夢色

集めてるもの 見たもの 書きたいものを 思いついた時に。
基本ネタバレ注意。
火月 神の気まぐれ よろずメモ。

<追憶>

2017-05-12 | Art

公開から1週間遅れで観てきました~。
今回とことん縁のない追憶(笑)


全体として、あぁ、大人に沁みる映画だなと思いました。
小作品なので、派手さはないかもしれません。
サスペンスというよりは、人の心を描く作品だったので、犯人捜しをメインにはおいていません。

岡田くんは、全体的に・・・眉間に皺(笑)
人の弱さみたいなのも表現してて良かったと思います。
ラーメン食べているときに、悟だと気づいて逃げるように店を出て行こうとしたり。
悟の娘に話をこっそり聞いているときに、殺される前日に電話があって、「これまで会いたくても会えなかった人に会えた」って言ってたと聞いて、もしかして自分のことを何か喋っていたんじゃないかって保身の気持ちが先に来てたり。
そういうのを見てると、3人の中で一番幼い印象を受けます。
一番最後に来た人だからかもしれないけど。

美那子と病院で話ているとき、手を 指を 手持ち無沙汰に動かし続ける、その心情の複雑さ具合。
手指フェチの私には目の保養w
最後、涼子のところで抱きしめられるまで動くシーンは、スムーズな流れで違和感がなく、抱きしめられた時のなんとも言えない安堵した表情に はぁ~っと観ている方もようやく安心することが出来ました。

なにより、一番のハイライトは、病院で手術が終わるのを啓太と2人で待っているときに、悟が「メンマまだ食べられないんだって」って言ってたと聞いた瞬間、思わず顔を覆って涙が溢れ、「ようやく泣けた」という感情の発露。
同時に、私も涙腺崩壊しました。。。
そして、アっちゃん、ケイちゃん、と昔のように呼び合って ふふって微笑み合った二人に、ほんとに涙でした。。。

篤が食べてたラーメン、あんなにメンマ入ってるとか、逆に私なら超テンション上がる笑。
代わりに食べたげるのに~( ´艸`)
実母の仕打ちに傷つき続けて、、、今更かよ!って。
どうしようもなくドロドロとした怒りや寂しさや混乱でぐちゃぐちゃな篤の胸の中に閊えた 嫌な気持ち。
辛そうに何かを抱えて、内に籠り続けている篤さん、そんなに一人で頑張らなくても大丈夫だよってギュッとしてあげたいって思ってました。


今回、なにより旬ちゃんが素晴らしかったと思う!
田舎(というと失礼ですが)の武骨な男、でも一番すべてを飲み込んで、抱えていく覚悟を決めた、太い芯を持った 優しく強い男を演じていたと思います。
冷静によくよく考えたら、本人のせいではないとは言え、とんでもない人間関係なんだけどさ・・・
それでも受け入れて一緒に生きていくことを決めた男らしさが、一番際立っていたと思います。
奥さんや社員と居るときの朗らかさと、岡田くんと対峙するときの無表情な具合が、より彼の役柄を魅せていました。

悟もすぐに死んじゃったから・・・。
ホントに幸薄い人だったなぁ・・・
守ろうとしたものに裏切られて・・・死んだあととは言え、娘さんに父親としての気持ちが少しでも伝わっていたのが、せめてもの救いだったかなぁ。
一番頼りなさそうなのに、篤と別れる瞬間に「ケイちゃんにまかしておけばいいから。アっちゃんは全部忘れていいから。」って言い聞かせて去っていくところが、彼は彼で しっかりとあの事件や今の涼子を受け止めていたんだなって思います。

昔の記憶が無くなったという涼子が、車の陰から見ている篤を目に留めたときに、ん?ってふと気になっているような素振りを見せたのが、たとえ記憶が無くなっても、昔大切に守ろうとしていたもののことは本能で覚えているのかなって、祈りにも似た気持ちで思いました。
女の愛情、母の愛に似た、本能的な部分というか。

だから、篤が一番”逃げていた”のかなと。
それでも物語の後半になるにつれて、徐々に自分の心に向き合い、彼をとりまく空気が穏やかになっていく感じがしました。


救いがある、とは言えないけど、でも救済の物語なんだと思います。
最後、なんとも言えない穏やかな静かな気持ちになれる。

富山の綺麗な景色も、激しく荒々しい景色も、それぞれが心情をよく表していました。
残念ながら岡田くんが撮ったシーンは、ストーリーに一生懸命のめり込んでたので、全然分からなかったw
逆にカメラマン・岡田准一として合格点だったということにしとこうw

レイトショーだったので、実は映画館はガラガラでした・・・。
派手で面白い!とかストレス発散!とか言える映画では無いとは思います。
でも、観て後悔はしない、あぁ、こんな映画を撮ることのできる日本に生まれて良かったなって思える、日本映画らしい映画だったと思います。
弱さ、浅ましさ、と同時に、強さ、美しさ、つつましさ、が同居する、矛盾した人間という生き物。
それをしみじみと感じ、そして観終わった後に温かい気持ちになれる作品です。
是非口コミで評判が広がり、たくさんの人が観てくれたら良いな、と思います

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