山はしろがね

ロシア文学/スキー@稚内(~2017.3)

30人学級

2005-10-07 00:43:01 | 日記・エッセイ・コラム

 田舎に住んでいるというと,都会の人に「子育てにいいですね」などと言われることがある。まあ,社交辞令だと思うのだが,そのベースには「都会と違って自然があっていいね」という考えがあるのだろう。といっても,日本の都会は外国と比べれば緑地が多いし,ほんの1時間も電車に乗ればけっこうな自然と出会うことができる。

 実のところ,田舎が子育てにいいとはあまり思えない。人口が少ないということは教育機関の選択肢も少ない訳で,たとえば中学校から,何百キロも離れた都会の私立校に「留学」するなんてことも,当たり前にある。僕の暮らしている町はそれなりに大きいので高校は3校もあるが(本当に小さい町は1校かゼロだ),自分の学力や志向(スポーツなど)に見合った学校をそこに見出せない子供は,都会の高校に進学するらしい。中学生や高校生のうちから下宿や寮生活をするというのは昔であれば当たり前のことだったのだろうが,それが理想の状態に近いとはあまり思えない。

 そんなわが町なのだけれど,少し希望の出るニュースを聞いた。構造改革特区を使って,小学校で30人学級(科目によっては20人以下のクラス編成)を目指すというのだ。

 僕も語学教師のはしくれだから確信をもって言えるが,ある種の授業については少人数の方が教育効果は高い。田舎の学校でも基礎学力を確実に身につけることは可能なはずだし,それは町の将来のためにもとても意味のあることだと思う。また,教師がひとりひとりの子供に目を向け,理解する上でも,30人学級がもたらす効果は大きいはずだ。

 広島大の調査でも30人未満の規模を適切と考える教員が多いらしい。

 諸外国の学校だって,日本のように人数の多いクラス編成はしていないはずだ。いろいろな国の学生と話をする機会があったが,日本では英語を40人で学んでいると言うと,たいていの場合は驚かれるより前に,信じてもらえない。

 国全体としてこの方向を目指す動きは挫折してしまったようだが,文部科学省もまだ実現の可能性を追求し続けている。学校という制度について(あるいは子供たちの未来について),希望を捨ててしまうのはまだ早いようだ。

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1 コメント

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HN TASHKENTさん。いつもコメントいただき,ありが... (kamchatka)
2005-10-17 16:19:07
HN TASHKENTさん。いつもコメントいただき,ありがとうございます。外国語の授業というのは本当はマンツーマンが良いのだと思いますが,まじめな人でないとそれも張り合いがないので,まあ10人前後が理想かなと思っています。

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