徒然なるままに・・・

映画よりJAZZにシフトチェンジ中・・・。

【映画感想・カ行】 逆境ナイン ★★★

2005-07-21 | 【映画感想・カ行】
ストーリー:
全力学園の弱小野球部キャプテン・不屈闘志は、
ついにある日、実績を重んじる校長から廃部を言い渡される。
愛する野球部を絶対につぶしたくない不屈は、無謀にも校長に「甲子園出場」を誓ってしまう。
イマイチやる気に欠ける部員たちを言葉巧みな屁理屈で操り、猛特訓を開始した不屈だったが、
野球を知らない監督の就任、様々なピンチにさらされる部員、
そして不屈自身も恋と野球の板挟みに陥るなど、次から次へと逆境に襲われてしまい・・・。
(goo映画より引用)

出演:
玉山鉄二、堀北真希、田中直樹、藤岡弘

監督:
羽住英一郎

くっ、くだらない。 だけど、面白い!

日本映画でもコメディ作品に金をかけて製作できるようになるとは・・・。
無駄なCGや、映像処理をおバカな映画に使うなんて嬉しいというか、
確実に日本映画は変化しているなと痛感させられた。

映画的には、チャウ・シンチーの『少林サッカー』のノリと変わらない。
不屈闘志なる魂の熱い主人公が、バカな野球部員と共に、
全力学園野球部廃部の危機を救うべく、
ありえない逆境をありえない展開で甲子園予選を勝ち抜いていく。

兎に角、不屈闘志は逆境が大好きで、逆境に追い込まれるとメラメラと沸き立ってくる熱い男だ。
野球のためなら、部員の不埒な行動も監視するし、豪雨の中での猛特訓もへっちゃらである。
だがしかし、この男は思い込んだら一直線過ぎてしまい、腰砕けの行動してしまう。
・・・って言うか、単純に人の言動に流されやすいバカと言えなくもない。
甲子園優勝校に不戦勝しただけなのに、勝ったと勘違いで有頂天となってしまったり、
勝手にマネージャーと恋に落ちたと勘違いし、恋の道突き進もうとしたりと、単純明快な野郎だ。
そんな単純そうな役を玉山鉄二が演じるのが新鮮で、いい男というイメージがあるせいか、
不屈のキャラクター自体と大きなギャップをいい意味で感じさせてくれ、
ナイスキャスティングと言える。

また、野球部監督も強烈で、野球を知らないくせに監督になる榊原。
偉大なる先人の言葉を語るのが得意な歴史教師である。その言葉が、
「それはそれ、これはこれ」、「恋に恋して恋気分」なんて、どいつが言ったんだ?
また、馬鹿げた行動の数々もクスクスと笑わせてくれるのだ。

野球部員の連中も、不屈のバカ一直線な行動に賛同しながらも、
大事な試合に女とデートだの、バイトだの、チワワに噛まれただの、
まともに試合に出ようとしない。
一体全体、本気なんだか上辺だけの気合いなのか訳が分からなくなる。

笑わせる演出も、スポーツ新聞の見出しのような文字を画面いっぱいに走らせたり、
コミックのようにボールに目がついていたり、
マネージャーが対戦相手にゲテモノ弁当を発注したり、
斬新さとベタベタさがごちゃ混ぜの手法でもって、次々と笑いを生み出してくれる。
そして、岡村孝子の「夢をあきらめないで」をテーマ曲にするなんて、
最後までバカっぷりを貫いているのに、違う意味で感動。

スポーツものとして考えていると、返り討ちにあう事間違いなし。
本当のバカ映画として頭を空っぽにして観るべきなのであります。


最新の画像もっと見る