ！



バーーーンッ



ふふふ。　あいつらの欲しがってたもんがまさかクリスマスツリーとはのぉ。

ついでに壁の飾り付けもしてやったマジ天使ちゃんなワシ。


◆◆◆



……おや？　デカ耳建築事務所さん (※テラじいさんの魔法　その25　参照) から電話じゃ。

なんじゃろ……？



あ～　どうもどうも　その節は大変お世話になりましタンゴマンボルンバ。

えぇ、えぇ……　ところで今日はどういったご用件で？



……え　…………は？

た、立ち退き……　ですと……？



またまたぁ～　ご冗談を……。

だってここの土地は市役所の方から使用許可出てるんですよ？！

…………え？　いや……　それはあの……　や……



……確かに野球のグラウンドのど真ん中ですけどねぇー……

手違いじゃこっちだって困りますよ……。

きょ、教育委員会とPTAぇ……！？　…………うわぁ～　もなんかメンドクセッ……

でもワシこの町じゃったらこの場所以外ヤなんですけど…………



……なんてこった。



ようやくこの町にも慣れてきたっていうのに…………。




つづく