手づくりオーディオで聴く JAZZ

1960年代の後半、BEATLESがまだ現役だった頃に、初めてアンプを作った。ときどき火がつく。

6384pp とりあえず出来上がり その5

2015年07月18日 22時54分35秒 | 真空管アンプ


 KNFの効果をみるために、Contour1.8で Pops、Jazz、クラッシックを聴いてみた。
Pops系では、KNFを掛ける前は、低域が出過ぎというか膨らんで聴こえていたが
引き締まった感じがした。 これはよく言われることだが、、、。
ただ、クラッシック(オーケストラ)を聴くと、高域が何となく伸びていない。
これは、予想していたことで、たぶんNF抵抗とパラに付けたコンデンサの値によるもの
だと推測。
 コンデンサの値は経験値で適当に 120PFを付けていたが、周波数特性は測っていなかった。
ということで、周波数特性を測定してみた。
その結果は

 10Khz : -0.25dB
  20Khz : -0.4dB
  50Khz : -1.2dB
だった。高域特性は良い方に属するトランスなので、高域が低下していくのが早すぎる。

極端に小さくして47pFにしてみた。

  20Khz : -0.25dB
 30Khz : +0.15dB
  40khz : -0.1dB
  60Khz :  0dB
 80Khz : +0.3dB
100Khz : +1.0dB

というように高域で暴れ出した。

これは値が小さ過ぎたようなので、手持ちのディップマイカの中から 75pFに変えた。
その結果は
  20Khz : -0.2dB
  50khz : -0.25dB
  60Khz :  0dB
 70Khz : -0.4dB
100Khz : -0.6dB

となったので、一応これで良しとした。

これで、何んとか クラッシクの弦の高域も 若干 良くなった感じだ。

ただ、低域をTAD1601としたシステムで鳴らすと、なんとなくおとなしく感じられる。今井美樹とかのボーカルが
ちょっと後ろへ下がったように感じられる。全体のクオリティは Studioで出ている音はこんな感じだろうと
思えるようなLevelなのだが、もうちょっと ボーカルが全面に出てくれると 言うことないのだが。
たぶん、中低域に使っているDYNAUDIOと高域のツィターの間位の 音域が おとなしいのだろうと
思われる。ついJBL系のドライバとホーンを使えば解消するかなと思ってしまう。
 でも、これを実現するのはかなり厄介だ。
良くできた デバイダを準備しないといけないだろうし、JBLのホーンから出る音(場)とドーム型ツィターだと
音の繋がりをスムーズにするのは 至難の技だろう。

 ということで、 6384の良さは 一応出ているアンプになったと思う。


6384pp とりあえず出来上がり その4

2015年07月06日 23時27分58秒 | 真空管アンプ


 出力トランスに備わったカソード帰還用端子への配線はトランスの止めネジを
利用してラグ板を取り付けることで 実にシンプルに解決できた。
ラグ板3pの取り付け穴を4mmに広げるだけで OKだった。

カソード電流を測るためにソケットに10Ωを取り付けアースに落としていたのを、
これを外しソケットの1番ピンから、新たに取り付けたラグ板まで結線し、10Ωを取り付け、

トランスのCF端子に半田付けすればOKだ。1台がものの30分で終了。

次は負帰還の具合いを測ってみる。
(1)オールオーバのNF用の抵抗を外し、裸利得をあらためて測ってみた。
 感度が高いので 入力 0.01V で SP端子(8Ω)に 1.93V 約45.7dBの利得
(2)KNFのみを掛けたとき
  入力入力 0.01V で 1.03V 約40dBの利得  
となった。 KNFは3dBくらいのNFが掛かると 以前、なにかの記事で読んだ記憶が
あったが、5.7dB かかっていることになる。

(3)このまま、オーバーオールのNF抵抗で帰還をかけると
 入力入力 0.01V で 0.32V : 約30dBの利得 となった。

最終的には 15.7dBくらいの負帰還がかかっていることになった。通常の球のアンプより
多いというところか。

この時点で8Ωの負荷抵抗(50W)の両端電圧が頭打ちになるまで入力を上げてみた。
16Vくらいまでは、スムーズに上がり、18Vくらいで伸びなくなるがそれでも入力を上げると
20Vで伸びなくなった。単純には 50Wということになるが、まあ出力40Wといったところか。

もう片方のプレート電圧が少し低い方のアンプは、仕上がりゲインが少し高くなり
33dBとなった。裸ゲインが少し高いので、帰還抵抗が同じのままなので結果として高くなった。

音出しをしてみると、やはり少し大きく感じられる。

 さて肝心の音の方はというと DINAUDIOのCONTOUR1.8で聴いてみた。

・音が静かになった。

・奥行が出てきた。

・低域の分解能が上がった

感じがする。夜なので、あまり音量を上げられないためVocalものを聴いた。
明日、あらためて聴いてみよう。



6384pp とりあえず出来上がり その3

2015年07月04日 23時29分28秒 | 真空管アンプ

 


翌日も、3時間ほど聴き慣れたCDやLPを掛けてバランスを取ってみた。
夕方ころになると、以前よりも低域が出過ぎる感じは残るものの 高域のVRを回してレベルを
上げても歪っぽさが薄らいだように感じられるようになった。
 私は、これまであまり球のエージングの必要性を感じたことはなかった。
夜も音量を絞り、とにかく通電状態で夜中まで鳴らしてみた。

その翌日の夕方から、ある程度の音量を出して、Nora Jonesや 山本 剛の「Misty]とか
荒井由美の「ひこうき雲」、今井美樹の「PRIDE」とかを聴き続けた。

明らかに、低域から高域のつながりが良くなった。普段より絞っていた低域用のDCアンプのVRの
位置が元に戻った。

EL-156のような雰囲気のある音ではなくて、解像度が上がった感じの音だ。「PRIDE」なんかだと
強烈なバスドラと重いベースの音が絡むのが以前よりも よく解る。vocalに掛けられた
ディレイの設定も見えるようだ。宅録をかじるようになったせいか、どうすれば
こんな重いベースとバスドラの音が録れるのか気になってしまう。

ということで、まずは いいところまで音がまとまるようにはなった。
あと、気になるのは、DINAUDIO Contourで鳴らすと やっぱり低音が出過ぎている感じがする。
もう少しNFを掛けて DFを上げる必要があるのかも知れない。
今回、使った出力トランスには カソード帰還用の巻線があるので、それを試してみるのも
効果があるかも知れない。が、既成の鉄製のシャーシなので、簡単に穴を開けて スタンド端子を
取り付けたりするのが面倒だ。単純にNF量を増やすよりも そちらがたぶん効果はありそうだ。

 


6384pp とりあえず出来上がり その2

2015年07月03日 01時06分10秒 | 真空管アンプ


 アンプは6月30日に一応、2台目も組み上がり音出しができる状態になっていた。



アンプの外観は上の画像のとおりだ。

球の構成は、初段 :12AT7系(差動回路)2SK30(IDSS 3mA)の定電流回路
      ドライブ段 : 5687 
      終段 : Bendex 6384 プレート電圧 432V(382V)
                  SG電圧 299V (298V)
                                    カソード電流 48mA( 同じ)
       出力 約40W(28w)
                 カッコ内は(1台目の値)

       利得 裸利得 44.6dB (41dB)
                    NF後の利得 31.2dB (31dB)

以前だと中高音にJBLのドライバ(077、LE375)を使っていたので、ウーファ用の
アンプが金田式(利得20dB)なので、それに合わせて 26dBくらいになるように
作っていたが、今は、中高音のSPの能率が88-89dBとウーファー(97dB)より
低いので、最低でも 30dBとなるように、かつNFを10-12dBくらいは掛けたいので
このような設定にしている。

球の選定で悩んだのは 初段を何するかだった。
今回、参考にしたのは、昔よく参考にしたMJ誌の常連ライターだった 森川氏の回路だった。
氏のEL156ppの記事は 2例持っていて、その中でもSG電圧をツェナーダイオードでドロップ
させる手法を参考にした。この方法は、ちょっと気に懸かる点はあるが定電圧回路を
わざわざ作る必要がないので楽だ。6384などのように、プレート電圧の最大規格が
750VなのにSG電圧が325Vというような球には向いている方法だと思う。

さて肝心の音の方だが、初段の球は、ストックしていた ナショナルとカタカナのロゴがプリントされた
AMS 12AT7WAという球だ。ピンが金メッキされている。中ほどがくびれているという変わったスタイルだ。
まずDYNAUDIOのcontour1.8で鳴らしてみた。
いつもは低域不足を感じていたこのSPから十分な低音が出ている。
いつもだとJAZZピアノが 物足りなく感じる(Jazzらしい切れがない)のに、それがない。
が、ちょっと高域がうるさく感じる。歪っぽい。

そのまま、マルチアンプ方式に変え、中高音アンプとして鳴らしてみた。
すると、この傾向が更に強まってしまう。低音が出過ぎで、高域が粗い。バランスが取れない。
2時間ほどバランスをいじってみたが うまくいかないので この日はギブアップ。

たぶん、初段、次段の球が未使用だったためだろうと判断し、翌日に持ち越す。


6384pp とりあえず出来上がり その1

2015年07月01日 00時20分15秒 | 真空管アンプ



< 1次配線を終了 >



内部の電源、ヒーター周りの配線を終える。長いことやっていても下手だ。
こういうのは、いわゆる美的センスがないとダメなのだろう。と自分を慰める。
この時点でB電源のチェックをしてみたらトラブル発生。
電源トランスの右横にあるケミコン(2個)は、昔、オーディオ専科から買った
220μFだ。実はこのシャーシを前提とした回路ではケミコンを5個取り付けるように
作られていた。指定はスプラグの90μFだった。が、当時でもスプラグ製は高かったので
日ケミ製にした。が、電源トランスのすぐ下に位置するケミコンはシャーシの
カバーの作りの関係で、どうしてもスプラグ製でないと収まらないような造りだった。
なので、スプラグ製を使っていた。

が、仮配線で電源を投入すると、そのスプラグの+端子の電圧が予想よりもはるかに
低い。なので、右上の日ケミを結線してみた。すると正常な電圧(380V)が出てくる。
が、一瞬、どこからか煙が出たように見えた(この原因は後で判明する)。
結果的には、トランスの下の左側のベーク製のベースを持つスプラグ製のケミコンが
容量抜けしていたみたいだ。なので、その左側にも取り付けていたスプラグ製を
取り外し、代わりに 最近のJJ社製の100μF×2を取り付けた。
因みにその下にあるのは、マロリー社製だが、こちらは大丈夫のようだ。

ということで、あらためて電源を入れたら、バッチッという音が出てトランスのすぐ下に
ある10Ω(2W)の酸化被膜の抵抗から煙が出た。
これは、以前は、ケミコンへの突入電流を軽減するためにセメント抵抗(5Ω)を入れていた
のを取り換えていたのだった。
やはり総計600μFのケミコンへの突入電流は大きいのだ。電源SWを入れると シュンみたいな
音が聴こえるくらいだから。

ということで、後でセメント抵抗に取り換えた。

< パーツを取り付けたボードを載せて完成 >



今回のアンプは モノラルだ。
1台目は、電源トランスの280Vタップを使ってやってみた。
終段の6384のプレート電圧は、約380Vだ。スクリーン電圧の最大値は325Vなので、300Vくらいは
掛けてできるだけ出力を稼ぎたいと思っていた。
EL-156ppでも、ハッキリしたことだが、この手の球(SG電圧の最大値ががプレート電圧よりかなり
低い設計になっている)は、普通に抵抗で電圧を下げるとダメなのだ。
入力電圧が上がり、プレート電流が増加しようとしても、SG電圧がダウンしてしまうために
出力は伸びない。
理想的には、安定化電源による供給が望ましい。
が、面倒だ。ということで、ツエナーダイオードで済ますことにする。

これをしないと、12Wくらいの出力しか得られない。

 この画像は、2台目の方で、電源トランスの320vタップを使って430Vを6384に供給している。
SG電圧も約300Vだ。
これで、最大、約40Wの出力になったようだ。