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【映画感想・サ行】 さよなら、さよならハリウッド ★★☆

2005-06-12 | 【映画感想・サ行】
ストーリー:
オスカー2度受賞の元・巨匠映画監督ヴァルは、今ではすっかり過去の人。
細々とCM仕事を請け負って食いつないでいた。
そこにハリウッドのメジャースタジオからオファーが舞い込む。
実は、映画プロデューサーであり、ヴァルの元妻・エリーの計らいだった。
自分を捨ててNYから西海岸に移り住んだエリーに恨みも未練もたっぷりなヴァルだったが、
この際、背に腹はかえられぬと仕事を引き受ける。
ところが、クランクイン直前に心因性の失明状態に陥って…。
(goo映画より引用)

出演:
ティア・レオーニ、トリート・ウィリアムズ、マーク・ライデル、
デブラ・メッシング、ジョージ・ハミルトン、ティファニー・ティーセン

出演、監督:
ウディ・アレン

ウディ・アレン。御年70。毎年1本は新作を発表するバイタリティは本当に凄い。
『メリンダとメリンダ』という作品が近々公開される訳でありますが、
しかも、どれもこれもが全てオリジナルというのが、頭が下がります。

さて、今回描かれるのは映画の世界。
アレンの暮らすニューヨークとは全くの対岸となるハリウッド映画の世界。
アカデミー賞を2度も獲得したものの、今は落ちぶれた映画監督が、
起死回生とばかりに、ハリウッド映画のオファーを受ける。
そのオファーをしてきたのは、別れた妻からのものだった。
(別れた妻が監督して欲しいと打診する時点で、通常じゃあり得ないと思うのだが…。)

ハーレイ君だの、ウェインスタイン兄弟だの、ピーター・ボクダノビッチだの、
彼らの名前を茶化すようなシーンもあり、作品<プロデューサーという現実も表現。
ハリウッドを毛嫌いする彼らしい風刺であるが、あくまでもアレン映画。
アレンの飄々とした姿でもって、全てを笑い飛ばしていきます。

一番の見所は、アレン演じるヴァル監督の一挙手一投足にある。
妻からのオファーで仕事の話をしていると、話題をすり替えて別れたことへの不満を爆発させ、
ハリウッドへの抵抗か? カメラマンは中国人(通訳付き)を招聘。
更には、今の恋人までもドサクサに紛れてキャストとして迎える有様…。
撮影中に心因性失明となり、妻の介護を受けながら映画を撮り続ける。
(目が見えないなら、映画撮るなよ!…ってことを突っ込んだら元も子もありませんが。)
失明した際のオロオロ、ヨタヨタする姿は、横山やすしみたいな動きが笑える。

アレンのマシンガントークが生み出す笑い自体はかなり緩く、お年寄り向け。
また、若い女性と付き合ったり、安直に元妻といい関係を回復していこうとするなんて、
男性願望と言いますか、男本位の描かれ方をされているのはどうなんだろ。
後半に突如現れれる息子との和解も描かれるのですが、
あまり関係ないシチュエーションであり、挿入された意味が不明確。
描きたい焦点として、妻の和解なのか息子の和解なのか適当に濁してしまった気がしてならない。

ハリウッドへの風刺を極めつけるラストの描かれた方は清々しいが、
毒という意味では、少々物足りず、ぶった切りした甲斐もなかったように感じる。
その毒は、アレンの年齢と共に中和されてしまったようだ。


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1 コメント

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TBありがとうございました (ミチ)
2005-07-21 23:11:48
こんにちは。

なるほど、毒が中和されていたんですね~。

もっと強烈な毒を期待していたのかもしれません。

描きたい焦点は案外息子との和解にあったのでは?と思ってます。