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【映画感想・ア行】 アイランド ★★☆

2005-07-27 | 【映画感想・ア行】
ストーリー:
大気汚染から守られた清潔な都市空間。
そこで暮らす人々が抱く共通の夢は、地上に残された最後の楽園「アイランド」へ行くこと。
日々行われる抽選にみな一喜一憂している。
しかし、リンカーンが知ってしまった真実は、
そんな夢どころか、自らの根底さえも覆すものだった。
自分たちは臓器を提供するためだけに生かされている。“クローン”であり、
「アイランド行き」の名の下に葬り去られる運命にあるのだ。
リンカーンは、アイランド行きが決まったジョーダンとともに、命がけの逃亡を決意する。
(goo映画より引用)

出演:
ユアン・マクレガー、スカーレット・ヨハンソン、ジャイモン・フンスー、
スティーブ・ブシェミ、マイケル・クラーク・ダンカン

監督:
マイケル・ベイ

※ストーリーの核心に触れる内容があります。鑑賞後にお読み下さい。

語るべき内容が語られず、違うものに差し替えられた。
『アイランド』について語る際、こう表現するのが一番分かりやすいかもしれない。

ひとりの男、リンカーン。無機質な白いジャージを着せられ、よく分からないチューブへ栄養分を注射する日々。
男女の密接な接近は禁止され、そこに暮らす人々は、永遠の楽園「アイランド」に行く日々を待つ。
そんな単調で刺激のない日々だったが、リンカーンは、アイランドの本質を知ることとなる。
アイランドへの旅立ちというのは、実は自らの死を意味するのであった。
しかも、自分達は人間ではなく、プロダクツ、即ちクローンであることを知るのだ。
自分の存在価値とは何か、リンカーンは「アイランド」行きの決まったジョーダンと共に逃亡を図る。

クローンのアイデンティティ、非常に奥深い問題をテーマにしている作品だ。
クローンは、結局のところ、人間の代替用品でしかなく、死なせることに対して人は何の罪悪感もない。
人間=意思を持つ故に、クローンを作ることを禁じている訳で、
そこらにある電化製品やら、植物やらとは違うのである。それは、意思をアピールする能力に長けているからだ。
だから、隔離されたバーチャルな空間で、男女と接触することは禁じられ、何の娯楽も存在しない。
日々単調な生活が続くことに対し、何の違和感もないクローンだが、プロダクツには不具合品も出る。
不具合品が、リンカーンであった。彼には好奇心があまりにも強過ぎた。無機質な人々と比べて。
彼がジョーダンと共に、人間界へ飛び出し、様々なことを吸収する。
(実のところ、彼らは2~3歳児の常識しか知らない。何せクローンだから。)
しかし、本物が存在する中で、クローンの存在意味を問い質されることとなる訳だ。

クローンの存在意味を問い掛けるという科学的イデオロギーに突っ込んだ内容は興味深く、
後半は、これに対しどのように映画としてケリをつけるのかが映画の見所であった。
しかし、監督マイケル・ベイは、自分の大得意分野であるアクションで誤魔化してしまった。
逃げるクローン、追う傭兵軍団。クラッシュ、爆破、銃撃のオンパレードで、何もかもを破壊しまくる。
彼らとは何の関係もない連中まで巻き込まれる訳で、前半の問い掛けとの矛盾が連続する。
戦うすべの知らないクローンが、あっさりと傭兵集団を手玉に取るし、
運転できない車やバイクも簡単に乗りこなす。こんな些細なことまでも矛盾だらけ。
描きたい本質は一体どっちだったのか、観ている側も混乱させられてしまう。

混乱した内容は、ラストで更に混迷を極める。
リンカーンとジョーダンは、クローン達を開放し、野に下るのだ。
この2人は、メシアかキリストか。救世主の如く神々しく奉るあたりも納得できないが、
それ以上に、このエンディングはハッピーエンドとして盛り上げられていることが最も合点がいかない。
クローンには、人間本体がいる訳で、また、社会に下りたとして、生活できるとも思えない。
このラストを観て、薄ら寒い思いをしたことは言うまでもない。
それ以上に、作り手が物語を放置したとしか思えないことに対し、憤りを感じる。



※余談
7月27日発売の「ニュースウィーク日本版」の映画紹介が『アイランド』であった。
マイケル・ベイはインタビューで、「映画批評は読まない。どうせ叩かれるだけだ。」と述べている。
『バットボーイズ2バッド』、『パールハーバー』も完璧なリサーチの上で作られた、
『アイランド』でのアクションシーンが入ることも必然性があってのことだと述べた。
批評は気にする必要ないけど、批評家も映画鑑賞者、即ち映画ファンの一員であるからして、
映画好きから嫌われる映画を作ること自体、嫌悪感を憶えるのだが・・・。

しかし、一般受けはいいんだよね、この人は。
ちなみに、マイケル・ベイ、私は嫌い。
彼の映画で認めているのは『バッドボーイズ1』のみ。
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8 コメント

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だめでしたか・・・・ (映画の花道)
2005-08-04 23:36:11
私はなかなか気にいったんですけどね~

最後のラストは、オリジナル版の猿の惑星みたいに

もし、あんな会社ができちゃうとクローンが逃げ出す結果になるぞという人類に対する警告と受け取ったんですが・・・



意見が分かれちゃうのかな~?!
こんにちは~ (ミチ)
2005-08-05 06:53:37
なんせマイケル・ベイですからね~。

なんだか始めにアクションありきで、クローンのことは後付けのような・・・・いや、そんなことはないでしょうか、どうしてもアクションシーンの派手さが目を引く監督さんですよね。

解放されたクローン達の行く末が気になります。
ベイ (kossy)
2005-08-05 09:20:21
俺も好きではない・・・ベイ監督。

同じく評価できたのはバッドボーイズ1のみです。

だけど、パールハーバーやアルマゲドンでも、部分的には楽しめた。だから観にいっちゃう・・・

ダメでした・・・。 (kazuki-kt)
2005-08-05 23:29:18
>映画の花道さん

面白い解釈ですね。 納得できる理論です。

社会的影響度という観点だったからでしょうか、

あのエンディングは、突き放し過ぎのように思いました。



前半は面白かったんですけどね。
ベイ、マイケル・ベイ (kazuki-kt)
2005-08-05 23:31:25
>ミチさん

アクションが撮りたいから、クローンを付け足した。

そう言われても納得してしまう、マイケル・ベイ。

この人は、映画よりミュージック・クリップなんかを

撮る方が向いているような…。



ラスト、あれはバッドエンディングだと思うんですが・・・。
バッド・ボーイズ1 (kazuki-kt)
2005-08-05 23:34:53
>kossyさん

マイケル・ベイ、映画ファンからは本当に嫌われてますなぁ~。



私は『バッド・ボーイズ1』以外は、面白いと思ったことないんですが…。
マイケル・ベイ=偏屈? (chishi)
2005-08-18 22:32:29
好きな作品と、そうじゃない作品と両方ある監督さんです。今回の作品はドッカンアクションが楽しかったんで「ケッ」ってカンジではなかったです(笑)

最後、一見ハッピーエンドですけど、ちっともハッピーじゃないですよね。薄ら寒い恐怖というか、暗雲立ち込めてるというか…(汗)
アンチ マイケル・ベイ (kazuki-kt)
2005-08-18 23:05:25
あまり監督の好き嫌いで、

映画の良し悪しは決めたくないのですが、

この人の作品は、空疎なアクションしか特徴がない。

それが嫌いな所以なのかもしれません。



ラストは、絶対アンハッピーエンドですよ。

薄ら寒い恐怖。的を得た言葉だと思います。

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