毎日がしあわせ日和

ほんとうの自分に戻れば戻るほど 毎日がしあわせ日和

冬越しミニトマト

2013年04月17日 20時27分07秒 | 自然

そのミニトマトの苗を見つけたのは、去年の9月のこと。

生ゴミを埋めたところから、15cmほどの小さな苗が顔を出しているのに氣がつきました。

なんと今ごろ?

これからどんどん涼しくなるというのに。。。




こちらの心配をよそに、苗は日ごとに大きくなり、晩秋の日ざしを浴びて、可愛い黄色い花を咲かせるまでになりました。

12月に入っても 比較的暖かい日が続いたのも幸いしたのか、やがて小さな緑色の実がいく粒も生りました。

とはいえ、いかになんでも12月、食べられるまでになるとはとうてい思えません。

でも。。。心の中で トマトに話しかけました。

もし、ひとつでも熟してくれたら 種が採れるから、そうしたらきっと次の春に蒔くからね



しかし、やはり冬の日ざしでは無理があったのでしょう、どの実も青いまま落ちてしまいました。

それでも、もしかしたら追熟してくれるかも。。。と、あきらめ悪く つやつやの緑の実を拾って キッチンペーパーを敷いた小皿に入れて置いておきました。



ほとんどの実は、やっぱりというか 青いまま傷んで終わってしまいましたが、ひとつだけ うっすらと赤く色づき始めたものがありました。

わずかな望みをつないで、小皿のまわりを 毛糸のマグカップカバーやコースターでおおって防寒し、天氣のいい日はお日さまに当てて、少しずつ赤みが増していく様子を見守りました。




12月初旬の寒波はどうにかしのいだミニトマトの木も、葉が黄色くなってしおれ出し、年末の寒波はとうてい越せそうにありません。

お正月の支度で実家に向かう直前に、木にお別れの挨拶をしました。

長いこといっしょにいてくれて、きれいな葉や花や実を楽しませてくれてありがとう。

あなたが枯れてしまっても、あのひとつ残ってる実から種が採れれば、いのちをつなぐことができるからね。

どうか見守ってやってね。



年が明けて戻ってみると、木はやはり枯れていました。

が、毛糸でくるんだ小皿ごと 窓際に置いておいた実は、すっかり赤いミニトマトとなって、つやつやと元氣な様子で収まっていました。

それからずっと、天氣のいい日は日光浴、寒い日は家のなるべく暖かいところで、ひとつだけのミニトマトは 活き活きした姿を保ち続けました。




今思うと 不思議でなりません。

トマトであれなんであれ、野菜がこれほど長く 新鮮さを失わずにもつものだろうか。

買ってきた野菜が 4ヶ月も5ヶ月もそのままなんて、普通じゃ考えられないよね。

枯れも腐りもしないということは、木から離れて数ヶ月経っても生き続けているということ。

どんな力が働いているんだろう?




3月ぐらいから、ヘタの深緑が徐々に枯れ色に変わり始め、4月に入ると ついに実のほうも 皮にしわが寄り出し、終わりが近づいてきたのがわかりました。

たぶんあと数日でお別れでしょう。

そうしたら、中の種を取り出して、苗床に下ろして 新しい苗作りです。

時期的に少し遅いけど、年末まで頑張りとおした木の子孫、きっと寒さには強いはず。

ひと月やそこらの遅れなど ものともしないでしょう(^^)

まだ種がどうなっているかはわからないけど、無事育ってくれていることを祈ります。

木から落ちてしまった実が たったひとつ、冬を越して守り通した種なのだもの。





半年近く共に過ごした赤い実とのお別れ、なんだか淋しいような。

あの親木は、立ち枯れた姿のまま 残してあります。

青いまま終わってしまった実たちは、根元の土に返してやりました。

種を採った後の赤い果肉も いっしょにしてあげましょう。

もし無事に新しい芽が出たら、親木に見せて、こう言ってから 抜くことにしようと思います。



“あなたの思いがひと冬を越してはぐくんだ子どもたちだよ。

 これからすくすくと育って、夏のお日さまをいっぱいに浴びて たくさんの花や実をつけ、種を残して また次のいのちをつないでくれるよ。

 あなたのことも、あの赤い実も、青いまま終わった実たちも、ずっとずっと忘れないからね。

 会えてよかった、ありがとう”




















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