1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「罪と罰2」(ドストエフスキー)

2010-11-15 22:36:24 | 
第2巻では、第1巻で金貸しの老女とその義理の妹を殺害した、主人公ラスコーリニコフの殺害の動機と、思想が明らかになります。

「かりにケプラーたかニュートンとかの発見が、いろんな事情がかさなり、もうどうしても世間に知られそうにない、ということになったとします。しかし、それがひとりの人間、もしくは十人、百人、あるいはそれ以上の人間の生命が犠牲になることで世間に知られるようになるとしたら、ニュートンは自分の発見を全人類の前に明らかにするため、その十人なり百人の人間をなきものにする権利がある。いや、それどころか、彼の義務といってもいいくらいなんです。」

「彼ら(ごく少数の天才たち)は自分の思想のために、もし、死体や流血といった事態を踏みこえる必要があれば、僕の考えでは、彼らの心の中の良心に従って、流血を踏みこえる許可を自分にあたえることができるんです」

スターリンが、ポルポトが、最近ではオーム真理教が、これと同じような考えもと、たくさんの人の命を奪ってきました。いまもなお、重たい問いであると思います。

第2巻は、ここがひとつのハイライト。もうひとつのハイライトは、娼婦ソーニャがラスコリーニコフに新約聖書から「ラザロに復活」を朗読する場面。「ラザロに復活」については、亀山郁夫がていねいに解説してくれています。

はたして、ラスコリーニコフに復活の救いはあるのか・・・

ラスコーリニコフを犯人だと確信する予審判事ポルフィーリーと、ラスコーリニコフの対決も、とても読み応えがありました。


第3巻をさっそく予約。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿