森かずとしのワイワイ談話室

平和・人権・地球・子育て・教育・くらし・そしてまちを語る

志賀原発の防災を考える議員学習会 PART1

2012-01-25 14:07:02 | 反原発・脱原発
 昨日午後、志賀町文化ホールで、浅野羽咋市議、高田輪島市議、山添七尾市議を呼びかけ人として全県で全地方議員に呼びかけてきた「志賀原発の防災を考える議員学習会Part1」が開かれた。福島原発災害を経験し、多方面でかつてない関心が高まっている。志賀原子力発電所は二基とも停止が続いている。当然、北陸電力は再稼働を目指している。しかし、福島現地での検証は緒に就いたばかりだ。放射性物質の拡散、食品汚染への懸念など、市民に不安は沈潜したままだ。こうした背景が、県内の地方議員にも、志賀原発に対する防災体制への真剣な問題意識を生み出し、今回の超党派の勉強会につながったと思う。
 この学習会には、県と9市(不参加は野々市市、能美市のみ)6町(同 穴水町、川北町)から約70人の議員が党派を超えて参集した。金沢では、会派の山本議員、清水議員、上田議長が準備に関わってきた私たちは、何人の参加になるか読めず、受付を担当した私も、次々と現れる各自治体議員に資料代の領収書を渡し、受付名簿に記載して貰うのに大わらわになった。用意した資料が足りなくなり、後日送付を約束する始末だった。予想以上の反響だったことが分かる。

 さて、この初めての試みは、三部構成だ。第一は、石川県の原子力防災の所管である危機対策課の課長、防災担当課長による「防災指針の見直し状況及び石川県原子力防災計画について」の説明だった。それは、国で議論が進んできた新たな防災措置を講じる区域としての 予防的防護措置準備区域(PAZ)5km、緊急時防護措置準備区域(UPZ)30km、屋内退避、ヨウ素服用対策準備区域(PPZ)50kmの概念規定、既存の国の原子力防災指針と石川県の原子力防災計画の構造などの説明に終始した。詳細はつまびらかでなくとも、議員たる者ならば、もう耳にしてきた内容だ。
 当然にも、質疑では、県のこれからの方針を聞きたいとの厳しい質問が飛んだ。「国の指針の具体化を待って」と言う消極的な答弁には、内灘町や志賀町周辺自治体の議員から、県は福島の被災地に直接行って現地の状況を把握しているのかとの追及が続いた。これは、周辺自治体ばかりではなく、全県の議会で防災体制の拡充、安全協定の拡大を求める声に、谷本知事が応えないことへのいらだちがこの機会に噴出した形だ。危機対策課の答弁する姿は、会の第三部で市の防災体制を報告した七尾市や羽咋市の所管職員が制約の下でも頑張ってやろうとしている懸命さに比較して、何とも官僚的で、上を見て動いているとのそしりを受けてもしょうがない。

 この石川県の住民を見ない消極姿勢がいっそう際立つことになったのが、新潟県柏崎市議高橋新一さんの報告だった。柏崎刈羽原発を抱え、長年反原発闘争に没頭してきたと言う高橋さんは、今日は原発の是非論は横に置いてという趣旨は理解しているがと前置きしながらも、言葉の端々に原子力政策、原子力村批判がにじみ出て、民主のS県議は閉会後に噛みついていたが、私は高橋さんは確信犯だったんじゃないかと思う。新潟県は、刈羽原発が中越沖地震で限界地震動の3.8倍もの揺れに見舞われ破局的事故寸前まで行ったという恐怖の経験から、泉田知事が、国の原子力安全・保安院を全く信用せず、独自に新潟方式と呼ばれる「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会を設置している。そして、その下に「設備健全性耐震安全性に関する小委員会」と「地震地質地盤に関する小委員会」を設けて、石橋克彦さんなど原発政策に批判的な学者も委員に迎え入れている。柏崎市では、高橋さんたちが中心になって柏崎刈羽をとってKKの会という原発防災をチェックする運動体を作っていて、そこに県の担当責任者が意見を聞きに来るという。また、長岡市長、柏崎市長、新潟市長が3.11後合同勉強会を続けている。これは現在は県内30の市町村に広がっているという。やはり刈羽原発の地震被災の体験と福島の事故の衝撃からくる危機感が石川とは比較にならないほど強いのだ。
 質疑では、安定ヨウ素剤の配備と服用指導の考えた方や給食食材の放射能測定の有無などに質問が出された。食材検査は、県の学校給食会が一括して行っている。

 高橋さんは、しかし、UPZ30㎞圏の避難と言うが、果たしてそれは可能かとの根本の問いを口にされた。長岡市の計算では28万人が避難するにはバスを切れ目なく運行しても二日半かかるという。これは、石川県でもそっくり当てはまる。海を背にする中能登、奥能登地域はなおのことだ。だから彼は断言する。「安全確保は原発を動かさないことだ。」と。

 初めての超党派学習会は、参加者からみて呼びかけの効果があった。内容には、議員によって評価が違うだろう。より具体的な原子力防災の先進事例を知りたいとの声も聞く。同時に、参加はなかったが、金沢市議会でも保守系会派からも、県の議長会や金沢市議会としての勉強会があってもいい、そんなこともやっていかんなん、との声が聞かれる。全県下でそんな動きが出てくると、この学習会が画期的な一石となっていく。



 




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。