森かずとしのワイワイ談話室

平和・人権・地球・子育て・教育・くらし・そしてまちを語る

金沢つながりの会が共生共学の条件整備を市教委に要望

2012-10-04 21:53:41 | 森かずとしの子育て・教育相談室
 障害のある子どもの地域での共生共学を目指して活動する親たちの会「金沢つながりの会」が今年度も金沢市教委に「地域の学校で学『障害』のある子の教育保障の充実を求める要望書」を提出し、懇談した。毎年私はその場に同席している。

 国連の「障害者の権利に関する条約」の批准を目指し、昨年改正された障害者基本法の理念を就学相談の段階から徹底し、原則在籍校を地域の学校とする金沢独自の基本方針を策定するよう求めることを明確にした。そして、具体的課題では、通常学級か特別支援学級かを問わず、合宿、修学旅行に出る障害児には、介助者を公費でつけて、クラスメイトみんなとともに校外体験学習に送り出していく条件整備を具体的に踏み込んで求めている。

 このワイワイ談話室でも採り上げてきたが、具体的な対応をめぐって、市教委は、インクルージョンの流れを認識し、市教委現行制度特別支援教育サポーター制度の限界点を特例運用の工夫によって、本人・保護者の立場に立ってきた。学校が全体として障害のある子を包み込み、体験を共有することができるようにすれば、本人も周りの子どもたちも大きく成長することがよく認識されている結果だ。今年度に懸案になった個別事情にあって、看護師資格者のサポーター派遣、夜間の介助員派遣などを行って、対処してきたことに、席上、保護者からの謝意があった。こうした柔らかな雰囲気を持って交渉することができるようになったことに、やはり隔世の感を実感する。要望されている制度拡充については、議員の立場から、市長部局に対し、「金沢モデル」の先進事例に踏み出すよう、側面から促し、制度拡充を応援していきたい。


地域の学校で学ぶ「障害」のある子の教育保障の充実を求める要望書

 貴教育委員会におかれましては、日頃より、地域の学校に通う「障害」のある子どもたちの教育保障に関して、いろいろとご尽力くださりありがとうございます。
 昨年 8月に公布された「障害者基本法」に、「障害」のある子とない子が共に教育を受けられるように配慮し「障害」のある子ならびにその保護者の意向を可能な限り尊重しなければならないと明記されています。また 12月には文部科学省より 「特別支援学校等における医療的ケアの今後の対応について」の通知が出され、地域の小中学校における医療的ケアについて明示されました。
 今年 7月、学校教育法施行令改正に向けて中央教育審議会の特別支援教育の在り方に関する特別委員会が報告を出しています。 分離を原則とした就学手続きを見直し、合理的配慮の必要を明記することが望ましいなどの内容です。この報告は、これまでの原則分離の教育を改めるという点からみれば一歩前進したといえますが、残念ながら改正の方向は私たちが願っている原則統合の制度とは大きな隔たりがあります。私たちは、「障害」のある子どももない子どもも、共に地域の学校で学べる共生教育 (インクルーシブ教育)制度の実現を強く願って、以下の要望をいたします。

要望事項

1.原則としてどの子も地域の学校の通常学級で受け止めることを、金沢市教育委員会の基本方針として打ち出していただきたい。  金沢市特別支援教育指針の見直しをする際にも、基本方針として打ち出していただきたい。

2.地域の学校に通っている子どもたちが、他の子どもたちと共に学べる環境を整えていただきたい。
(1)地域の学校に通う「障害」のある子が、他の子どもたちと共にあらゆる学習活動に参加することを保障するための合理的配慮を すべきこと、及びそれをしないことが差別にあたるということを、各学校の全ての教職員に周知徹底していただきたい。
(2)「障害」のある子が、すべての学習活動に保護者の付き添いなしで、他の子どもたちと共に参加できるように、貴委員会と学校が責 任をもって取り組んでいただきたい。
(3)宿泊行事や校外行事の際、学校の先生だけで対応が困難な場合に、子どもの学籍に関係なく貴委員会や学校の責任で補助の人   (ヘルパー、看護師等)をつけていただきたい。

3.医療的ケアの必要な子が、地域の学校の通常学級で教育を受けられるよう、必要に応じて看護師を配置するなどの体制を早急に 作ると共に、常時服用している薬の投薬を教員でもできるように基準の緩和をしていただきたい。

4.特別支援教育支援員(以下、支援員)の労働条件を改善していただきたい。
(1)支援員の時給を上げるなどして、男性の支援員を確保しやすい条件を作っていただきたい。
(2)支援員と担任と保護者の三者での話し合いの時間を勤務時間として保障していただきたい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。